渓流釣りも残りわずかだというのに、川が増水し過ぎでイマイチ・・・休日の兄上にきのこ狩りに行こうと誘われていたので、一緒にでかけました。
今日はじっくりと二人でマツタケを探してみよう。もちろん皆さんマツタケはご存じだと思いますが、これを採るとなるとなかなか大変なのです。自分のマツタケ山を持っている人は別ですよ。ちゃんと止め山(他の人が入れないようにしてある山)にして、管理していて環境が整えばゾクゾク採れますけどね。
私のような全くフリーのマツタケハンター(笑)は、いくつもの難関を乗り越えねばならないのです。
まず、第一に場所です(釣りと一緒ですね笑)。マツタケは主に赤松林に生えます。赤松林自体は結構あるのですが、先ほど書いたように、個人や地区の止め山には入ってはいけません。そうなると、寛大な個人所有の山か、国有林などに限られるわけです。が、幸いにもこの辺りにはまだ自由に入れる山はたくさんあります(^_^)
そこから、マツタケが生えそうなところに目星を付けて歩き回るのです。昨年採れた場所があるにはあるんですが、時期がずれていると生えているとは限らないし、他の人に採られこともあるでしょう。
そして、第二の難関。こちらの方が大きな問題かも。
マツタケは言わずと知れたキノコの王様。それを狙う人たちの数と執念は尋常じゃありません。とにかく、人より早く山へ入らなければと、目をギラギラさせている人たちが赤松林に結集しちゃうのです。オソロシ。
まぁ、ここまではわかります。そりゃ、みんなマツタケ採りたいよね。
人より早く入らなければならないってことです(これも釣りと一緒だ笑)。
ただ、ものには限度ってものがあると思うんですよね(笑)
先日山で行き会ったマツタケ名人の話によると、朝早くを通り越して、夜中の2時頃ヘッドライト装着で山へ入る人もいるとか。正気ですか? マツタケ名人はそんなことはしません。午後出かけてもちゃんと採っちゃうんだからスゴイ!
それでも、ここまでは特に問題ありません。夜中だろうがなんだろうが、行きたい人は行っても良いです。でも、危ないよ、夜の山は。
一番困るのは、マツタケが採れる場所を荒らしてしまう人たちです。マツタケはいわゆる「シロ」といわれる菌糸の固まりが松の根にできて、そこから生えます。
ニワカマツタケハンターは、松の根からマツタケが生えるから、そこを掘ればマツタケが埋まっているだろうと、ガンガン堀りまくっちゃうんです。確かに、ホントに小さーいマツタケが出てくることはありますよ、掘れば。でも、それやっちゃうとシロが壊滅。来年はもう生えないでしょう。
マツタケ名人はそんなことしません。松の根のあたりの地面、重なった松葉の上から押さえて、膨らんでる場所を探すのです。そして地面から顔を出す寸前のマツタケを見つけるのです。
まぁ、それは小さいヤツの話で、もっと大きくなったのはちゃんと目視できますよ。地中にあるヤツをガンガン採っちゃうから、大きくなれるのが少ないだけで(>_<)
で、親指ほどしかない、頭もまだ茶色になっていないようなマツタケを採ってどうするかというと、そういう人たちは自分で食べるために採ってるわけじゃなく、売ってるんです。
以前に紹介したグリーンファームに今日寄ってみたら、そんな小さいマツタケがいっぱーい並んでました。すごい数です。
結局、お金に目がくらんだシロートなんです。
マツタケ名人もそれを嘆いていました(T_T)
私もマツタケは採りたいけど、マツタケ名人を習って正統派の採り方で戦います。
おぉ、いけない、いけない、ついヒートアップして前置きが長くなってしまった(^_^;)
というわけで、山へ出かけ、いくつもの山を登っては下り、下っては登り。さすがに疲れます。
いくらマツタケ狙いだといっても、良さそうな雑キノコは採っていきますよ。何人ものマツタケハンターに出会いましたが、結果はあまり芳しくないようで。3本採れたという人が一人だけ・・・こちらはゼロだけど(笑)
ここも、先日紹介した三大雑きのこのうち、アミタケとショウゲンジはそこそこ生えていました。なぜかハナイグチはほとんどありません。
今年初登場のキノコをいくつか手短にご紹介。
↑写真1枚目、ニンギョウタケ。かなりたくさん生えてました。食べられますが、これを採っちゃうとビクが一杯になるので、今回はちょっとだけにしときました。
写真2枚目、クロカワ。傘の表面は黒いなめし革のよう、裏は緻密で真っ白な管孔。柄は太くて短いものが多いです。苦味がある通好みのキノコ。
↑写真1枚目、マスタケ(注)。これは幼菌で、もっと大きい株になるきのこです。茹でこぼせば食べられるとも言いますが、毒性分が確認されているので、手を出さない方がよいでしょう。なにより私はこのキノコの臭いが嫌いなので、食べません。
写真2枚目、ウラベニホテイシメジ。ほろ苦さがあり、食感も良いので好きなキノコ。ただ、もっとも中毒例が多いクサウラベニタケに似ているので注意が必要です。
↑写真1枚目、サクラシメジ。ある程度まとまって生えます。クロカワよりもさらに苦味が強く、火を通すと黄色に変わります。私は好きなキノコです。
写真2枚目、アカヤマドリ。かなり大きくなるキノコで、これは25cmくらいありました。傘が折れ曲がって大きなオムレツのようでした(笑) 裏返すと意外にも虫に食われてません。
ここまで、本命のマツタケは採れず、最後に昨年採れたもう一つのポイントへ向かいました。
もうすでに、兄上はスタミナ切れだと言っていますが、私は日頃渓流を遡っているので、おかげさまでまだ余力があります。でも、マツタケの生えるところは急斜面が多いので、足下は慎重にしないと。
なんとか1本でも・・・と思いながら登っていくと、
↑ひょっこり頭を出したキノコが、遠目に見ると傘がクリーム色っぽく見えたのでショウゲンジ? と思ったけどだんだん近づくと、マツタケではないか! やりましたー!!
そして、またしばらく沈黙後・・・
↑その後も山を這いつくばるように歩き回って、結果4本のマツタケを採ることができました(^o^)/
↑今回の収穫の一部。他にアミタケ、ショウゲンジなどがたくさん。
とにかく、マツタケが採れて良かった。これで、マツタケご飯とお吸い物を両親に食べさせられる。毎年ほんのささやかな親孝行のつもり。
マツタケは年に1回食べられればいいから、もうガツガツ採りにいかなくてもいいかな。あとは、のんびり雑きのこ採りを楽しもう。山神様ありがとう!
↑帰り道、眼下には増水が少しは引けてきたように見える流れ。キノコもいいけど、渓流にも行かなくちゃ。
川の神様もよろしくね(^_^)
コメント
松茸すげぇーーーー!
おはようございます。
本命の松茸で、良い親孝行になりましたね。
明日は木曽にでもと思っていますが
又雨予報でブルーな気分です。
やりましたね
マツタケ採りは素晴らしい
近年なかなか採れないようで
自分で採取したのがもう〜
忘れた程前でした
親孝行者
こんばんは。
素晴らしい、ただその一言ですね。
本当に3拍子そろわないと駄目なのだと良くわかりました。
私は、店先の匂いだけで我慢します。
Nori1022さん、こんばんは。
> 松茸すげぇーーーー!
私も、マツタケ見つけた時は「すげー!」と言っちゃいました(笑)
ラッキーでした(^o^)
テクニカルゲームさん、こんばんは。
> 本命の松茸で、良い親孝行になりましたね。
ありがとうございます。今回も運だけです(笑)
> 明日は木曽にでもと思っていますが
> 又雨予報でブルーな気分です。
そうなんですよね。そんなに強い雨ではないようですが、終日雨マークですね。
せっかく久々の釣行なのに、残念ですね(T_T)
9月はちょっと雨が降り過ぎです・・・
釣りお爺さん、こんばんは。
> やりましたね
> マツタケ採りは素晴らしい
> 近年なかなか採れないようで
> 自分で採取したのがもう〜
> 忘れた程前でした
> 親孝行者
ありがとうございます! 今回も運が良かっただけです(笑)
疲れましたが、両親にも喜んでもらえ、山を歩き回った甲斐がありました(^o^)
マンボウさん、こんばんは。
> 素晴らしい、ただその一言ですね。
> 本当に3拍子そろわないと駄目なのだと良くわかりました。
> 私は、店先の匂いだけで我慢します。
採れたのは運が良かっただけです(笑)
マツタケは一年に一度食べられれば十分なので、私もあとはのんびりいろんな雑キノコを採ります。
マツタケに負けず劣らず美味しいキノコは他にもありますので(^_^)
見事な山の幸ですね。
もっとキノコの勉強をしておけば良かったと思います。
マツタケの争奪戦は凄いのでしょうね栃木でもチタケ戦争と呼んでいる人がいます。
恐いです(笑)
幻の渓流師さん、こんばんは。
> 見事な山の幸ですね。
> もっとキノコの勉強をしておけば良かったと思います。
今からでも遅くないと思いますよ。以前の記事に書いた「三大雑きのこ」だけでも十分楽しめますし、毎年一つずつでも食べられるきのこを覚えていくと楽しさが広がります(^_^)
> マツタケの争奪戦は凄いのでしょうね栃木でもチタケ戦争と呼んでいる人がいます。
> 恐いです(笑)
悠然としたキノコ名人もいるんですが、殺気だったニワカ的な人たちは怖いです(笑)
私は同じ土俵に乗っからないようにしたいです(^o^)/
こんばんは。
マツタケ採るなんてすごいですね、私はもう諦めています、松林はほとんど止め山か、村民以外の入山禁止、区民以外の入山禁止、結局松林もなく誰も入らない国有林位しかないですね。
ジコボーは今年は出ませんね
ハックル70さん、こんばんは。
> マツタケ採るなんてすごいですね、
一昨年、昨年が豊作だったので、その時に歩き回ってある程度採れたのが今年につながっています。ともかく運が良いだけなんですけどね(^_^;)
> 私はもう諦めています、松林はほとんど止め山か、村民以外の入山禁止、区民以外の入山禁止、結局松林もなく誰も入らない国有林位しかないですね。
こちらは自由に入れる赤松林が割とたくさんあるので、ありがたいです。釣りに何度か行っている横川川の上流部もマツタケ狩りポイントの一つですが、そこは広大な赤松の国有林です。ただ、人の数もスゴイです(>_<) 行き会う人に聞くと、塩尻から来たという人がかなりいますよ。
> ジコボーは今年は出ませんね
そうなんですよ。アミタケ、ショウゲンジはたくさん生えてますが、ハナイグチがほとんどありません。どうしたんでしょうね?
多くの国有林野では、森林法や自然公園法等各種法令により行為制限が設けられています。
各種調査等を目的に入林し、国有林野内の動植物を捕獲・採取・伐採等したり、国有林野の土地に穴を掘る等の形質変更等を行ったりする場合には、上記の入林手続きとは別に、制限を行う権限を有する機関(都道府県や環境省等)での各種法令に基づく手続きが必要な場合があります。入林届の提出前に、入林をご希望の国有林を管轄する森林管理署等にご相談ください。
キノコ盗りさん、こんにちは。
コメント全文、関東森林管理局の【国有林への入林(入山)を希望される皆様へ】とされる文章の一部を抜粋してそのまま転載したものですね。
http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/apply/nyurin/
前後に何らかのご自身の意見を書いていただければわかりやすいのですが、「キノコ盗り」というハンドルネームからして、国有林でのキノコ狩りに対するご批判でしょうか?
当地では国有林でのキノコ狩りは古くからの慣習として認められていて、問題ないことは地元行政に確認済みです。
そもそも、キノコは樹木などと違って生えているのはほんの一時期だけですぐなくなってしまうし、採ったからと言って来年から生えてこなくなるようなものでもありません。
他地域のことまでは確実には言えませんが、他地域でも国有林内でのキノコ狩りが問題になることはまずないでしょう。