今年の初めに悪戦苦闘しながら編んだランディングネット。目がちょっと粗いし、目の数を間違えるという大失敗はしたけど、渓流で使ってみると実用上なんら問題なくお気に入り。
網を掛けるのに邪魔な部分があったので、少しバラして使いました。その時よくよく見るとちょっと錆びている部分があるし、今まで全くのノーメンテナンスだったので、一度全部バラしてみることにしました。
ダイナキング プロフェッショナルの分解メンテナンス
私がフライタイイングに使っているダイナキング プロフェッショナル(アマゾンで見る)。アマゾンよりこちらのショップの方が安いので、おすすめ。
昔から定評のあるバイスです。
バイスってほんとにピンからキリまであって、そんなに高いものじゃなくても毛鉤は巻けると思うんだけど、良いものを買えばずっと使えるのでそこそこお金を出しても惜しくない気もします。
このプロフェッショナルは、私が買った当時は3万円前後で売られてました。アメリカ製なので今は円安のせいもあってか、4万円台半ばから5万円くらいしてますね。
高いですよね!
まぁ、でも一生使えるから消耗品のウェーダーなんかに比べれば安いか。
近くに取り扱い店がないという方は、こちらのショップでジョーやアクセサリなんかも買うことができますよ。
大小様々なフックをしっかりとホールドしてくれるその品質は、誰もが認めるところです。
ストリーマーやサーモンフライを巻いたりするなら、もっと便利なフルロータリー(水平ロータリー)バイスが必要になるかもしれないですが、ドライフライやソフトハックルウェットを巻いたりしている分にはこれで必要十分な機能を有しています。
さて、分解してみましょう。付属のinch規格六角レンチが活躍。
バイスの下の方に取り付けているのはティムコのハックルゲージ(楽天で見る・アマゾンで見る)です。
スタンダードタイプ、パラシュートタイプに分けてフックの号数に応じたハックルの長さを計るためのものです。これは、ただ単にシャフトに通してあるだけなのですぐ取り外せます。
まずは、ボビンハンガーのところのネジを緩めて外します。
ボビンハンガーを外しました。
それから、付属の六角レンチを使って分解していきます。日本の普通のmmサイズじゃなくて、特殊なinchサイズなのでこのレンチをなくすと面倒。
台座とシャフトを固定しているネジを緩めて、シャフトと抜き取ります。
さきほどのハックルゲージも外せますね。
ボビンハンガーを差し込んであったパーツを支える金属のパーツをまず外して、ボビンハンガーを差し込んであったパーツも外します。
シャフトから外したパーツ。
次はシャフト上部の接続部を外します。
ボルト側に六角が入るんだけど、構造上回せない。反対側の袋ナットを緩めます。
サイズは11mm。
袋ナットを外したけど、このボルトどうやって外すの?
なんだかややこしい構造になってるな。
こんなとこにも六角ネジがあったのでそれを緩めて・・・
あとはボルトのネジ側からハンマーで叩いて押し出すしかなさそう。
ある程度ボルトを押し出したところで六角レンチで回して外します。
取り外せました。
この穴にネジが入っていてその先に、柔軟性のある樹脂のようなゴムのようなものが詰まっていてそれでさっき外したボルトを押さえているみたい。なんだか不可解な構造だけど、まぁ深く考えないようにしよう(笑)
シャフトとジョー外筒を連結しているパーツを分解できました。
続いて外筒からジョーを取り外してみます。
ジョーとはフックを挟むパーツのことです。
ジョー可動部の汚れを落とし、グリスアップ。
ジョー先端のスクリューロックとマテリアルを挟んだりするバネは手で外せます。
外筒をシャフトに固定するためのステーを六角レンチで緩めて外します。
ステーを外したところ。外筒からジョーを取り出します。
ジョーはかなり耐久性がありますが、交換用パーツも販売されています。
ジョーのロックレバーはリベット(写真1枚目の赤矢印)にポンチを当てて叩けば外れると思うけど、傷を付けるのもいやなので今回はこれは外さないことに。
ジョーは先端部をつかんで引っ張り出せます。
ジョーについた古いグリースをティッシュで拭こうと思ったけど粘土が高すぎて、ティッシュがくっついちゃう。やっぱり布で拭いた方が良いね。
クリーナー代わりにCRC5-56を吹き付けて拭きました。
一番重要なジョーの内側も綿棒で掃除。
表面に錆が浮いている部分は錆落としを付けて磨きます。
台座も消毒用アルコールを吹き付けてきれいに。
シャフトの差し込み部分も綿棒で掃除。
分解して可能な範囲できれいにしたパーツ類。
なんだか気持ち良いね。
ジョーの基部に新しいグリースを塗り、外筒とステーの接合可動部はゴムのOリングが入っているので一応シリコングリースを吹き付けておきました。
あとは、逆の手順で組み立てればOK。
道具はメンテナンスすると気持ち良く使えますね。
よし、これで気分一新、今までよりも釣れるフライが巻けるでしょう。
たぶん、関係ないけど(笑)
このバイス、消耗が考えられる部分はフックを挟むジョー先端部。
今のところ全く問題ないけど、もしダメになってきても交換用のパーツが販売されているから安心。
ともかく、このバイスの寿命は私よりも長いことは間違いない。
コメント
ティムコかどっかの3万ちょいのバイス買って使っていました。一番最初に買ったタイイングセットまとめて1万円に含まれていたのはソッコーで壊れてビビりました(笑)
Nori1022さん、こんばんは。
なぜか過去形になっているけど、そのバイスは今どこに(笑)
フライタイイングって始めようとすると揃えなきゃいけないものが多くて、何を買って良いやらわからなかったのを思い出します。
入門用のタイイングセットは試しにやってみるには良いですが、バイスを含めて1万円は耐久性の面ではちょっと厳しいかもしれないですね(^_^;)
ボクのリーガルブロンズは使い始めて20年超、良いものは間違いなく寿命が長いですよね。
次回、鏡面加工の記事のアップを期待しております笑笑
いわなたろうさん、こんばんは。
リーガルブロンズ、台座がレトロな感じで渋いですね。
バイスは良い物を買っておけば、少なくとも自分が死ぬまでは使えますよね。
鏡面加工?何の?
バイスの話?それとも包丁研ぎとか? いやいや、たろうさんのことだからエンジンのシリンダーのことかな? でもシリンダーは鏡面というよりはクロスハッチみたいな仕上げですよね。シリンダーは素人の私が手を出せそうもないですね、原付のエンジンくらいならやってみたいけど(笑)
ボクのバイス、しばらく分解掃除してないなぁ。
他人様がしてるのみたら、急に気になっちゃいますね。(笑)
そうそう、交換パーツはある時に確実に手に入れておく方が良いかもしれませんよ。
もちろん高価なジョーとかは無駄に予備パーツを抱えるのは二の足を踏んじゃうけど、小さなパーツなんかは持ってると安心。
ボクの20年選手レンゼッティはモデルチェンジして、シリコンの小さなパーツは既に手に入らなくなってるし。
kuniさん、こんばんは。
気になったらぜひ、分解メンテナンスを(笑)
ジョーを除いて金属パーツはそれほど摩耗や劣化はしそうもないですが、問題はゴムの小さいパーツですね。
レンゼッティでもパーツが手に入らなくなっているんですか。ダイナ プロフェッショナルはモデルチェンジはなさそうだけど、今のうちに入手できる小さいパーツは揃えておこうと思います。ありがとうございます(^_^)
おー最初からダイナキングですね。
二度買いした私は何とかの銭失いです。でも給料も安く、ドルが高かったからレンゼッティ、ダイナは雲の上のお方。
当時、国産といえばリールはマリエット(MR7)。
ということで、始めはマリエットスワローバイス(25年)からダイナのロータリーに変更して10年、裏側チェックしたり、ベンド側へのレッグ取り付けが楽です。
でも、ウエットフライほとんど使用しないから、ここのところはメリットが薄いです。
ウエットフライも巻く方なら、ロータリーは便利です。
シャフトセンターとフック軸と合うため回転に芯ずれがなくて、気持ちがいいです。
タイイングはじめのころはパートリッジのシマザキフックやマスタッドだったけど、今使うとフックポイントの甘さに驚きます。→管理釣り場行きになります。
かといってT社のバーブレスSPを使うと鋭すぎて、ミスキャストでウェーダーにピンホールをあけました。
FFfreakさん、こんばんは。
購入当時、ちょうど釣具屋さんでセール価格で売られていたので思い切ってダイナキングを買ったんですよね。当時は「こんな簡単な構造の機械がこんあにするのか」と思っていましたが(笑)、今では良い買い物だったと思っています。
ウェットフライを巻くようになったら、やはりフルロータリーのバイスが欲しくなりそうですね。
TIEMCOのSP-BLシリーズは刺さりが良くて、私は愛用してます。ただTIEMCOのフックは高単価なので、大量に巻くフックは最近はMARUTOも使っています(^_^)
やっぱりメンテナンスは大事ですよね。私は友人に譲ってもらった リーガル を使ってますが怖くてバラせません。先が欠けた時は泣きそうになりました。しかたないのでヤスリで削ってマッキーの黒で塗りました
Kさん、こんばんは。
Kさんもリーガルですか。リーガルのバイス、先端が欠けたという話を割と良く聞きますね。ちょっと割れやすい鋼材なんですかね。
微細な欠けならヤスリとマッキーでOKでしょう(^_^)
バイスに限らず道具は長く愛用したいですよね。私は今まで安物を使っていた自動車整備用の工具をもう少しまともなメーカーのもので揃えようかと思案中です。
おはようございます。
道具を大切にして、イイですね。
バイス系はクランプ先端が命で、気を使うでしょう。
自分の場合は、友人に作って貰った精密バイスと、ピンバイスが、いつも机に載っています。
マンボウさん、こんばんは。
フライタイイング用のバイスに限らず、道具は長く愛用したいですね。
おっしゃる通り、フライタイイング用のバイスの場合、ジョーと呼ばれるハリを挟む部分が命でその部分の材質や精度にメーカーによる差があります。
精密バイスを作って貰ったって凄いですね。
ちゃんとした道具だと、作業をするのも楽しくなりますよね(^_^)