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ランディングネットを編む|その5…ネットをフレームに取り付ける

ランディングネット作り
この記事は約9分で読めます。

「ランディングネットを編む」シリーズはいよいよ最終回です。
ランディングネットを引っかけて破いてしまって気軽に編もうと思ったのが始まりだったのに、どうせならクレモナ糸を染めるところかやろうということになり、すでに足かけ半年以上が経過しているではないですか(笑)
染めてからしばらく手を付けずに寝かせておいたということもあるんですが・・・

先日やっとネットは編み上がりました。完全版とは言い難いけど(^_^;)

まぁ、実用上は問題ないのでとりあえずフレーム(木枠)に取り付けてみましょう。

フレームから古い網を取り外す。

 
これが昨年まで使っていたランディングネット。
昨年はこのまま使っていたけど、実は一昨年の秋に破いちゃったんですよね。
藪漕ぎの時に引っかかった時にちょっと強引に引っぱっちゃったのかな。

これ、ネットを外して補修に使うクレモナ糸と一緒に染め直してから補修しようかなとも思うけど、クレモナ糸が全体に少し劣化してるみたいだし、どうしようかなぁ・・・
ともかくネットを外してみよう。

 
このネットは継ぎ目のある編み方。
二重編みのところに結ばれた糸を見ると、これは縁側から編んでいってるみたいだな。
どうやらネットはいろんな編み方があるらしい。

 
フレームの外側にぐるっと巻かれた糸の一箇所を安全ピンで拾い、フレームに傷を付けないように注意しながらカッターで切ります。

 
フレームの内側の二重編みの糸を引っぱります。
写真2枚目のように片側の二本だけ引くと簡単に外れます。

 
ある程度外したら、巻かれた糸を適宜短めに切りながら進めると解きやすいです。
フレームからネットを取り外したところ。
昨年使いっぱなしだったらか、網から細かい砂埃がたくさん出ました。この網、ともかくまずきれいに洗った方がいいね。

 
取り外したネットとフレーム。このネット元々は鮮やかな黄色だったんですよ。それが今では色褪せてこんな色に。でも元々この色だったとしたらこれも悪くないかも(笑)
このフレームに編んだ網を取り付けます。

手編みクレモナネットをフレームに取り付ける。

枠の周囲を留めるのも基本的には編んだものと同じクレモナ糸を使います。
長さは周囲の穴をぐるっと囲む長さプラス20cmくらいですかね。
このネットの場合、73cm+20cm=93cm。まぁ1mに切って始めます。

 
これ、ジムニーのハンドルカバー(革製)を縫う時に使った針。マーカー自作の時にも登場してますね。普通の縫い針より太いんだけど、このくらいの目じゃないとクレモナ糸が通らないので。
二重編みにした所を一結びして一番フレームに近いところの穴に、針を通します。

本来なら底面は17目×17段のはずでしたが、私は17目×9段と細長い底面になっているので、底面長辺方向に気を付けて取り付け位置を決めます。
もちろんフレームの長い方に底面の長辺を合わせるようにしますよ。

底面の折り返し位置に結んでおいた白糸。これが前後方向になるようにすればちょうど良いです。


この結び目を穴に通すべく思いっきり引っぱりますが、どうやら無理っぽい。
穴の大きさは1.5mmくらい。2mmあれば大丈夫だと思うんだけど・・・

穴が小さい場合は、バッキングラインを使おう。

穴を広げても良いけど、とりあえずバッキングラインを使ってみるか。

 
フライラインの下巻きに使うバッキングライン。
とりあえずうちにあった20lbのイエローのラインを使います。これでさっきと同様に二重編みの頂点を一結びして余分をカット。結び目にちょっと瞬間接着材を垂らしておきます。

 
バッキングラインを引っぱって、一旦結び目が外側に少し出るくらいまでにします。
今度は逆に二重編み糸を引っぱって、少し戻して結び目が隠れるようにしておきます。

 
さっきと同様に針を使っても良いですが、ボビンスレッダーを使ってやってみます。
スレッダーをフレームの内側から次の目に差し込み、外側からラインを通します。
スレッダーならスムーズで快適。

 
さっき留めた隣の二重編みの頂点にバッキングラインを通し、同じ穴に今度は外側からスレッダーを通してバッキングラインを拾います。

 
バッキングラインを外側に引いて、二重編みの頂点がちょこっと出るくらいのところでストップ。


これを繰り返してこんな感じに留めていきます。
バッキングラインにしっかりテンションをかけて、溝にピッタリ収まるようにします。


内側はこんな感じに留まっていきますね。なんかカッコイイね。

最後はハーフヒッチで留める。


同じ要領でぐるっと反対側まで留めてきます。特に難しいことはないです。
一番最後の穴。二重編みの頂点をちょっと外側に引き出します。


ここでバッキングラインをハーフヒッチで留めます。

 
目打ちとかタイイングのニードルを使うと締めやすいですね。

 
もう一回ハーフヒッチ。余分をカットして週間接着材を一滴垂らします。
そして、穴の中に少し埋まるくらいまで内側から二重編み糸を引っぱったら完成。


こんな感じで完成!

周囲の留め糸も網と同じ色のクレモナ糸を使うのが基本だと思うけど、その場合は最初と最後の穴だけは2mmないと厳しい。
バッキングラインの方がクレモナ糸よりも細くて強度があるから、素材としては向いていると思います。問題は色だね。まぁ、今回みたいに留め糸をネットと色違いにしてもそれはそれで悪くない気もする。

バッキングラインを網と同じ色で染めれば一番良いんだけど、バッキングラインはダクロンと呼ばれるポリエステルの糸。これがどうも染まりにくいらしい。
と言っても、白の他に今回の黄色や赤色のもあるから、染められる染料はあるはずなんだけど。ともかく、一度バッキングラインを染めるテストをしてみます。

悪戦苦闘の末に、ランディングネットが完成!

 
底面編みの折り返し位置の目印にしていた白糸を解きます。
これで、網の深さは27cmくらいにになりました。
網はもう少し浅くても良かったかも。14mmのコマ板を使うともう少し浅くなるか。
17目×17段の底なら8周編めば十分な気もする。


上から見ると、底面の菱形の向きが通常とは違うと思います。
普通は細長い菱形が枠の長辺と同じ向きになるはずですが、直角方向に向いています。
まぁ、これでも実用上は全く問題ないですよ。
17目×17段でちゃんと編めば底面がもう少し広がった網になったと思います。


ともかく、これでランディングネットは完成です!


別アングルから。結構カッコイイね。
今年はこの緑の網を背景にきれいな魚の写真が撮れるとうれしいな。
枠に留める糸は黄色でも全く気になりませんね。バッキングラインがうまく染まらなかったらこれで良しとしよう。

ランディングネットを手編みしてみて思うこと。

全体像を把握できないまま進めたので、途中でやり直したりテストを繰り返しながらやったこともあり、かなり大変でした。
でも、今回手中の全体を把握したので、次回からはオソロシイほどの進歩を遂げて格段にスムーズにそしてスピーディーに編めるはず(たぶんね笑)

蛙又結びなら結び目で糸を継ぎ足していくのも困難ではないので、小さいアバリを使って編んでいくのも良いかもしれない。もっと細いアバリを作ってもう一度一筆編みはやりますけどね。
それと、教本に「底面と側面は別々に編んで繋げるのが一般的」と書いてあったけど、底と側面を繋げる部分がかなり難しいんじゃないのかなぁ。どうやって繋ぐのかわからないし。
まぁ、その辺りは今後の研究課題にします。

付けたばかりの網を、なぜかすぐ取り外す。

ところで、せっかく取り付けたネットですが、この後すぐに取り外すことになります。
実はこれはブログに載せるためにとりあえず取り付けただけなのです。
なぜネットを取り外すかと言うと・・・

 
フレームに(グリップも含め)かなり傷がついているんですよ。
このネットはヤフオクに出品されているエンドウネットクラフトさんから購入したもの。
見た目はもちろん最高の仕上がりですが、強度もかなりなもの。
転んだりヘツリの時に岩場にぶつけたりして傷は付いちゃったけど、割れたりはしませんでした。
ウレタン塗装も厚めなので、この傷も木部まで届いていないかもしれません。

ともかく塗装を少し削って(場合によっては塗装を全部落として)再度ウレタンを塗り直そうと思っているんです。それからこの新しいネットを張れば気持ち良いじゃない。

★2018.3.16追記:
フレームの塗装をし直しました。大変だったけど、ネームも入れて自己満足度高し。

フレーム作りにも手を出しちゃうつもり(笑)

ネット編みでとても参考になったAkasaka Woodworksさんのサイト。
ランディングネット作りの材料が全部揃っているので、これからもお世話になるでしょう。
今回は、専用のウレタン塗料とついでにグリップ&フレーム材もちょっと買っちゃった(^_^;)
ただ、フレーム作りはしばらく手を付けません。寝かせておきます。

自分でフレームを作る場合は、ストレートタイプを作ります。
上記のランディングネットの写真を見てもらえばわかりますが、フレームがカーブしてるでしょ。
これ、なんでカーブしてるかというと、見た目がカッコ良く見えるから。
冗談みたいだけど、ほんとにそれだけの理由。
このカーブしたネットに魚を収めると、うまくカメラの画角に入って絵になるんですよね。
だから最近はカーブネットの方が人気があります。

だけど、私は今度自分で作るとしたら断然ストレートネットです。

 
ネットを背中にぶら下げていて、魚がかかって手に取る時、写真1枚目のようにさっと掴めた時はいいけど、写真2枚目のように逆側に持っちゃうと魚が掬いにくい。
それで、ちょっともたもた。場合によってはバラしちゃうなんてことになるかもしれない。

私は常に機能重視。カッコ良く見えるってのは機能的に満足した上での話だと思っています。考え方は人それぞれなので、見た目を最重要視する人を否定はしませんが。

気の早いことにグリップ材とフレーム材を入手。

ずっと先に完成する予定のグリップ材とフレーム材をチラッとお見せしましょう(笑)
上にも書きましたが、Akasaka Woodworksさんにはこれらの材料や専用の接着材、塗料などフレーム作りの材料が全て揃っています。フレーム材はお手頃な一枚250円とか300円のものから各種あります。

 
グリップ材は花梨を選びました。この不規則な二色模様がイイ感じ。グリップの大体の形にカットされています。
フレーム材はいろんな種類を少しずつ。こちらは15mm幅で(幅は各種あります)1〜2mm厚に製材されています。
これらを何層かに重ねてグリップ材に貼り合わせて削り、ランディングネットのフレーム(木枠)を作るのです。
どうです? なんか製作意欲が湧きません?
完成形をいつお見せできるか今のところ未定ですが、このブログでお披露目する日を夢見て、のんびり作ります。

後日追記:ランディングネットの木枠作りも始めました。詳しくはこちら↓

師匠が作る玉網枠にもいつか挑戦したい。

これは洋風の作り方ですが、日本では昔から天然木の自然の形を生かして玉網枠を作る方法がりますね。
ハックルさんが作られている玉網枠は、趣味の枠を越えても芸術品と言える素晴らしい仕上がりです。ほんとに惚れ惚れします。
網枠にはネズミサシの木が良いらしいですね。枝の股の部分をうまく使って、グリップと枠が一体でできています。
こういうタイプもいつか作ってみたいです。テンカラ釣りには天然木を曲げて作った玉網が似合いますね(^_^)

後日追記:ネズミサシではなくモミの木ですが、試作を開始しました。詳しくはこちら↓

ネットに関しては、暖かくなったら残りのクレモナ糸(まだ200mくらいある)を他の色で染めて、アバリももっと細いのを自作して17目17段、14mmコマ板、蛙又結び一筆編みで仕上げてみます。

ヤバイ!
普通に釣りをしているだけでも一生飽きないのに、ランディングネット作りというこれだけでも一生かけても時間が足りなくなるようなことも始めてしまった(笑)

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コメント

  1. おぉー!ついにフレーム製作にも着手されますか。応援しますよ。
    フレーム曲げは初めは難易度(普通)が楽ですが(やや難)でもなんとかいけると思います。私今回(難)のシャム柿バッキリ折ってしまいました。
    内張りというやつに挑戦したんですがグリップ側のカーブがキツくて…。
    完成取り付け状態バッチリですね。二回目は確実に上達しますよ。

    • 北のヒデさん、こんにちは。
      フレーム製作に着手するのはまだ先ですが、気分を盛り上げるために材料を買ってみました(笑)。またいろいろ教えて下さい。
      Akasakaさんにもちょっと問い合わせましたが、「やや難」は少し曲げにくいけど折れやすいわけではないという話でした。今回は初めてなので「普通」のものだけ選んでみました。
      フレームの内張りをすれば確かに強度アップして見た目もきれい思いますが、私は初回は内張り無しでやってみます。
      ネットは何とか形になりました。ありがとうございます。二回目は少しはマシにできると思っていますが、果たしてどうなりますか(^_^;)

  2. うーん 自分にはまだ踏み込めない世界ですね。私のネットは10年以上使っているので、色が落ちてきています。そろそろ染めないといけないかな。

    • Kさん、こんにちは。
      「まだ」踏み込めない、ということはいつかは踏み込むんですよね(笑)
      ネットを編むのは初めてだとわからないことだらけで大変でしたが、二回目はだいぶスムーズにできるんじゃないかと思っています。あくまでも希望ですが。
      クレモナネットを染め直すと気分一新で良い釣りができるかもしれませんね。写真映えも良くなりそうですよね(^_^)

  3. こんばんは。
    凄い、完成だ!と思ったら、まさかの解体。まさか、序章だったとは。映画みたいです。次回作が待ち遠しくなります。

    • マンボウさん、こんにちは。
      解体といっても、枠から外すだけですから(^_^)
      ランディングネットについては、確かにまだ序章が始まったばかりかも(笑)
      網についてももう一度きっちり編んでみるし、あ、それ以前にもっと細いアバリを作らなきゃだし。
      そして、木枠も作るという大仕事もあったり・・・うーん、渓流シーズンが始まってしまうとなかなか進みそうにありません(^_^;)

  4. まずは(再度解体されたとは言え)完成、お疲れさまでした。^^
    お見事です。

    因みにボクはネットの取り付けには、PEラインを使っています。
    白のPEラインをアルコールマーカーで着色して使っていますが、今のところ特に色褪せもないので気に入っています。
    おそらくバッキングラインでも、アルコールマーカーはいけるんじゃないかと。
    餌釣り用の針にバッキングラインでループを付けて、友人達のシングルフックを作ったりしますが、その際にアルコールマーカー着色で今のところ問題はありませんから。

    それとネットを取り付ける際、PEラインの先端を瞬間接着剤で固めて、糸そのものを針状にしてやると、そのままフレームの穴に糸を通せますよ。
    ま、スレッダー作戦の方が余計な手間がないとも思いますけど。(笑)

    • kuniさん、こんにちは。
      ありがとうございます。ちょっと強引に仕上げましたが、とりあえず実用にはなるネットになりました(^_^)
      PEラインですか。そう言えば、kuniさんのブログでアルコールマーカーで着色している記事を読んだような。
      なるほど、糸の先端そのものを針のようにしてしまうとは、目から鱗のアイディア。
      ダイソーのアルコールマーカーが評判良いということだったので買いに行ってみましたが、人気ありすぎて品切れな上に、メーカー在庫もないということでした。他で探さなくちゃ(^_^;)

  5. おー、縫いあがり・完成おめでとうございます。

     今度はフレームですね。
    購入したなかの枠材に黒いのが見えますが、黒柿?でしょうか。
     友人の黒檀モノは小型ながらも、キープの際には、その重量故に一撃が強力です。

     私も使用してるのはリバーガイドのカーブネットですので、逆持ちになることもたびたびですが、その際は暴れてるときに金魚すくいできますし、順持ちの時は普通にすくいますです。
     ランディングネットはウレタンの複数回塗装が実用にはいいです。
    私のは枠材接着面の剥がれで、1度はメーカーへ2・3度目は自分で補修です。
     漆は美しいけど、シーズンに80日以上は行く私には摩耗が早くて、ウレタンなら外側からも肉厚な接着してるから長寿命。

    • FFfreak さん、こんにちは。
      ありがとうございます。ちょっと怪しいところがありますが、実用になるネットになったので今シーズン使ってみます。
      黒いフレーム材は、アフリカ産のウェンジという樹種です。
      私はどうもカーブネットは使いにくい感じがします。本文にも書いた通り、絵にはなりますが(^_^;)
      ウレタン塗料は今回フレーム材と一緒に専用の物を買ったので、とりあえず今使っているフレームの傷補修を兼ねて試してみます(^_^)
      なるほど、漆は過酷な使用条件には向かないですか。

  6. おはようございます。
    その気持ちよくわかりますね、これで十分じゃん!と言われてもなかなか納得いかなければ気になるものです、まぁ~良いか! 性格上それが出来ないところに悩みが出てしまいます、そうして在庫が増えてしまいますね(笑)

    • ハックル70さん、こんにちは。
      前々からハックルさんとは性格が似ているところがあるような気がしています(^_^)
      そうなんですよね、他の人からどう見えるかではなく、自分で納得いかないところは凄く気になるんですよね。
      私もきっとランディングネットがどんどん増えていくことでしょう(笑)
      一本仕上げるのに凄く時間がかかるので、まぁ一年に一本ずつだとは思いますが。

  7. 僕はネットで魚すくうこと滅多にないので写真専用と割り切っている感じです。下手なのでネットですくっているとバラすことがある(笑)

    • Nori1022さん、こんばんは。
      写真専用となれば、浅い網の方がいいですね。
      写真撮影用に見た目重視でグリップの木目やフレーム材の組み合わせなど、こだわっていくと結構なお値段になるんですよね、ランディングネットも。
      掬う瞬間に逃げられたこと何度かあります(笑)
      私も写真撮影をしないんであれば、ランディングネットは使わないと思います(^_^)