フライタイイングを始める前から、憧れていたフライがあります。その名は、ロイヤルコーチマン。よくフライタイイング本の表紙に載っていたりするほど有名なフライ。
ピーコックと赤いフロスのコントラスト、個性的な柄のテイルと、存在感ある真っ白なウイング。とにかく魚にも人間にも強烈な印象を与える唯一無二のフライ。
日本語にすると『王室の御者』という名前もカッコイイ。あれ、ところで、御者ってなんだっけ? 調べてみると、馬を操って馬車を走らせる人のことらしい。馬車の運転手。そうだったのか、コーチマンという響きから勝手に指導係みたいな人のことだと思っていたよ(笑)
ともかく、このフライに挑戦してみます。前に悪戦苦闘したロイヤルウルフでボディー部分は練習済み。問題はウイングだなー。
ロイヤルコーチマン
◎フック:TMC100 #12
◎スレッド:ユニスレッド8/0(ブラック)
◎ボディー:ピーコックハール&ユニフロス(レッド)
◎ウイング:ダッククイル(ホワイト)一対
◎テイル:ゴールデンフェザント・ティペット
◎ハックル:コックハックル(ブラウン)
教本ではウイングを先に取り付ける方法で、ネット動画ではテイルを先に取り付ける方法で紹介されてました。今回は教本に従います。
↑フックのゲイプ幅と同じ幅のダッククイルを切り出します。ダッククイルは一対で売られているので、左右同じ部分から対称形に切り出します。クイルの幅を計るには製図用のディバイダーがあればやりやすいですね。手元にないので、今回はピンセットで大体の感じで計っちゃいましたが。
↑フックに下巻き。
一対のダッククイルの表面を合わせてV字型になるようにします。
↑シャンクに沿わせるように持って長さを調整して、左手に持ち替えます。クイルをしかっり挟んだまま、スレッドを指の間に滑り込ませるようにして、真下に引いてクイルを固定します。さらに左指はしっかり押さえたままスレッドを3回巻きます(右写真が取り付け完了の状態)。
クイルを持ち上げ、後ろ側にスレッドを数回巻きます。クイルが立ち上がります。
↑個性的な模様のゴールデンフェザント・ティペット。5〜6本切り出しテイルとして取り付けます。
↑度々登場のピーコックハール。孔雀ですね。ハール2本を重ねてテイルの根元に取り付けます。3巻きくらい巻きます。
↑赤いフロスを取り付けて、ピーコックハールの上を段にならないようにスリムに巻いてスレッドで固定。先ほどのピーコックハールと同じくらいの幅で。
もう一度ピーコックハールを3巻きくらい巻きます。スレッドで固定して余分をカット。
ここまで来てわかりましたが、ウイングを先に取り付けちゃうと、ボディーを巻く時にかなりやりにくいです。干渉してウイングがばらけてきちゃうし。
テイル→ボディー→ウイングの順番がいいんじゃないかな、きっと。
↑ゲイプ幅の1.5倍くらいの毛先のハックルを2本選び出し、裏面が上になるように重ねて取り付けます。
まず上のハックルを巻きます。ハックルの後ろ側3回転、前側3回転くらい。
↑もう一本のハックルも同様に、先に巻いたハックルの合間を縫うように巻きます。ウイングの前後がしっかりしたら、ばらけていたウイングも無事まとまって、なんとかそれらしくなりました。
後は、ヘッドを成形して、ウィップフィニッシュで完成ですが、
↑こんなのあると、ハックルを挟み込むことがなく、やりやすいです。
ハックルガード(楽天市場で見る・アマゾンで見る)
前に通販でマテリアルを買ったときに「こんなのあるんだ」とついでに買ったものですが、大中小3つがセットになっていて思ったより便利です。400円くらいとお手頃。
まぁ、器用な人なら簡単に自作できると思いますが(^_^)
↑全体のバランスはちょっと怪しいけど、なんとか完成!
まだまだ修行が必要だなー。
この歴史あるフライは、カッコイイだけじゃなく、今でもかなり釣れるフライだというところがすばらしい。実用度で言ったら、このスタンダードパターンではなく、パラシュートパターンってことになるんだろうけど、実用一点張りじゃない方が趣味の世界は楽しい。
とは言え、このフライが活躍するのは夏・・・解禁直前に巻くフライじゃないな(笑)
コメント
初めてですか?
ボク、初めてクイルウィングのドライフライ巻いた時、こんなに綺麗に巻けなかったです。^^;
太めのティペットで使ってみてくださいね。
細いロングリーダーなんて使ったりした日にゃ、ティペットくっちゃくちゃになっちゃいますから。(笑)
↑この兄さん32番フックで作ってた…
夏のフライでもたくさん巻いているところがエライ(笑)
ロイヤルウルフで十分、と思わないところがもっとエライ(爆)
ごまかしがきかないので難しいフライですよね〜
綺麗に巻いたロイヤルコーチマンは魚より人間が釣れます。
おはようございます。
テンカラの場合どちらかと言うと餌の代用的な所があって、テンカラ名人と言われる人達も毛ばりは何でも良い!と言う人が多いですね。
その点フライの場合はフライタイイングが一つの域を確立しているように思われます、フライには釣りもタイイングにもそれぞれ楽しむスタイルが出来ていて、名前もはっきり決められているんですね。
テンカラ毛ばりは胴と羽位で後はフライのマテリアル用語を便利上使っていますが…
美しい出来上がりですね、ケースに入れて眺めるだけでも楽しいのでは。
kuniさん、こんばんは。
> 初めてですか?
> ボク、初めてクイルウィングのドライフライ巻いた時、こんなに綺麗に巻けなかったです。^^;
初めて巻いてみました。なんとか強引にまとめたという感じで、もっとスムーズにキリッと仕上げたいのですが(^_^)
> 太めのティペットで使ってみてくださいね。
> 細いロングリーダーなんて使ったりした日にゃ、ティペットくっちゃくちゃになっちゃいますから。(笑)
あー、それ忘れてましたー。ディペットがくちゃくちゃになったりするとイライラで釣りどころじゃなくなっちゃいますからね。気をつけまーす(^o^)
Nori1022さん、こんばんは。
> ↑この兄さん32番フックで作ってた…
なんですと!? 32番!?・・・米粒に絵を描いちゃう人みたいだ(笑)
うーむ、次元が違い過ぎる。
いつかそんなサイズにも挑戦してみたいです。あくまでも挑戦ね(^_^;)
いわなたろうさん、こんばんは。
> 夏のフライでもたくさん巻いているところがエライ(笑)
> ロイヤルウルフで十分、と思わないところがもっとエライ(爆)
エライでしょー(笑)
今は勉強中なんで、とりあえずいろんなのを巻いてみるということで。
> ごまかしがきかないので難しいフライですよね〜
そうなんですよ。これ、一応形にはなるけど、かっこいいバランスに仕上げるにはまだまだ修行が必要でして。
> 綺麗に巻いたロイヤルコーチマンは魚より人間が釣れます。
その通り。私も人間が釣れるロイヤルコーチマンを目指します(笑)
ハックル70さん、こんばんは。
> テンカラの場合どちらかと言うと餌の代用的な所があって、テンカラ名人と言われる人達も毛ばりは何でも良い!と言う人が多いですね。
テンカラは毛鉤を動かすことが多いからですかねー。魚もそんなにじっくり毛鉤を見ている時間がないというか。
ドライフライは基本的に「動かさない」し、魚にじっくり見せる場合が多いので、細かい部分にこだわるということもあるかもしれません。
> その点フライの場合はフライタイイングが一つの域を確立しているように思われます、
フライタイイングはするけどフライフィッシングはしない、という人がいてもおかしくない世界です(笑)
> 美しい出来上がりですね、ケースに入れて眺めるだけでも楽しいのでは。
今回コメントいただいているkuniさんは、飾るためのフライも巻いて額装して楽しんでるそうですよ。私の場合、今のところ釣るためのフライを作るのに精一杯ですが(^_^;)