今回はちょっといつものジャンルとは違うプリンターの話です。
興味ある方は少ないかもしれませんが、誰かの役に立ちそうな気がするので書いておきます。
2010年4月に購入したインクジェットプリンター、キャノン MP-640。
染料インク4色+顔料ブラックの5色で、顔料ブラックはにじみが少ないので普通紙にも文字をくっきり印刷できます。それが気に入って購入しました。
これは困った!年賀状作成の時期に、プリント異常が発生!
2年前(4年使った辺り)に、プリンターヘッドのキャリッジ(ヘッドを右に左に動かす部分)に異常が発生しました。問い合わせると修理代は9,500円だと。
うーん、新しいのを買った方が良いのか迷う価格でしたが、たまたま交換インクを買ったばかりだったこともあり、修理してもらうことにしました。一応そこから1年は保証が付くらしいし。
修理から帰ってきてから問題なく稼働しておりましたが・・・
修理してから2年半が経過した先日、顔料ブラックが少しかすれるようになったので、ヘッドクリーニングをしましたが、改善されないのでもう一度クリーニングしても全然改善されず。というか、クリーニングしたら症状がさらに悪化・・・
写真がノズルチェックパターンを印刷したもの。赤矢印のところに顔料ブラックが印字されているはずなんですが、全くダメ。
もうこれ以上修理をするつもりはないので、自力で解決できなければ買い替えようと思います。
ちょうど親に年賀状作りを頼まれていてプリントアウトしようとしたら、こんなことになるなんて・・・ともかく早急に解決しなくては。
インクジェットプリンター、ノズル詰まり解消の最終手段。
ネット検索していたら、こちらのブログにMP-600のヘッドを洗って復活した記事が載っていました。型番が近いからMP-640でもやってみる価値はありそう。
ただ、このヘッドを洗う方法はあくまで印字されない原因がヘッドのノズル詰まりである場合のみ有効なので、他に原因がある場合は当然ながら改善されません。
ともかくやってみよう。
それとは別に、ノズルの詰まりを解消するためのクリーニングカートリッジというのも販売されているらしい(楽天で見る・アマゾンで見る)。
ヤマダ電機に見にいったら、ちょうどこのプリンター用の在庫があった。
写真1枚目は普段使っているカートリッジ。純正品は高いのでエレコムの互換インクを使っています。メーカーはもちろん純正品を使えと言ってますが、エレコムやサンワサプライの互換インクならまず問題はありません。それがノズル詰まりの原因になることもないでしょう。
写真2枚目がヤマダ電機から買ってきたクリーニングカートリッジ。
これはこの機種用に作られた専用品なので威力がありそう。
パッケージには「プリントヘッドの劣化・破損などによる印刷異常を直すことは出来ません」と書かれています。そりゃそうだ。
中身はこんな感じ。染料用のインクカートリッジと顔料用のインクカートリッジ、補充用のクリーニング液など。
プリントヘッドは簡単に取り外して洗えるのだ。
とりあえず、プリントヘッドを洗ってみます。
グレーのレバーを引き上げて、プリントヘッドを取り出します。
あっけないほど簡単に取り外せます。
キャノンのインクジェットプリンターを修理に出すと一律9,500円かかるそうだけど、プリントヘッドがこんなに簡単に取り外せるなら、パーツとしてこれだけもっと売ってくれればいいのに。
取り出したプリントヘッド。
5つの円い部分からインクを吸収して、底面のプリントヘッドからインクを出して印字します。底面の赤矢印は染料インク4色のヘッドで、黄矢印は顔料ブラックのヘッド。インクでかなり汚れてますね。
適当な容器に45℃前後のお湯を入れ、そこにこのヘッドを入れて洗います。
写真2枚目は背面の基板。ここは濡らさない方が良い、たぶん。
こんな感じでお湯に浸けて揺するように洗うと、インクが溶け出てきます。
ペーパータオルに置いてみると、プリントヘッドからインクが出てきます。
だけど、やっぱり顔料インクのヘッドからはインクが出ていないもよう。
ある程度洗ったら、濡らしたペーパータオルの上に軽く押し当ててみます。
ジワッと色が浮かんできたら、インク経路の詰まりがない状態です。
やはり顔料ブラックのところからは黒色がにじみ出てこない。
背面に水をかけないように、インク吸収口に流水をかけてみます。
ペーパータオルの上においてみると、今度は顔料ブラックもインクが出ています(写真2枚目赤矢印)。
この時点で「これはいける!」と確信。さらに洗浄します。
きれいになったヘッド。
インク吸入口周辺の水分を綿棒で拭き取ります。
それからしばらく遠くからファンヒーターの温風を当てながら自然乾燥。
底面のプリントヘッドも綺麗になってスッキリ。
完全に乾いたところで、プリンターにセット。
元通りに装着。グレーのレバーを押し下げて固定。
これでもう直ったんではないかと思うけど、せっかく買ったので念入りにクリーニングカートリッジも使います。
念のため専用のクリーニングカートリッジも使います。
カートリッジを逆さまにしてL型キャップを外して、取り付けます。
今回は印刷異常があるのは顔料インクだけなので、1本だけ取り付けます。
クリーニング液注入口のオレンジ色のゴム栓を引き抜きます。
プリンターのトップカバーを閉じて、電源ボタンを切ります。
この状態で7〜8時間以上(一晩を目安として)そのまま放置。
これで、インク流路に固まったインクを溶かしてくれるはず。すでにお湯で洗ってある程度キレイになっているはずだけど、念入りにやります。
一晩たったら電源投入。インクカートリッジが入っていないのでエラーメッセージが出ます。
取り外してあったクリーニングカートリッジのオレンジのゴム栓をします。手で押し込めないので、専用のピンを使って押し込みます。
オレンジ色のテープが貼られていた部分にセロテープを貼ります。
L型キャップを装着。次回も使えます(クリーニング液が無くなったら補充できます)。
インク吸入口の周りに、クリーニング液が付着しているので綿棒できれいに拭き取ります。
あとはもう一度インクカートリッジをセットして、ヘッドクリーニングをします。
これだけやれば直ったな。直ったに違いない!
さぁ、ノズルチェックパターンを印刷してみようではないか。
用紙を入れて印刷GO!
あれ?あれれ?
・
・
・
絶対直ったと確信していたのに、全然直ってない(>_<)
単純なノズル詰まりだったら直っていたはず。何か他に原因があるようだ。
もしかしたら、顔料のインクカートリッジ自体のトラブル。であれば、インクカートリッジを新しいのに替えてみればいいんだけど、もうこれ以上カートリッジは買いたくないし、、、プリンタ本体側の基板の問題も考えられる。ここまでだな。
何かを自分で修理する時に、途中で「これだ!」とひらめくことがあるけど、その場合は大体うまくいく。今回も顔料ブラックインクが出てくるようになった時点でイケると思ったんだけど、ダメでした。
それでもやってみる価値はある方法だと思う。
今回は直りませんでしたが、キャノンのインクジェットプリンターのノズルが詰まって、ヘッドクリーニングしても良くならない場合。そして、修理に9,500円かけるくらいなら新しいのを買った方が良いかなと思ったら、最後の手段としてヘッドを外して上記の要領で洗ってみて下さい。他メーカーでもヘッドが簡単に取り外せるならやってみると良いと思います。
単純にインク詰まりだった場合は、直る確率は高いと思います。
ヘッドのノズルがつまらないようにするには、時々印刷することですね。
用もないのにプリントアウトするのはもったいない気がしますが、ノズルが詰まるとヘッドクリーニングをしなければならず、その時にインクを大量消費するのでそちらの方がもったいないです。
インクジェットプリンターは、使い過ぎても壊れるし、使わなすぎても壊れる。
なかなか難しい機械なのです。
結局、悪あがきせずに素直にプリンターを買い替えた方が良かったという話ですが、やれることはやってダメだということがはっきりしたのでスッキリしました。
MP-640は6年半よく働いてくれました。
親の年賀状もだけど、自分の年賀状も作らなきゃなので、早速新しいプリンターを購入したのでした。
・・・プリンター購入編につづく。
コメント
なるほど、それなら自分でもできそうな対策ですね。
ただ、ボクは
>この状態で7〜8時間以上(一晩を目安として)そのまま放置。
が、待てずに取りあえずプリントしてしまいそう。(笑)
そう言えば、もう郵便局さんは年賀状受け付け開始してますね。
早く作り過ぎて、忘れてた。
kuniさん、こんばんは。
プリントヘッドが意外なほど簡単に取り外せたので、これで直ると思ったんですが、今回は残念な結果でした。
kuniさんのタイイングを見ていると気が長そうに見えますが・・・(笑)
かなり前に年賀状完成してましたよね。私は新しいプリンターを購入して印刷体制は整ったんですが、肝心の年賀状がまだできていません(^_^;)
おはようございます。
インクジェットプリンタも困ったものですね。
現役時代はレポート作成も多く、部屋毎のネットプリンタまで印刷物を取りに行くのも面倒で、自席にインクジェットプリンタを置いていましたが、毎日の様に使うのでヘッドクリーニング液溜が満タンになって紙を汚すなんてこともありました。
その時から採っている方法ですが、インクジェットプリンタは本体は格安赤字販売してインクで稼ぐ詐欺的商法なので、格安インクで不具合が出るまで使い倒して、不具合が出たら本体を買い替えています。
純正インクセットの価格が、モニタインクセット付の本体価格と同じなんてのは詐欺の隣だと思いません?
この数年、自分は”むさしのメディア”の一個150円の格安インクを使っていますが、耐候性はかなり劣りますが、発色は悪くありませんね。
でも今回のプリンタヘッド全体のクリーニングは実に面白くて、役に立つ記事です。
ヘッド全体が簡単に外せるのも驚きでした。
それならヘッドを部品売りしてくれば良いのですが、ヘッド価格がプリンタ価格より高かったりして・・・・(笑)
次回異常が起きたら、先ずはヘッドを外して状態を確認してみます。
マンボウさん、こんばんは。
『インクで儲ける』商法は私も以前からどうも納得いかないんですよね。
この前は「スマホ通信費が高すぎる」と言いましたが、プリンターインクも高すぎます。
そんなに安いインクカートリッジがあるとは知りませんでした。確かに安い本体と安いインクを組み合わせるという手もありますね。
プリントヘッドは修理のことを考えて他メーカーでも外しやすいようになっていると思われます。ダメ元でいじってみる価値はあると思います(^_^)
おはようございます。
私は仕事柄インクジェットプリンタのトラブルは何度も経験しています。
今回のような症状でメーカーに電話しますと、真っ先にプリンタヘッドの不良を疑われます。で、昔はヘッドの部品販売があったのです。自分の判断でヘッドを交換するか、メーカーに修理に出すかの2択だったんです。でも、ザックリですが5回に1回程度はヘッドを交換しても直らないんですよ。ヘッドは数千円だったと思いますが、ヘッド代金が無駄になる訳です。それで顧客と揉めることが多かったからかは判りませんが最近では部品販売がなくなりました。更に、修理の形態も定額に変わりましたね。新し目の機種ではもう少し安いはずですが、どちらにせよ新品交換です。iPhoneなんかと同じシステムです。修理に持ち込んで数日後に引き取りに行くと新品に化けてますので複雑な気分になります。上で仰っておられますように、本体はタダでもインクで儲けたいのが、あからさまですよね。
七流釣師さん、こんばんは。
そうなんですね、昔はヘッドのパーツ販売があったんですか。あんなに簡単に外せるならパーツ販売すればうれしいのにと思いましたが、確かにヘッド交換で直らないケースもあってなかなか難しいのかもしれませんね。
インクジェットプリンターは故障しやすい製品の筆頭ですよね。インクで儲けるなら本体は故障しにくいものにして欲しいところですが、やはり構造上無理があるのでしょうか。
年賀状の時期しか使わないので何回詰まったことやら(笑)
どうしてもなら会社のレーザー使ってます。
Nori1022さん、こんばんは。
年賀状の時期にしかプリンターを使わない人って結構いると思いますよ。
逆に言えば、年賀状がなくなったらインクジェットプリンターは売れなくなる?(笑)
インクの目詰まりはインクジェットプリンターの宿命なんですかね。そして、何が悲しいかって、ヘッドクリーニングでインクが激減りすることです。
会社のプリンター使えるのはいいですね(^_^)
こんばんは。
私も昨年プリンターの故障でメーカー直営の修理工場に持ち込んだのですが、一律13,000円位でした、修理箇所のどうのこうのは関係ないですね、機械としては単純な機械ですのでインクでカバーしている感が強いですね、使わな過ぎても故障、全くその通りですね。
ハックルさん、こんばんは。
持込修理ということはエプソンでしょうか。
昔の家電のように壊れた箇所に応じて修理料金を請求するというのはなくなりつつありますね。一律料金だとほんとにちょっとした修理の場合、ちょっと頭に来ますね(笑)というか、もう修理する気がないのかもしれませんね。基本的には交換で済まそうっていう方針でしょうか。そんなんで良いんですかね、日本のメーカーが。
用がなくても時々印刷する、無駄なようでもそれが目詰まり防止には一番良いようですね。
パターンテスト印字をするとつい「あっちゃ~」と言ってしまうくらいボロボロに目詰まりを起こしていました。
年に1回年賀ハガキを印刷するだけの為に引っ張り出してきたのですが、投函に間に合わない!
で、ダメ元でヘッド部分を沸騰しているお湯で2、3分煮ました。
結果、パターンテスト印字で95%程度まで回復し、お年賀印刷も事なきを得ました。
やってみるものですね。
通りすがりの人さん、こんにちは。
そうなんですよね、インクジェットプリンターって年賀状シーズンに年に一回しか使わないって人結構いると思うんですよ(^_^)
お湯で煮沸とは思い切ったことしましたね。でも、ダメ元でやってみるのは良いですね。そして、見事に回復!すばらしい。
年賀状印刷無事に終了して何よりです。今年の年末に向けて、時々印刷しておけば今度は目詰まりで焦らなくても良いかもしれないですね(^_^)
この度はお世話になります。
mp640を長年愛用しております。
もう10年は使用してバリバリ使っておりますが
ここ数年は格安インクを使用していました。
先日surfaceより印刷をかけたら枠だけ印刷されて文字が印字されなかったので、ソフトの不具合と思っておりました。一昨日macより印刷したら同じ現象が起きたのでこれは本体だと疑い、調べるとこちらのサイトにたどり着きました。
おっしゃる方法で試しましたら、私の場合は見事に復活しました。
基盤を濡らさないようにしてほぼ丸洗いといった感じで行いました。
しかも、その後はドライヤーを駆使して2時間程度乾かしただけで、挑戦して結果を得ました^ ^
ありがとうございました!
カジワラさん、こんばんは。
MP640、10年も使えているとは素晴らしいです。
私は結果的には直りませんでしたが、カジワラさんの場合は復活できたようで良かったですね。
少しはお役に立てたようで、私もとても嬉しく思います。
これからも、限界まで使い続けて下さい!
ご報告、こちらこそ、ありがとうございました (^_^)
10年6ヶ月使用したMP-640が突然、枠線と文字が印刷できなくなりました。
(カラー部分は印刷可能)
ノズルクリーニングや強力クリーニングを何回繰り返しても、復活しませんでした。
10年以上使ったのだから、と家電量販店に行ってカタログや価格をチェックして買い替え機種をほぼ決めました。(次の日に家内を連れて買い替えに行くつもりでした)
でも、ヘッドだけ取り外して、自分でクリーニングする方法はないものかと、ネットで検索したところ、リコプテラさんの記事がヒットしました。
簡単にヘッドが取り外せるのを知り、ダメ元で分解しました。
ヘッド部分や周りの部品にPGBK(顔料ブラック)が零れてベトベトに汚れていました。
自分の場合、買い替えるつもりでしたので、基盤部分を避けながらヘッドを温水で丸洗いしてドライヤーで乾燥しました。(所要時間45分)
プリンター内部のヘッド収納部分や右奥部分の汚れもひどく、綿棒や濡れティッシュをピンセットで挟み清掃しました。こちらも45分ぐらい掛かりました。(合計所要時間1.5時間)
ヘッドとインクカートリッジを再セット(顔料ブラックだけは新品に交換)して、プリントしたところ、見事 復活しました。リコプテラさんありがとうございました(笑)
今回の原因:私も皆さんと同様 格安インクを使用しております。カートリッジとヘッドの噛み合わせが悪く、インクが外に漏れたのが主原因だったと思われます。しかも格安部品のため、カートリッジが空になっていたにもかかわらず、インク残量ありの表示でした。(次回からはインク漏れを最初にチェックしたいと思います)
タッチャンさん、こんばんは。
MP-640を10年以上使っている方は結構いるんですね。素晴らしい。
10年使えば、本当にダメ元という気持ちで思い切って作業できるのが良いですよね。
そして、見事復活できて良かったですねー!
私は今は別のプリンターを使っていますが、私の書いた記事が少しでも他の方のお役に立てたのなら本当に嬉しく思います! コメントいただけたのも嬉しいです。
MP-640、これからも現役続行ですね (^_^)