私が渓流クッキングを始めて、最初に買ったクッカーは、snow peakのアルミパーソナルクッカーでした。
大鍋小鍋がセットになっていて、さらにその二つの蓋もフライパンや食器として使える。軽量コンパクトですっきりスタッキングでき、中に250サイズのガス缶を納めることもできる。
ソロ用には最適なクッカーだと思ったのです。
金属臭問題を解決するためにモンベル アルパインクッカー16、それからEPIgas ATSチタンクッカーも買いました。
アルパインクッカー16は金属臭問題は解決されていますが、表面のハードアノダイズド加工の耐久性がどうなのか、現在継続テスト中です。
ATSチタンクッカーは金属臭はせず、チタン特有の焦げ付き易さも底面のATS加工により軽減されているものです。これが無敵のクッカーかと思いましたが、炊飯はやはりアルミより気を遣わなければいけないし、底面のザラザラが取り扱い上結構気を遣います。
いろいろ試して来たので、最後にsnow peakのチタンパーソナルクッカーを買って、最も炊飯が困難だと言われているチタンクッカーが実際にはどうなのか自分で試してみたくなりました。たまたまヤフオクに出品されていたので、格安で購入できました(^_^)
このクッカーで問題なく炊飯ができれば、軽さやコンパクトさから考えてソロキャンプには最適だと言えるかもしれません。
スノーピーク チタンパーソナルクッカー
snow peak チタンパーソナルクッカー(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)
- サイズ:
クッカーL / φ150×72mm・1,000ml、クッカーS / φ128×69mm・780ml、
フタL / φ155×32mm・500ml、フタS / φ134×30mm・350ml - 収納サイズ:φ155×100mm
- 材質:チタニウム
- 重量:330g
- メッシュケース付
上記の重量ですが、snow peakさんのサイトを見ると、タイトル横には485gと書かれていて、詳細仕様には330gと違う数値が書かれていました。485gという数値はアルミパーソナルクッカーの数値なので、それらが混同されて誤記載されてしまったんだろう。
330gにしても本体のみの数値なのか、メッシュケースを含んだ数値なのかはっきりしないので、実測してみました。
私が1g精度のデジタル計りで計った数値は、
本体のみ:297g
メッシュケース込:308g
あれ?随分軽いよ??
snow peakさんに問い合わせてみよう。
上記誤記載の件も伝えたいし、ともかくスノーピークさんに問い合わせてみよう。
電話をしてみました。あんまりメーカーに問い合わせばかりしていると、またクレーマーとか言われるかな(笑)
誤記載と思われる件と、330gという数値が正しいのかどうか確認しました。
調べて後ほど電話いただけるということで、2時間後に着信が。
さっきは女性が出ましたが、今回はちょっと重役っぽい?男性からでした。
タイトル横の重量表記はやはりアルミとチタンを取り違えているようで、修正するとのこと。
(今確認したら、ちゃんと修正されてました。対応の早さが素晴らしい)
そして、330gというのは収納袋込みだということ。
スノーピークさんに在庫のある実物を計測してみたら、310gだったそうです。うちで計ったのとほとんど同じですね。
誤差もあるので、少し重めに公称値を設定してるというような話でした。
個人的には、軽さが売りの製品で20gも重めに記載するなんてもったいないと思いますが。
「わざわざご連絡いただいてありがとうございます。今後ともよろしくお願いします」
「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします」
と電話を切りました。
丁寧に対応してくれて、信頼できるメーカーさんだと思いました。
サイズはアルミパーソナルクッカーと同じですが、チタンの方がかなり軽いです。
以前にクッカーの素材による特性の記事にも書いた通り、チタンはアルミより比重は大きいんですが、強度があるのでアルミよりも薄く加工できるのでその分軽くなるんです。
そして薄くても傷は付きにくくて丈夫。
蓋もフライパンや食器としても使えるのでこのクッカーだけで、充実した調理ができます。
ただし、もう何回も書いている通り、チタンは熱伝導率が低いので炊飯や炒め物はかなり気を遣う必要がありますが。その辺りについての詳細は次回の記事に書きます。
(★後日追記:メニューによるクッカーの使い分けについて書きました。詳しくはこちら。)
このクッカー、サイズは実に良く考えられていて大鍋の中に小鍋を入れて、さらにその中に250サイズのガス缶が収まります。実際にはこの状態だとカチャカチャ音がするので、間にキッチンペーパーを挟んで収納してますが。
メッシュの収納袋が付属しています。
ガス缶を収納する際の注意点:
キッチンパーパーを挟んだとしても、ガス缶が濡れている状態でしばらく入れておくと、ガス缶底の縁が錆びてチタンクッカーに“もらい錆”が付着する場合があります。ガス缶は濡れているとすぐ錆びるし、もらい錆はなかなか落とせないので注意しましょう。
蓋をフライパンや食器として使う場合の注意点。
このクッカーは一つ注意した方が良い点があります。
それはこの蓋です。取っ手は収納時はこんな感じに折りたたまれます。
そして写真2枚目は取っ手を広げた状態。
赤矢印の部分に取っ手が引っかかって固定される仕組みになっています。
写真2枚目のような持ち方で取っ手の先端付近を持つと、取っ手の元部が外れて蓋が前方に倒れてしまいます。
私も一度中身をぶちまけてしまったことがあります。中身はキュウリの浅漬けだったので、洗って食べられましたが(^_^;)
こんな感じに、左右から押さえつけるようにして持つと大丈夫です。これ、重要です。
スノーピーク チタンパーソナルクッカーの長所と短所
長所
- アルミよりさらに軽量で、250ガス缶を中に入れてもコンパクトに収納できる。
- 大鍋、小鍋、大フライパン(皿)、小フライパン(皿)と4つのパンがセットなので多彩な調理が可能。
- 金属臭がしないので食器としても使える。
- 強度があるので、傷がついたり変形したりしにくく耐久性が高い。
短所
- 炊飯や炒め物などは焦げ付きやすい。
- アルミクッカーに比べるとかなり高価。
軽量コンパクトさを重視する山行などに最適なクッカー。
この多機能をこんなにコンパクトにまとめたクッカーは他に見当たりません。
私はソロクッカーとして使ってますが、メーカーでは2〜3人用と謳っていますね。
ソロ用には、さらに軽量シンプルなものが用意されているからでしょうね。
ソロセット 極 チタン(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)
- サイズ:ポット / φ109×125mm、カップ / φ110×71mm、フタ / φ104×22mm
- 重量:195g
- 容量:ポット/880ml、カップ/540ml
- 素材:本体 / チタニウム、フタつまみ/シリコーンゴム
圧倒的に軽いので少しでも荷物を軽量化したいソロ登山なんかにはこれが最適なんでしょう。
私の場合は調理器具としての使いやすさや食器にした時の食べやすさを重視しているので、浅型のクッカーを選んでいます。
縦長のクッカーは調理が限定されるし、食べにくいですよね。
チタンクッカーはラーメンや汁物、フリーズドライなど基本的にお湯さえ沸かせればOKな調理なら何の問題もなく使えます。軽量化を図りたい山行などには最適じゃないでしょうか。
短所の焦げ付きやすさについては、ちゃんと対策すればある程度解決できます。
チタンクッカーを使って美味しいご飯を炊く方法については、次回の記事でまとめます。
・・・つづく。
★後日追記:
>>チタンクッカーでも美味しいご飯は炊けます。詳細はこちら。
コメント
こんばんは。
チタンは軽くて丈夫で化学的にも安定していて、いいですね。
でもその分、加工がしにくいですから高くなりますね。
それに何といっても「ふしぎの海のナディア」ではスペースチタニウム合金として発掘戦艦エクセリヲンの装甲にも使われているくらいですから(笑)
マンボウさん、こんばんは。
チタン、こんなに薄く加工してあるのに、この丈夫さは驚異的ですね!
確かに加工がしにくいので高価になってしまうんですね。
ふしぎの海のナディア、何度かコメントいただいて、DVD借りて観ようかと思ってますが、全部で39話もあるなかなかの長辺なんですね。年末年始にまとめて観ようかな(笑)
スペースチタニウム合金、気になります。
なかなかここまで道具を追求するユーザーは少ないだろうから、メーカー側とすれば貴重なお客様でしょう。^^
kuniさん、こんばんは。
メーカーさんもそう思ってくれるとうれしいんですが。
いちゃもん電話だと思われないように、できるだけ低姿勢で電話してますけどね(笑)
いろんなメーカーに問い合わせしてみると(電話だったりメールだったり)、そのメーカーのユーザーに対する姿勢がわかりますね。
こんばんは。私も発売当初から同クッカーを所有しており、炊飯もしています。とても気を使っての炊飯になりますね!次回のレポート、非常に楽しみにしております!
GⅡスプーンさん、こんばんは。
このクッカーがいつ頃発売されたのか知りませんが、当初から使われているということはかなりヘビーユーザーさんですね。
私なりにこのクッカーでおいしいご飯を炊く方法を考えましたが、もしかしたらGⅡスプーンさんの方が良い方法を知ってるかも。その時は教えて下さい。
間に違う記事が挟まるかもしれませんが、近々チタンクッカーの炊飯について書きます(^_^)
リコテプラさん、こんばんは!
残念ながら私はこのクッカーで美味しくご飯を炊くことは、少しあきらめています。
ただ、焦げを最小限にするために大事なことは、バーナーの火の止めどきだと思います。沸騰してる水分がなくなった時点で火を止めなければならないので、クッカーの蓋に金属性のスプーンを当てて、沸騰してるブクブクの振動があるかないかで、判断しています。あと、プチプチ音もしますよね。
また、私と子供2人の3人で外メシすることが、多かったため、三合以上で炊飯することが(このクッカーは3.5合近く炊飯可能だったと思います)多かったので、多少底の方が焦げても、美味しく食べれる部分も多いことから、大失敗した意識は少ないですね。
確かにアルミのクッカーよりピーキーなこのクッカーで少量のご飯を炊くのは難しいでしょうね。
あたりまえ過ぎて参考にならなかったと思います。今後とも楽しく拝見させていただきます。
GⅡスプーンさん、こんばんは。
確かにこのクッカーで美味しいご飯を炊くのは難易度高いと思います。参考になるコメントありがとうございます。
ほんとは素直にアルミで炊けば良いんですが、私なりにもいろいろやってみたので、次回記事にご期待下さい。と言っても、大した内容じゃないかも(笑)
その前に、釣りに行って来たのでそちらを先にアップします。こちらも読んでいただけると幸いです(^_^)
おはようございます。
料理好きでもないのに、バーナー・ストーブ・クッカー・鍋釜食器が不思議と好きです。スベア123が出たときは驚愕でした。今まで(オプティマス8R)のはなんなんだ!とびっくり。
チタンコッヘルも、カーボンロッド(金属)も軽さに驚きでした。
非鉄金属がとにかく好きです。小学生の時にバイメタルを知った時から合金という言葉に未來感をおもいます。
特にチタン合金でしょうか、またレアメタル添加合金等々・・・。極端な環境で使用される金属にはしびれます。
原子番号の図鑑はおもしろいですよ。こんな金属何に使われるんだろうっていうのもあるし。
よく管理人さんは研究されていらっしゃるので、参考にしております。今後も釣りと絡めてよろしくお願いします。
(1点、お教えください。アキスコエアーライトXL6pのコルクグリップ長って何cmですか?-第1優先候補ロッドです。)
FFfreakさん、こんばんは。
スベア123というのは知らなかったんですが、検索してみたら「最初の携帯型トレッキング用ホワイトガソリン・ストーブ」だとか。そして今でもスベア123Rという製品は売られていて、人気があるようですね。
私もレアメタル好きかも。図鑑とまではいかないですが、原子番号とその元素のサンプル写真と解説が書かれた下敷きみたいの持ってます。
私は元素の名前も好きなんですよね。チタンもそうですが、ゲルマニウムとかコバルトとかかっこいい(笑)
アキスコのロッド、私の7’6″のものだとグリップ長は134mm、リールシートを含めてロッドエンドまでは216mmです。
私は手が大きい方ですが、サムオントップで握って違和感はないです。握り方や人によっては小さいと感じる人もいるかもしれませんが。
チタンクッカーのフライパン、ソーセージとか炒めると火の当たる場所とそうじゃないところの温度差で伸びるのか押すとペコペコ音がするようになっちゃうんですよね。
気にしませんが・・・(笑)
何セット目?
いわなたろうさん、こんばんは。
とにかくチタンクッカーは炊飯と炒め物は苦手ですよね。
なるほど、一点加熱しすぎるとぺこぺこになっちゃいますか。実は、その一点加熱にならないようにするのが、炊飯のポイントだと思っていろいろ試してみました。
その辺りは次回記事に書きます。たろうさんからコメントもらったバーナーパッドも登場しますよ。あ、その前に釣りに行ったので、そちらの記事が先になります(笑)
クッカーは5つ持ってます(苦笑)。それについてもまた書く予定です。
チタンは軽量で良いですね。
自分もいくつか使用していますが調理は向かないように感じて使い分けていますね。
しかしバックパックでの出陣に一つとなるとチタンのコッフェルですかね。
幻の渓流師さん、こんばんは。
そうですね、チタンは軽量で丈夫なのが魅力ですね。
やはり炊飯と炒め物などは焦げ付きやすいので、かなり使い方が難しいです。おっしゃる通り、アルミなどと使い分けるのが最善だと思います。
軽さを最重要視するなら、調理メニューをそれなりに考えればバックパックでは重宝するクッカーではないでしょうか(^_^)