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予想を上回るうまさ!|ウグイのきずし(しめウグイ)

ウグイ料理
この記事は約6分で読めます。

昨年同様そろそろザザ虫漁が始まるので、ちょっと下見に行きました。
浅瀬の石を裏返してザザ虫(クロカワムシ)がついている状態を確認。うーん、どうだろ、今年は昨年より不漁の予感・・・
山のキノコも出方がおかしかったし、諏訪湖のワカサギは壊滅的だし、自然の恵みは全て連動しているのかもしれない。

懐かしいウグイ釣りで遊んでみよう。

せっかく天竜川を見て歩いたので、クロカワムシを餌にして夕方ちょっとだけウグイでも釣ってみようかな。

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仕掛けはこんな感じです(クリックして拡大してご覧下さい)。中学生の頃ウグイ釣りを楽しんでいたのが懐かしいです。

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小堰堤下。ここなら釣りやすいと思う。
クロカワムシを付けて、丸印辺りを狙うとピクピクとウキに生命反応。
ウキ釣りって楽しいんですよね。

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一尾目が割と簡単に釣れたので、ジャンジャン釣れるかと思ったら意外と渋い。
三尾目に24cmのウグイが釣れ、それをバケツに入れたとたんに別のウグイがジャンプして逃亡(T_T) その後一尾を追加して、暗くなってきたので結局三尾で終了。

寒くなって天竜川の水もきれいになってきたことだし、小さいのがたくさん釣れたら南蛮漬けにでもして食べようかと思ったけど、三尾だけなら天ぷらかな。

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ビニール袋に入れて持ち帰ったウグイはまだ生きていました。血抜きをします。
大小三尾のウグイ。

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鱗を落とします。
小さいのを背開きにします。小さいのはいいけど、大きいのは開きじゃなくて三枚おろしか。

と、ここでひらめいた! これ、きずし(〆ウグイ)にしたらどうなんだろう。洗いがあれだけうまかったんだから、きずしだっていけるに違いない。うまいぞ、きっと!
ウグイなんて生で食べて大丈夫?と思われた方は、まず最初にウグイの洗いの記事をご覧下さい。

ウグイのきずし(しめウグイ)

  • ウグイ…好きなだけ(今回は3尾)
  • 塩…適量
  • 昆布…水に戻した状態で3cm×15を4枚
  • 酢…ひたひたになる量
  • 大葉…2枚
  • 大根の千枚漬け…適量(なくても良い)

三尾とも三枚おろしに変更。
三枚おろしはアジのおろし方と同じです。ウグイはぜいごがない代わりに鱗を落とす必要があります。細かい血合い骨はそれほど気にならないはずなので取りません。

ここからは、サンマのきずしと同じ作り方です。身が薄いのでしめ鯖ほどたっぷり塩は使いません。

塩で寝かせる、酢で寝かせる、その塩梅が重要。

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三枚におろしたら、皮を引いて酢水で洗い、水分を拭き取ります。
両面に薄く塩を振り、網の上に乗せます。バットか皿の上に網を乗せ、冷蔵庫で30分寝かせます。
昆布を水で戻し、3cm×15cmくらいにカットして、その上にウグイの身を乗せます。
小さいウグイの身は2枚一緒に乗せました。
光り物に比べると、身の鮮度が落ちにくいのは利点ですね。

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キッチンペーパーで包み、容器に入れ、酢をひたひたに注ぎます。フタをして冷蔵庫で2時間寝かせたら取りだして昆布とキッチンペーパーをはがし、ラップで包んで一晩寝かせます。
二晩寝かせるとまろやかな味になってさらにうまみも増します。

★今回新たにわかったこと:
前回サンマのきずしを作った時に「身の面に昆布を載せて寝かせるとくっついちゃって身が崩れやすいので、皮面だけにした方が良いと思う」と書きましたが、昆布だからくっつくというわけじゃなくキッチンペーパーもくっつくことがわかりました。
キッチンペーパーでくるっと包むんじゃなくて、バットに腹身を下にして並べその上に昆布を載せ、最後に落としぶたのようにキッチンペーパーを乗せるのが一番良さそう。

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一晩寝かせた身。
柳刃包丁を寝かせて、なるべく斜めに切ります。
ジャリジャリと血合い骨が切れる音がします。これで小骨が気にならなくなると思います。
丁寧に仕上げるなら酢締めが終わった段階で、小骨を抜き取ります。きれいに抜けるかな、今回試さなかったけど。

うまいだろうと予想できたけど、それをはるかに上回るうまさ!

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母親が漬けた大根の千枚漬けみたいなのをもらってきていたので、大葉とともに飾ります。
この色合い、なんともうまそう。
食べてみると、これがウグイとは思えないうまさなんですよ。抜群です!

さすがに、サンマのきずしには敵いませんよ。サンマはあの細い身に赤身、白身、脂、全ての旨みが凝縮されている。素材が違い過ぎます。
とは言え、真鯛が相手なら負けてないかも。そもそも真鯛や他の白身魚は酢締めではなく、昆布締めの方が向いているので、単純に比較できないけど。

ウグイの洗いもうまかったけど、きずしもうまい。塩と酢の加減がちょうど良く、身の甘みを感じます。鮨ネタのコハダみたい。鮨屋のコハダは酢がきつめなせいもあるけど、このウグイの方が身の甘みはある。
うっすらと鯉科の魚特有の風味はあるけど、これ、ウグイだとわかる人がいるだろうか。味だけならちょっとボラやトビウオにも似てるかな。

試しに「しめウグイ」「ウグイのきずし」で検索してもヒットしないところをみると、ウグイを酢締めにして食べたことのある人はほとんどいないんじゃないでしょうか。洗いの方がまだ一般的な様子。

「珍しい」というだけの料理に興味はない。

よく、普通は食べない素材をムリヤリ料理してブログにアップしている人いるでしょ。
「お前だろ!」と言われそうですが、私は珍しいだけの料理を載せるつもりはありません。確かにヘンテコな食材を食べたりしてますが(ザリガニとかブルーギルとかね笑)、うまくなければ全く意味がないんです。いかに珍味でも不味い料理には一切興味がありません。

ウグイは全国どこにでもたくさんいるから、優秀な食材だと思います。
鯉科の魚特有の骨っぽさが短所ですが、小さいものはそのまま甘露煮や開いて天ぷら、フライにすれば問題ありません。大きなものは塩焼きもいけるし、三枚におろせば他の魚同様いろんな料理に使えますね。

ウグイをうまく食べるコツ。

ウグイは決してまずい魚ではありません。
ただ、美味しく食べるにはいくつか注意点があります。

生息環境を選ぼう。

ウグイはヤマメやアマゴがいるような渓流にもいるし、鯉や鮒がいるような中流部、河口域や湖沼まで幅広い環境に適応して棲息しています。
やはりきれいな水で生きている個体が最高です。渓流のウグイは驚くほどうまいです。生活排水が流れ込むような場所のウグイは避けましょう。
それと、洗いやきずしなど、生で食べる場合は寒い時期の方が適してます。

下処理はしっかりと。

  1. 生かした状態で血抜き。
    洗いや今回のきずしなんかで食べる場合は、生きた状態で締めて血抜きをしましょう。
  2. よく洗って鱗(料理によっては皮も)と内臓をとる。
    ウグイは泥臭いと言われることが多いですが、鱗や皮、内臓を取り除けば身そのものが泥臭いということはありません。鱗と内臓をとったら、薄い酢水で洗って水分を拭き取ってから調理します。
  3. 適した調理法で。
    ウグイはどんな調理法でも結構いけますが、鯉科の魚特有の風味をダイレクトに味わいたければ、洗いやきずし、塩焼き、それが苦手であれば脂で揚げる天ぷらやフライがいいですね。
    一番誰でも抵抗なく「美味しい」と評価されるのは甘露煮でしょう。

はっきり言って海魚の方がうまいし調理も簡単だし、海の近くに住んでいる人はわざわざ食べる必要はないと思いますが、海無し県の信州に住んでいると、昔はよく食べられていた魚をほとんど食べなくなっちゃっているのはちょっと寂しいかな、と思います。

洗い、塩焼き、甘露煮、フライ、燻製なども好評です。こちらをご覧下さい。

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コメント

  1. こんばんは。
    アカウオもリコプテラさんにかかると高級食材ですね、ウグイは年中漁が出来るんですか? 奈良井川もそうでしたが今はどうなっていますか、大分前ですが義兄が投網で獲ったアカウオを背開きにしてすずめ焼きと言うんでしょうか作って持って来てくれたことがありましたが、美味しかったですね、立派な渓流魚として見直さなければいけませんね。

    • ハックルさん、こんばんは。
      こちらでも昔はアカウオと呼んでよく食べられたそうですが、今はほとんど食べなくなりましたね。天竜川、木曽川、奈良井川は鮎、鱒類、カジカ以外は年中釣っても大丈夫ですね。天竜川の場合一応ワカサギにも禁漁期を設定してますが。
      すずめ焼きって開いた甘露煮みたいなやつですね。鮒ではよく見かけますが、あれもうまいですねー。
      このところ、私の中ではウグイの株が急上昇中です(笑)

  2. ウグイのきずしとは思い付きもしませんでしたが、この写真を見たらリコプテラさんの調理に賭ける情熱が伝わります。(笑)
    いや冗談でなく、旨いでしょうね。
    琵琶湖辺りでは、結構食べられている魚だし。
    ボクも南蛮漬けあたりで食べてみようかな。^^

    • kuniさん、こんばんは。
      昆布と酢で漬けるきずしは元々kuniさんから教わって、それからいろんな魚を美味しく食べさせてもらってます。ありがとうございます。
      調理にかける情熱というより、ウグイにかける情熱でしょうか(笑)
      これ、ほんとにうまいです。
      南蛮漬けもイケるはずです。大きいのは骨が硬いので、三枚に下ろす必要があるかもしれませんが。

  3. 長野にはウグイを食べる文化が有りますね
    料理次第で美味しく頂けるのも知恵次第ですが
    此方は食べません何故か「猫跨ぎ」と言って
    釣ると逃す習慣です。食べる物が無かった
    子供の頃は食べた記憶がありますが。
    貴殿にとっては料理の素材としていいですね
    料理の腕が羨ましいです。

    • 釣りお爺さん、こんばんは。
      長野県では昔は広く食べられていたと思うんですが、最近は千曲川の方ではまだ割と食べられているかもしれませんが、天竜川ではほとんど食べられなくなりました。
      こちらでも釣りでは完全に外道扱いですね。
      食べるのは私くらいのものですが(笑)調理の仕方次第ではおいしくいただけると思います。

  4. ウグイのきずしとは思いつきませんでした!これは旨そうだ♪
    寒い時期のウグイは美味しいらしいので暇があったらやってみよう。

    • akiさん、こんばんは。
      私もサンマやアジなど光り物では何度もきずしを作ってましたが、ウグイで作ろうとは考えてませんでした(^_^;)
      今回たまたま一尾だけウグイが大きかったので、試しにやってみたら予想以上に味で驚いちゃいました。
      洗いやきずしで食べるなら、やはり冬のウグイがいいですね。ぜひ、お試しを。

  5. こんなん想像すらしたことなかった!
    ググって出てこないとかからも鑑みてこれは凄い!
    鮎漁でメッチャでかいウグイ捕れますが全部放流。
    デカイやつは40センチ軽く超えているので美味いかも。

    • Nori1022さん、こんばんは。
      私も、きずしは光り物で何度も作っているし、ウグイは洗いにしたこともあるにも関わらず、なぜかこの二つを結びつけるという考えは浮かびませんでした。
      ところが、釣ってきたウグイを見ていたらピカッとひらめきました(笑)
      40cm超えのウグイですか! 四万十のウグイならうまいこと間違いなし。それだけ大きければ洗いや、きずしも作りやすいし(^_^)

  6. おはようございます。
    釣り方から、下処理法から、調理法までとマサに自然塾みたいで面白いです。
    何年か前に、6月の産卵時期のウグイを単純に塩焼きで試してみましたが駄目でした。
    この時期なら脂も乗って、小骨は丁寧に対応すれば良いでしょうね。
    「美味しくな~れ、美味しくな~れ」と言う心が伝わって来ます。

  7. マンボウさん、こんにちは。
    ありがとうございます。
    千曲川辺りでは産卵期のウグイの塩焼きを提供してるようですが、私は食べたことがないんですよね。ウグイの場合、生息環境によって味の優劣の差が激しい気がします。冬の方がやはり脂は乗っていますね。
    それと、ウグイの泥臭さのようなものは皮にあるので、塩焼きよりはむしろ刺身の方が臭みがないですね。
    そうです、最後は美味しく食べられるのを祈ることです(笑)