渓流釣りと一口に言ってもいろんな川がありまして、フェルト底のウェーディングシューズで川岸や川の中を普通に歩ける平坦な川もあれば、ゴム底で大岩を乗り越えなければいけないような源流部もありますね。
そして、一番厄介なのが、大堰堤や大滝に阻まれて一旦崖のような斜面をよじ登って先へ進まなければいけないような場所。
その「斜面をよじ登って迂回する」ことを「高巻き」と言います。
高巻きするような場所は立木に掴まりながら登らなきゃいけないような急斜面で、土の上に枯葉が堆積していたり草が生えていたり、そこに角張った石がガラガラと崩れてきていたり、なんてところが多くともかく歩きにくいです。
泥や草、堆積した枯葉の上ではフェルトは全く無力です。ビブラム アイドログリップはそこそこ効きますが、アクアグリッパーではイマイチ不安。
渓流高巻き時には頼もしい|軽アイゼンのすすめ
モンベル諏訪店に行った時に、軽アイゼン(簡易アイゼン)を手に取って「これを渓流で高巻きする時に装着したらグリップ力がアップするかな」と見ていたら、店員さんが近寄ってきたので尋ねてみました。
本来冬に凍った場所で使うものだと思うけど、渓流釣りの高巻きに使うってのはどうなんでしょうね?と。
「最近は釣りをやられる方が良く買って行かれますよ。草付きの斜面なんかでも威力を発揮すると思います」との返答。
いいじゃない、早速買っていこう。
モンベル チェーンスパイク(楽天で見る・アマゾンで見る)
【素材】(チェーン)ステンレス鋼 (バンド)エラストマー
【重量】385g[410g](ペア) ※[ ]内はスタッフバッグを含む総重量。
【カラー】ブルー(BL)、ネイビー(NV)、オレンジ(OG)、レッド(RD)
【サイズ・カラー】XS(20.5~23.5cm)OG(オレンジ)・ S(23.0~26.0cm)RD(レッド) ・M(25.5~28.5cm)BL(ブルー) ・L(28.0~31.0cm )NV(ネイビー)
※1サイズ1カラー。
【収納サイズ】7×10.5×9cm
サイズごとに色が違っていて、掲載写真のブルーがMサイズで私にぴったりのやつ。
店員さんが、サイズの在庫確認をして来るというので待っていると、諏訪店のみならず全店舗で在庫切れ、直営ネットストアにも在庫がないんだと(T_T)
上記に、楽天とアマゾンのリンクも貼りましたが、2018年8月現在在庫切れで、メーカーサイトでも「今期の入荷はない」と記載しているので絶望的。
Mサイズは25.5〜28.5cm対応なので男性の場合ほとんどの人がこのサイズになるから、売り切れもやむなし。まぁ、それだけ人気のある製品だということでしょう。
アマゾンで似たようなのを見かけたことがあるので検索して見つけて購入しました。
そして、早速前回のキイチゴ沢釣行で試験的に使ってみました。
QUNQI 10本爪 アイゼン(アマゾンで見る)
Lサイズ:17.5 x 16.8㎝(L x W)
爪本数:10本
材質:マンガン鋼,ステンレス,TPRゴム
カラー:オレンジ/ブラック
収納用巾着袋付属
手のひらサイズに収納できる巾着袋から取り出すと、円盤状のゴムに装着されたチェーンとスパイク。
これ、モンベルのチェーンスパイクを真似して作ってるよね。だってそっくりだもん(笑)
形や構造はそのままだし、爪の数も10本。
違うのは、モンベルのは4,572円(税別)なのに対し、こちらは1,180円(税込)と実に四分の一以下で買えてしまうということ。
それから、モンベルのはMADE IN KOREAなのに対し、こちらはMADE IN CHINA。
まがい物のような雰囲気だけど、アマゾンレビューでは意外にも高評価なのと、1,000円なら仮にダメでも諦めがつくと思って試しに購入。
ゴム表面に「FRONT」と書かれた方をつま先に引っかけてセンター位置を合わせます。
踵側のゴムを引っ張って装着。ゴムの踵部分をしっかり上まで引っ張って固定するのがコツです。
装着はいたって簡単、片足10秒、両側でも30秒ほどで完了。
サワートレッカーRSに両方装着したところ。これでゴム底シューズがパワーアップ。
大岩や岩盤の上、渓流の遡行時は危険。高巻き限定で使うべし。
この堰堤際を上っていくわけですけども、前に一度フェルトで途中まで登って恐怖を感じて撤退した場所。
まず登り口の礫混じりのコンクリートの上を歩きます。ここではアクアグリッパーも効くし、アイゼンの爪の引っかかりもあって心配なし。
土の急斜面に枯れ葉が体積したような場所。ゴム底だけだと滑りますが、ここで軽アイゼンの爪が威力を発揮してくれます。
フェルト底の場合も、これを装着すれば登攀能力がアップはしますね。
角度の付いた石の上。
平らな石の上ならそれほど問題ないですが、角度がついた石に足を掛けると爪が石の上でズルッと滑ります。危険です。
アクアグリッパーが得意とする、斜めになった大岩盤なんかは絶対に登っちゃだめです。軽アイゼンを外して登りましょう。
この堰堤越えの様子は、前回の釣行記に詳細を書いたのでこちらもご覧下さい。
川へ降りる急な下り斜面でも威力を発揮。
サワートレッカーRSが土まみれになるけど、川に入ればきれいになるので心配無用。
この川はアクアグリッパーでは少し滑るくらいのヌメリがあります。大岩超えたりするので、微妙なところではあるけど川底の状態だけならフェルトがベスト。
この少し滑る川でゴム底に軽アイゼン付けたらどうなんだろう?
ヌメリのある水中の石。上から乗る分には、アクアグリッパーも効いて詰めも引っかかるので良好。ただし、斜めになった部分はアクアグリッパーが設置しないので、爪がズルっと滑って危険。
アクアグリッパーが最も得意とする花崗岩質の石。
平らな部分に上から乗る分には問題ないですが、一定角度以上になるとゴムが接地しないで爪だけで支えることになるので、ズルっとかなり恐い滑り方をします。
前回の釣行で試しに午後はずっとこの軽アイゼンを装着したまま釣り上ってみましたが、基本的にヌメリが有る無いにかかわらず、渓流を遡行する時は使わない方が良いです。危険度が増します。
ガチガチと石の上を長時間歩きましたが、チェーンも爪も特に摩耗したり破損したりという部分は見受けられませんでした。耐久性はありそうです。
今後もこれは常に携行して使い続け、実際の耐久について確かめます。
それから、使っているうちに不具合や破損などあれば、その時点でこの記事に追記します。
釣りを終えてまた急斜面を登っている時に、ふと足元を見たら左足の軽アイゼンが外れかかっていました。装着する時に踵側のゴムをしっかり引っぱり上げていなかったせいか、倒木を乗り越えたりしているうちに踵のゴムが下にずれちゃったようです。
そのまま履き続けていたら紛失していたかもしれません。
渓流高巻き用軽アイゼンまとめ。
(1)フェルト底にもゴム底にも簡単に装着できるので、必要な場面でいつでも使える。
(2)土面や草付き、枯葉の堆積箇所など急斜面の高巻きに威力を発揮。
(3)大岩や岩盤では無力。渓流の遡行時には危険なので使用しない。
(4)踵側のゴムをしっかり引っぱり上げて装着し、時々外れていないか確認すること。
軽アイゼンは、高巻きが想定される渓流ではとても心強い装備だということがわかりました。
今回アマゾンで買ったものは、いつまで販売し続けられるのかわからないですが、性能や耐久性は問題ないものでした。
類似品がいくつもありますが、渓流高巻き用には爪が短い物が良いです。
サイズは一応「L」と表記があって、サイズもモンベルの真似をしているとしたら、「M」があればその方がぴったりフィットしそうな気もするけど、売っていない(笑)
来シーズン、モンベルのチェーンスパイクがまた売られるようになったら、「M」サイズを買って試そうかな。
コメント
おはようございます。
私も以前ピン付きの靴底のウエーダーを使ったことがありますが、岩場はかえって滑って危なかったですね、高巻き専用に脱着簡単な今回のアイゼンは良いかも知れません、砂防堰堤の横をよじ登るのは意外と滑っていけないものです、ちなみに私はキノコ採りにはピン付きの地下足袋を使っています、落ち葉がピンに刺さってたちまち効果は薄くなりますが、マアこんなものでしょう。
ハックル70さん、こんばんは。
そうなんですよね、スパイク付きのシューズも石の上や岩場はかなり恐いですよね。
軽アイゼンは基本的に土斜面の草付き、枯れ葉の堆積したような急斜面限定で使おうと思います。
今回堰堤の際を登りましたが恐かったです。今後はもう少し下に高巻きルートを取ろうと思います。ありがとうございます。
ピン付きの地下足袋があるんですね。検索してみます(^_^)
私も小形ですがアイゼンをもってます
凍結した場所のみ使用してます。
ハックルさんと同じで岩場はかえって危険を
経験してます。
釣りお爺さん、こんばんは。
アイゼンは凍結箇所で雪面で使うのが本来の使い方ですよね。
岩盤の上では恐い滑り方をしますよね。川の中も歩いてみましたが、やはり使わない方が良いようです。
脱着は簡単なので、源流釣行の時には装備品に加えておいて、土面の急斜面限定で使おうと思います(^_^)
こんばんは。
ピンソールは既に製造中止のはずですが、まだ入手出来るのであれば欲しいと思ってます。
簡易アイゼンのトラブルは、
1.シリコンゴムが切れる
2.チェーンが切れる
3.使用中に脱落する
の三点かと思います。
さて、モンベルの軽アイゼンはどの程度の耐久性があるのか、三年から五年保てば嬉しいのですが。
七流釣師さん、こんばんは。
そうなんですね、ピンソールは製造中止なんですか。
そう言えば、七流釣師さんはモンベルのやつを使っているんでしたよね。過去記事を再度拝見しました。
よく見ると、やはりモンベルの方がゴム部分がしっかりしていそうです。1,000円のやつは2年保ってくれればまぁ良しとしますが、ダメになったら次はモンベルのを買います(^_^)
リュックサックに忍ばせておけば活躍する場面ありそうですね。1000円位なら買って損はなさそうですね。
Nori1022さん、こんばんは。
そうですね、コンパクトで邪魔にならないので装備品に加えておくと、いざという時心強いと思います。
ダメ元で買ってみましたが、1,000円なのに意外と耐久性がありそうだし、そう頻繁には使わないので結構長く使えそうな予感(^_^;)
インターネットでの購入に際し、評価欄をみてからにしてますが、偽の評価が書きこまれてることがあるようです。
それに比べれば、身銭を切っての使用レポートだからとっても参考になります。
コーカーズどうしの比較の件はフムフムと納得しましたからね。
下山者を待つ空き時間の釣りは、思ったより好反応。大物はだめだったけど。ただ気がせいてリーダーにノットを2つ作ってしまった。
本流用に持参した、8ft ロッド&13ftリーダーシステムは邪魔でした。
小さい沢にはロッドが7.5ft 6X9ft +2ftのリーダーが自分には痒い所に手が届く感じです。
FFfreak さん、こんばんは。
そうなんですよ、最近ではヤラセレビューなんてのが取り沙汰されているので、評価を鵜呑みにできないところもあるんですよね。
参考になればうれしく思います。
良い釣りができたみたいで何よりです。
7ft半のロッドに、リーダー6X9ft+2ftティペットというのは私がメインで使っているシステムと一緒です。私もそれが一番扱いやすいです(^_^)
これはコスパ高そうなアイテムですね。^^
ボク自身は己の身体能力の低さを知っているつもりなので、高巻きするルートを選ばないようにしているのですが・・・
とは言え、我々の好む釣りは已む無く斜面を登らなくてはならないシーンが皆無とは言えないので、保険のために持っていて損はないものだと思います。
kuniさん、こんばんは。
あまりに安いので粗悪品かと思いきや、以外としっかりした作りで耐久性はありそうです。
高巻きしないに越したことはないですね。私は高所恐怖症なので、いつもビビってますが、装備を充実させて少しでも安全度をアップさせたいです。
この軽アイゼンはいざという時に頼りになるので、源流釣行ではいつもザックに入れておきたいと思います(^_^)
この軽アイゼンは超コスパで心配する分の使用記は有難いですね。
だいぶ前に簡易型を見かけましたがショップブランドで結構高かったです。
装着も手軽ですし一つ欲しいアイテムですね。(^^)
幻の渓流師さん、こんばんは。
安すぎてちょっと心配になりますよね。
アマゾンではどんなものでも本家の格安版みたいなのが売られていて、全く使い物にならないものもあれば、本家と遜色ないコスパの高いものもあって、当たり外れがありますね。
今回の軽アイゼンはかなり使えそうです。
しばらく使って耐久性も報告したいと思っています(^_^)
こんばんは。
両足で30秒で装着できて、1000円程度というのはいいですね。
釣もそうですが、雪国に遊びに行く時にも持っていると安心ですね。
こちらには、ガリのシッカリ付いた冬靴って余り無いので、リスク回避に持っていると亜良さげな道具です。
マンボウさん、こんばんは。
そうなんですよ。とにかく脱着はほんとに簡単で面倒くささがないです。
ダメ元で買ってみましたが、1,000円なのに作りはしっかりしていました。
この製品は本来一番活躍するのは、雪道、凍結路なので、雪国へ行く時には本当に良いと思います。
こちらは一応雪国なんですが、昔より雪の量が減ってスタッドレスタイヤの性能を発揮するようなことも、一冬に数回と言った感じです(^_^;)