あっという間に迎えた渓流泊(沢泊)最終日。
肩に食い込む重いザックを背負ってやっと辿り着いた初日、満天の星空に感動し渋いながらもフライフィッシングを楽しめた二日目、あっという間に最終日になってしまいました。
おはようございます! 午前5時です。
寒くはないけど、熾きから火をたいて、朝食にします。
昨晩の残り物のご飯で卵入りのおかゆ、魚肉ソーセージ入りスープにしました。
今日帰るので食材はできるだけ使い切りたい。
岩魚を求めてさらに上流へ。
6時くらいになり、さぁ出発しよう!
今日は昨日よりさらに上流へと向かいます。
昨日下りてくる時に、工事関係者が上から下りてきてちょっと話をしたところによると、昨日釣っていた場所より上で工事をやっているらしい。特別下流で水が濁ったりはしなかったけど・・・
今日も途中で清水を水筒に満タンにして行きます。この水ほんとにうまいんですよね。
山菜のあまり採れないこの時期、ミズ(ウワバミソウ)は貴重な存在。
昨日の退渓点。
ここから入れば釣れそうな気はするけど、ここから下りて行くのは危険だ。
ここガレ場のようになっていて昨日はなんとか慎重に上ったけど、下りは危険。
それに、工事場所よりは上を釣った方が良いだろう。
工事箇所に到着。早朝なのでまだ稼働してません。
なるほど、支流の堰堤周りをいじっているようだ。例によって意味のある工事かどうかは不明(笑)
橋の上から川を覗いてみます。支流を分けるとかなり水が少ないな。
さらに自転車を漕ぎ、やがて川が二股に分かれます。昨日のフライマンはこの先を釣っていたとのこと。
川をのぞき込むと、ほんとに水が少ない。こんなんでイワナがいるの?
三日目にしてやっと訪れた好反応。
入渓できそうな場所を探しながら、テント村から5kmほど上流にやってきました。
踏み跡があるので、もしかしたら昨日のフライマンもここから入ったのかもしれないな。
午前8時、気温18℃、水温13℃、釣り開始です。
今日は3時間くらいで切り上げる予定です。ここ二日間の状況からすると厳しい戦いになるかもしれない。
今日も様子見にアダムスパラシュート#14から。
最初のポイント、瀬尻から徐々にキャスティングしながら上に移動し、ここで出ました。
が、寄せてくる途中でバラし・・・かかりが浅かったか。
続いてこのポイント。黄色丸印より上流に投げてフライを流してきます。
写真には写ってないけど、左に細い流れがあってその足下からイワナが走るのが見えました。
そっちに気をとられていたら、右目の隅でフライがすぽっと吸い込まれたような。
反射的にアワセると、きれいなイワナでした。
あれ、今日は反応良いのかも(^_^)
逃がした魚は大きかった!?
そしてこのポイント。
黄色丸印で食ってきて、アワセると一度水面近くで腹をくねらせ手前へ下ってきました。
これはデカいぞ!
ここでテンションを緩めてはいけないとロッドを立ててラインをたぐります。
すると、Uターンして猛然と上流の石下に潜り込みました。おそろしいパワーです。
おぉー、危ない!
動かなくなったので、ロッドを倒して引っぱり出そうとした瞬間、さらに奥へブルブルと引っぱられ、ふっとテンションがなくなりました。
うわー、これは悔しい!!
どうやら潜り込んだ石の下はかなり奥まで入っていけるようで、根ズレでラインブレイク。
こういうときにティペット7Xだと頼りないな・・・
7Xを使い慣れているとどうも6Xは太く見えて、こんなのが水中ならともかく水面に浮かんでたら魚にバレバレじゃないの?なんて思っちゃうんですよね(^_^;)
実際には6X、5Xでバンバン釣ってる人もいるからそれほど影響ないのかもしれないけど。
以前、kuniさんが紹介されていたしなやかなティペットの6X導入を検討しようかな。
気持ちを切り替えて釣り上る。珍しいゲストも。
流芯脇のタルミ。GRビーパラシュート#12。蜂をイメージしたフライ。
この蜂をイメージしたフライで初めて釣れました。うれしい!
今日は断然反応が良い。昨日は1時間1尾みたいなペースだったけど、今日は10分で1尾のペース。どうしちゃったの?
イワイイワナ#12で。ゆっくりと浮上してしっかりとフライをくわえました。
昨日までのスレた魚とは違う出方。
一度エルクヘアカディス#14に出た後、GRアントパラシュートで。
昨日はどんなフライを使っても、ポツリポツリと食ってくるだけだったけど、今日はどんなフライでもガッツリ食ってきます。こんなことも珍しいな。
この淵のヒラキにイワナが2尾泳いでいたんだけど、気付かれて走られちゃった。
この辺り、渓相は良いんだけど減水と暑さのせいか、川苔がちょっと腐り気味なのが気になるな。ざーっと雨が降って、一度洗い流してくれた方が良さそうだ。
大岩の上に回り込んでもう一度キャストしようと思っていたら、対岸に何か動くものが。
あ、イタチだ!
写真撮ろう!カメラを出して、電源ON。あれ、電源入らない。あれ?アレ?
昨晩予備電池に交換したばかりだから電池切れじゃない。なぜか電源が入らない。
その間、イタチは水辺にやってきてのんびり水を飲んでいる。
こちらに気付いているようだけど特に逃げる様子もない。
おい、どうしたTG-3!
電池蓋を開けて、一度電池を取りだしもう一度入れてみたら、電源が入った。よし!
あ、ズームズーム。TG-3のズームスピードがまた遅いんですよねー。イライラする。
なんとか画面に捉えて、パチリ。
帰って行く時のお尻しか撮れませんでした(T_T)
肝心な時にまったくー、TG-3。電源入らなくなるなんて初めてだ。さっきまで普通に撮れてたのに、もー。
突然吹き下ろす風にも、魚は釣れ続く。
時間は終了予定の11時に近づいて来ました。天気は良いんだけど、にわかに強い風が吹き下ろしてきました。
さっきのイタチは「もうそろそろ帰った方が良いよ」と言いに出てきたのか。カメラが動かなくなったのもイタチの念力かも(笑)
とてもDT-3Fラインではキャスティングできないので、WF-4Fラインに変えます。こういう時に替えスプールがあると便利ですね。
カタの部分に泳いでいるイワナが見えますが、反応してきません。
奥にキャスティングすると出ました。アダムスパラシュート#14で。
マシュマロ&ディアヘアカディス#14でも調子良く釣れます。
マシュマロボディーは浮力があって使いやすいですね。
こちらも マシュマロ&ディアヘアカディスで。
とにかく、ポイントごとに釣れるのでなかなか前へ進めません(^_^;)
きらきらと輝く黄金のイワナ。
ピーコックパラシュート・レッドボトム#13。なんてことのない、瀬の流芯から。
金色に輝くイワナ!
きれいだなー。この一尾で終了にすることにします。
このまま遡ればまだまだ釣れそうな気はしますが、人間『足るを知る』ことが大切ですからね。
いつだか美輪明宏さんが、
「今の日本人に欠けているのは、“感謝の気持ち”と“足るを知る気持ち”」と言っていたけど、確かにそうだと思う。
もう、十分釣ったよ。感謝感謝。
ロッドを畳んで12時頃、退渓前にちょっと水温を測ってみるかと水温計を入れてみてビックリ!なんと19℃!? 4時間の間に6℃も上がったの!?
イワナにとってはちょっと高すぎるんじゃないのかな、普通だったら。
きっと水温は一昨日も昨日も同じような推移だったはず、昨日は釣れなくて今日は釣れるっていうのは、今日入った場所がスレてないポイントだったということかな。いろいろ謎は深まる。
南アルプス側から流れる川に共通して言えることだけど、一日の水温変化が激しい。
中央アルプス側から流れる川は一日の間の水温変化は多くても2、3℃だろう。
南や西向きに流れる川は、陽射しを受けやすく水温が上がりやすいのだろう。
日があまり当たらない開田高原の川なんかはほんとに水温変化がない。
一日の水温変化のある川と、変化のない川、どちらが釣れるんだろう?
上流から吹き下ろしてくる風は一段と強くなってきた。帰ろう。
今日歩いた場所はほんの一部。この川はまだまだ奥が深い。次回はさらに上へ向かおう。
川の中のオタマジャクシには後ろ足が生えていました。
見上げると湧き上がる雲がにわか雨を降らせそうな雰囲気も。
テント村に戻ってきて、昼食にスパゲティーアラビアータを食べました。
レトルトソースです。うまいけど、昨日の昼に食べたトマト素麺にはかなわないな(^_^)
さようなら、テント村。
焚き火跡にはまだ熾きがあるので水をかけ、例のプラスコップで掘って灰や炭を埋めます。
かまどに使った石は、焼けた面を下にして元通りの位置に返します。
ここでキャンプをした形跡は全て消し去っておきます。
かまどは残しておけば、次に来た人が便利でいいんじゃないの?って思うかもしれませんが、
焚き火跡をそのままにしておくと、ここはキャンプできる場所なんだとみんな使うようになり、中には燃えないアルミ缶やアルミホイルなんかも火の中に入れ、片付けずに帰っちゃうってことがおきるんですよね、悲しいことに。
焚き火跡がゴミ捨て場になっているのを他の河原で幾度となく目にしてきました。
だから私は、キャンプの形跡は完全に消し去ってから帰ることにしています。
焚き火の形跡は完全に消せました。
このプラスコップ、便利なんだけど。やはりプラ製は弱い。今回だけで、すでに先端部がかなり傷んだ様子。ちょっと重くても、鉄製にする? ダイソーさんに鉄製も並んでたし。
今回活躍してくれたエアマットと寝袋。
コンパクトサイズに収納できるので、荷物の体積削減に大きく貢献。
テントの撤収で1つ注意したいこと。
テントっていくら気をつけていても、ゴミが結構入るんですよ。朝になって見てみると細かい砂とか虫の死骸とか結構床に落ちてます。
そこで登場、この愛嬌のある見た目のミニほうきとちり取りのセット。ダイソーさんに売ってました。
これで、ゴミをきれいにとってからテントを畳みます。
ゴミや虫の死骸をそのままにして畳むとテント生地が傷みやすくなります。
テントを撤去しました。ちょっと寂しい気分。
ザックに荷物を詰めます。食料分荷物は減っているはずですが、なぜか帰りのパッキングの方がパンパンになっちゃうんですよね(笑) 来るときほど丁寧に詰めてないせいかな。
背負ってみると、やっぱり重い(T_T)
でも、これは前回の経験でわかっていたこと。食料分減ってはいるけど、来たときより重くなっているのはウェットゲーターとウェーディングシューズ。たっぷり水を吸っているので、かなりの重量アップ。
それでも差引すると、2、3Kgは軽くなってるんじゃないかな。
さぁ、林道を下ります。帰りは漕ぐなくて良いから楽ちん。
と思いきや、結構荷物は肩に食い込むし、お尻は痛いよ。初日のダメージがまだ残っているようだ。
昨年釣行の帰りでは、この辺を通過した時にすでに午後7時だったな。
あのライトなしの真っ暗な林道歩き、今思い出してもゾッとする。
待たせたな、ジムニー。
今日は一台も車がいません。やっぱりここに来るなら平日が良いのかもね。
ジムニーや折りたたみ自転車、ザックにテントなどなど、これらの頼れるアイテムのおかげで、今回も安全に釣りが楽しめました。
3日間を振り返って。
夜中のあの怖くなるほどの満天の星空、あれはきっとずっと忘れない。
渓流に浸かりながら食べたトマト素麺も抜群だった。
きれいなニホントカゲやひょうきんな顔つきのイタチ、それに黄金の岩魚にも出会えた。
唯一悔いが残るのは、あのティペットを切られた大物。
ともかく、かなりハードな釣行でしたが、楽しさもMAXでした。全てに感謝です。
ウチに帰ってから、ビールを飲んだら、倒れ込むように深い眠りにつきました。
明け方のまどろみの中で、あの大岩魚がもう一度フライに食いつく夢を見ました。
コメント
長丁場、お疲れ様でした。
最後に良い思いをすると、終わってからの印象がガラリと変わりますよね。
それにしても入渓地点の車、凄い台数ですね。工事関係者のも含まれているのでしょうか。全部釣り人なら、管釣り状態ですね(笑)
七流釣師さん、こんばんは。
ありがとうございます!
まさに「終わりよければすべて良し」といった感じでした。最終日はラッキーだった。
入渓時は日曜日なので、一台置かれたままのトラックは混じってましたが後は全部釣り人ですね。
でも、流程がものすごく長いなので川では混み合うってことはないですけれども。
羨ましい2泊3日の沢泊り釣行。お疲れ様でした。
この夏も雁坂までキャンプに出かけますがファミリーキャんプなので深入りが出来ません。
このような旅でのスターライトは忘れないですね。
釣果も見事で良い沢泊まりされてますね。
幻の渓流師さん、こんばんは。
ありがとうございます!今回はかなり疲れましたが、楽しさもいっぱいでした。
ファミリーキャンプはお手軽さと安全が重要ですからね、それはそれで楽しいと思いますよ。
今回の星空はホントに星が降ってくるようでした。きっとずっと忘れないと思います。
こんばんは。
面白い釣行記でしたのでイカンです。
ムズムズと行きたい気が増してしまいます。
しかし、今の爺さんのパワー限界を知る家族からは総スカンを喰らうでしょう。
満天の星を見るためなら、美ヶ原王ヶ頭ホテルにしろと言われるのがせいぜいです。
いいですね、満天の星。
マンボウさん、こんばんは。
むずむずしてきたでしょう?(笑)
二泊分の荷物を背負ってのあそこまで上っていくのはかなりハードでした。ご家族に反対されるのも無理ないかも。
でも、マンボウさんが普段いかれている渓流も十分魅力的ですよね。
あの日の星空には本当に感動しました(^_^)
相変わらずの完璧な釣行と料理とブログ、どうもありがとうございます(笑)。
当方のTG-3はバッテリーによって同じ現象がたまに起きます。
2個あって両方純正なのですが、片方は半年使った中古です。
後者の方だけで起きているようです。
満充電でも放電状態でも起きます。
電圧にシビアとかなんですかねぇ?
Cervo_SRさん、こんばんは。
完璧ではなく今回もいろいろとミスがありまして・・・(^_^;)
TG-3、そちらでも電源入らなくなることありますか。私は初めてだったのでイタチの呪いかと思いましたよ(笑)
私は予備バッテリーは互換品なのですが、今回は純正の方で起こりました。
シャッターチャンスに頻繁に起こったら困りますねー(>_<)
最終日にとてもいい釣りができましたね(^_^)
この3日間の釣行記を見て、源流のキャンプ釣行してみたいなと思いました。
これからお盆ですが、お盆に殺生をしてはいけないという迷信を守り、釣りができない日が続きます(ToT)
akiさん、こんばんは。
ありがとうございます!最終日にやっとイワナたちは本来の動きになってくれたようです。源流キャンプ楽しいですよ。機会があればぜひ出かけてみて下さい。
私もお盆休みは大人しくしている予定です(^_^)
お盆が明けると秋の気配が漂いますね。今シーズンも残り少なくなってきましたね。
切られたり逃げられラタ魚のことは全て記憶しています。
捕れた魚よりも印象に残ってしまいますね。
それにしても充実した釣りキャンプ羨ましい。
Nori1022さん、こんばんは。
そうですねー。確かに私も過去にラインブレイクやランディング直前のバラシなんかは今でも良く覚えています。
そして、そいつを狙って同じポイントに再挑戦しても釣り上げた試しがありません(笑)
あ、ちょっと前にNoriさんが書いていたハンモック、タープを組み合わせて泊まることも可能だとわかったので、今猛烈に欲しくなってきてます(爆)
こんにちは。
3日間お疲れ様でした、単独ではなかなか思い切りが付きませんがお見事でした、イタチのお尻「イタチの最後っ屁」と言う言葉があります、臭いませんでした?
天気にも恵まれて良かったですね。
ハックルさん、こんばんは。
ありがとうございます!長距離往復はほんとに疲れましたが、出かけた甲斐がありました。私は性格上単独の方が無理をしないので、安全だと思ってます(^_^)
イタチは至近距離でのんびり水を飲んでいたのに写真に撮れずにホントに残念でした。臭いはしませんでしたが、最後っ屁をかまして行ったのかもしれません(笑)
おかげさまで雨は一滴も落ちてきませんでした。
いやぁ、もう最高に良い遊びにどっぷりと首まで浸かっちゃってる感じですね。^^
ボクも秋になったら、しっかり遊ぼうと思わせて貰える記事でした。
ありがとうございます。
ボクも以前は7Xメインの時期もありましたが、デカイのに「やられた」悔しさを減らすべく今やイワナ狙いの時は、ほぼ5Xオンリーです。
でも、7Xの時と比べて釣れる数が極端に減った気はしないですよ。
たまに「5X縛り」を設けて、他のティペット家に全部置いていくのもアリかも。
ボクの場合は春の本流でフロロ3号を使い始めてからで、5Xが極端に太く見えなくなった頃だったから抵抗はなかったですけどね。
kuniさん、こんばんは。
もう、健康なうちは抜け出せないくらいどっぷり沼に浸かってしまいました(笑)
こちらこそ、読んでいただきありがとうございます!
そうですか、イワナならティペットの太さをそんなに気にしませんかね。
次回は試しに太くして一日通してみようかな。
その日に他の理由であんまり釣れなかったりすると、またティペットの太さを疑っちゃうかもしれませんが(^_^;)
kuniさんも、繁忙期が終わったら楽しい釣りを。
初めて投稿させてもらいます。
素晴らしい釣行記ですね。文書もさることながら、写真も上手に撮られてて、読んでるこちらまでリコプテラさんの楽しさが伝わってきました。素敵な夏休みを満喫されたようで、羨ましい限りです。
私は7月下旬に梓川の支流のそのまた支流の沢でFFで釣り上がっている最中にこけちゃって(^_^;)、自宅で回復待ちで時間を持て余している状態です。
おかげさまで「魚ココロあれば水ココロ」に出会えて良かったです。
拙いブログですが、私もブログをしています。お聞きしたいこともあるので、メールいただければ幸いです。
お時間のある時にでも、よろしくお願いします。
チャオさん、初めまして。
読んでいただきありがとうございます!
大変な目に遭いましたね。7月下旬でまだ完治しないということは重症でしょうか。お大事にして下さい。
私も二泊三日は無事に帰ってきましたが、その後、夏風邪を引いちゃって野外活動はしばらく自重しています(^_^;)
ブログをゆっくり拝見してから、またご連絡しますね。