今でこそ渓流ベイトフィネスタックルでもルアーを投げられるようになり、釣果もポツポツ上げられるようになったので渓魚の活性が上がるのを楽しみにしているところですが、昨年末にキャスティング練習を始めた頃には途中で挫折しそうになりましたよー(苦笑)
どうしてもBeams blancsierra(ビームスブランシエラ)5.2ULの独特のフィーリングになじめず、それに加えてベイトフィネスリール自体も使うのが初めてだったので、バックラッシュを連発したりルアーがあさっての方向へすっ飛んでいったり、イライラが募って来てこれはもう別のロッドを試してみるしかないんじゃないのか、と思っていたところたまたま格安で中古ロッドを入手できることになりました。
渓流ベイトフィネスに関する散財もかなりなものになってきましたが・・・
源流に持っていきたいベイトフィネスロッド
スミス BST-EXS43UL
スミス BST-EXS43UL(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)
全長 | 重量 | 適合ルアー | 適合ライン | パワー設定 | グリップ長 | 仕舞寸法 |
4’3″ | 69g | 1~7g | 2~6lb. | ウルトラライト | 248mm | 550mm |
これ、中古で格安購入したのに新品同様。
たぶん、渓流ベイトフィネスに挑戦したけどベイトリールの扱いに挫折してすぐに手放しちゃったんじゃないかな。
わかる、わかります、その気持ち。私も挫折しそうになりましたもん(笑)
でも、諦めずに練習して良かった。今ではベイトリールのテクニカルなところやそのアキュラシー性能に惚れ込んでます。
このロッドは、本山博之さんが開発を手がけたロッドです。
本山博之さんのことは詳しくは存じ上げませんが、元々はバスプロでその後いろんなジャンルの釣りをするマルチプロアングラーという肩書きで活躍されていました。
近年は、渓流ベイトフィネスやワカサギ釣りにも力を入れていて、登山もされていたそうです。
皆さんも映像や雑誌などで見かけたことがあるんじゃないでしょうか。
そんな本山博之さんが2018年10月に急逝されたそうです。
https://ameblo.jp/wakasagi-mount/
一人で磐梯山を登山中に倒れ、他の登山客の方の心臓マッサージ及び搬送された病院での蘇生措置の甲斐なく、帰らぬ人となってしまいました。急性心筋梗塞だということです。享年60歳。
ご冥福をお祈りします。
カルカッタコンクエスト BFS HGをセットしてみるとこんな感じ。
ブランシエラ5.2ULとコンクエストBFSはベストマッチな感じだけど、このロッドの場合ちょっとリールが重すぎる? まぁ、私は問題ないけど、ベストマッチという意味では軽量なアルデバラン BFS XG(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)の方が良いのかも。
スピゴッドフェルール(印籠継ぎ)で、継ぎ部分に位置合わせ用の小さな白点が打たれています。これ、地味にありがたい。フックキーパーも装備されてます。
グリップはブランシエラ5.2ULより手にしっくり馴染みます。
全長は4.3ft(約1.31m)という短さなので、藪沢なんかでも取り回しが楽です。
ガイド部にはイエローのスレッドが使われていて、ティップ部もイエローに塗られています。
キャスティング時のリリースポイントを把握しやすいように、暗い渓流でも見やすいカラーになっているらしいです。私はあんまりロッドを見て投げている感覚はないけど。
付属のロッドケースに収納する時は、まずブランク2本を差し込んでグリップ部はリールを付けたまま反対側に差し込みます。
ベイトリール用のカバー(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)を装着すればさらに万全。
このようにリッジラインパック30のサイドにリールを付けたまま装着できるので、源流域にも気兼ねなく持って行けます。
フライのパックロッドと両方持っていくことも可能なので、渓流泊釣行では楽しみが広がりそうです。
Beams ブランシエラ5.2ULとスミス BST-EXS43ULの比較テスト
ロッドに130gくらいの錘を付けて曲げてみました。
写真1枚目がブランシエラ5.2UL、写真2枚目がBST-EXS43UL。
ブランシエラはバット部はほとんど曲がらずティップ部がぐにゃりと曲がります。
BST-EXS43ULの方はバットが細く全体が曲がる感じです。
実際にロッドを振ってみると、ブランシエラはティップだけがグニャリと曲がってキャスト後のブレはすぐに収束してピタッと止まります。
BST-EXS43ULはロッド全体が曲がる感じで、キャスト後のブレはブランシエラほどピタッとは止まりません。ブランシエラよりバット部から細いけど張りがあり尚かつ全長が短いせいもあって軽く振っただけではブランシエラのようにぐにゃっと曲がらず硬い感じです。
BST-EXS43UL振ってみたら、ブランシエラの良さがわかった
川でキャスティング練習していた時の様子。
写真1枚目はブランシエラでD-コンパクトを投げる時。垂らしはほとんどゼロ(実際にはガイドにルアーが当たらない程度に1cmくらいにしている)で投げられます。
投げられますが、コントロールが定まらない状態でした。
そこで、写真2枚目のBST-EXS43ULを試してみたわけです。
上記した通り振った感じが全体に硬めなので垂らしを10cmくらいとってクルッと1回転させるような感じでルアーをリリースするとポイントめがけてルアーがすーっと飛んでいくじゃないですか!(その時の詳細はこちら)
4.3ftという短さでクルッと回してアンダーからルアーをリリースできるので、無駄な力を入れることなく滑らかな動きで投げられたのが良かったみたい。
その後、ブランシエラの柔らかいティップ部を同様にクルッと回すようにするのを意識してみたらピンスポットでルアーを入れられるようになりました。
今までは、投げよう投げようと無駄な力が入りすぎて全体のモーションがギクシャクしていたんだと思います。
悪戦苦闘の末、BST-EXS43ULのおかげでブランシエラでも問題なくピンスポットで投げられるようになりました。
無駄な力さえ入れなければ、ブランシエラの方がアキュラシー(コントロール性能)は高く同じルアーでも飛距離が出ます。
川で2本のロッドのトゥイッチング性能を比較してみよう
キャスティング練習の記事にmuraさんからコメントいただいて、ブランシエラ5.2ULとBST-EXS43ULのトゥイッチング性能の違いについて質問されました。
私はそれまで渓流ベイトフィネスロッドのキャスティング性能のみに着目していたので、これは興味深いとちょっと川へテストしに行ってきました。
テストをしたのは解禁直後のまだ川岸に福寿草が咲き始めた頃でした。
持参したブランシエラ5.2ULとスミスBST-EXS43UL。
上記した通り、BST-EXS43ULはリールを装着したまま短く収納できるんですが、ブランシエラ5.2ULも写真2枚目のようにリールを装着したまま収納できるソフトロッドケースが販売されています。Fishman ショルダーソフトケース Ver.2(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)
ブランシエラ5.2ULもこの形でバックパックサイドに装着して渓流に持って行けます。
午後3時頃に川に到着。
まだ2月だったのでこの時間になるともう川は日陰になってきて寒々。
まず上流に向かってアップでルアーを投げてトゥイッチングしてみよう。
ルアーはシルバークリークシャッド50Fと、スピアヘッドリュウキ50Sで試します。
ベイトフィネス用のリールは一つしか持っていないので、カルカッタコンクエストBFS HGを2本のロッドに付け替えながらテストします。
アップで投げてトゥイッチングする場合は水の抵抗がそれほどないので、どちらのロッドでもそれほど問題ないです。
BST-EXS43ULの方が短いので取り回しが良いです。
問題は下流に向かってダウンで投げて逆引きする場合。
トゥイッチング時にかなり水抵抗を受けます。
BST-EXS43ULはバット部から細くてロッドパワーがないので、全体が曲がって力を吸収してしまいルアーにうまく力が伝わりません。かなり大きくロッドを操作しないといけないです。
ブランシエラ5.2ULはティップが柔らかいので、こちらも逆引きだとルアーにトゥイッチングの力を伝えにくいです。
ただ、バットが太くて硬いのでバット部を平行に動かすようなイメージでトゥイッチングすると良い感じにルアーに力が伝わります。
どちらのロッドもキャスティングのアキュラシーに重点を置いているので、トゥイッチングに特価したロッドではないですが、アップからアップクロスでは特に問題なく、逆引きではロッドパワーのあるブランシエラ5.2ULの方が使いやすいです。
トゥイッチングに特化するならもっと硬いロッドが良いことになりますが、そもそも硬いロッドで渓流ベイトフィネスのキャスティングが成立するのかどうか、この2本以外のロッドを振っていないのでわかりません。
低水温の中、ルアーに食い付いたアマゴ
この時にはブランシエラ5.2ULのキャスティングにもかなり慣れてきていたので、護岸から張り出した灌木の根元にルアーをピンスポットで投げられるのが楽しくてしょうがない。
魚さえいれば釣れるのになぁ。
このブロック堰堤の下でルアーを白泡際に落として軽くトゥイッチングしながら巻いてくると、追走してきたアマゴが黄色丸印でヒット。
ところが、かかりが浅く直後にばれちゃいました(T_T)
その後何度か投げてみますが、もうアマゴは出てきませんでした。まだ水温が低い2月の夕方にルアーに反応してきたのにビックリ。
渓流ベイトフィネスは、狙った狭いポイントに低弾道でソフトにピン打ちするのが肝。そんなポイントはルアーを引ける距離も短いから、引き抵抗のあるシャッドやスピナーをタダ巻きするのが基本なのかも。
この写真のような堰堤下の広いポイントはトゥイッチングできるけど。
BST-EXS43ULはルアーの垂らしを10cmくらいとらないと上手く投げられないと思っていたけど、先日の釣行でちょこっとベイトフィネスのキャスティングをした時に垂らしゼロで投げてみたら2.5g以上あるルアーなら問題なく、というか垂らし10cmくらいにする時よりもビシッと狙ったポイントに打てます。
メーカーでは「1gのルアーでも垂らしゼロ投げられる」と謳っているけど、うーん、それはどうかなぁ。少なくとも今の私には無理だし、もし可能だとしてもそれは極近距離のキャストになっちゃう気がします。
ともかく、このロッドでもルアーが自在に投げられるようになったので、次回はこれを持って出かけようと思います。楽しみ(^_^)
コメント
この比較対象実験こそ、リコプテラさんの真骨頂。^^
ホント、いつもながらの探求心に頭が下がります。
今シーズンは、楽しみなことが多そうですね。
kuniさん、こんばんは。
何でもそうですが、違う物を二つ使うとそれぞれの特徴とか長所短所がよくわかりますよね。
探究心があることは確かですが、それが却ってあだになることも多いという(笑)
渓流ベイトフィネスロッドを1本しか持っていない時はかなり手こずりましたが、違うロッドを振ってみたら、両方ともうまく投げられるようになりました。
楽しみの種類は増えたんですが、それを楽しむ時間が足りません(^_^;)
おはようございます。
何事にも研究熱心ですね、文章もお上手ですし行動的ですので釣り具メーカーのテスターとして仕事されたら成功されるといつも思っています、いよいよ山も川も良い時期になってきましたね。
ハックル70さん、こんばんは。
研究熱心なのは確かですが、文章力はそれほどではないのです(笑)
行動力もありますが、それが災いのもと(苦笑)
メーカーのテスターって魅力的かも。でも変なしがらみができて、自由にタックルを選べなくなるかもしれないですね。
川は毛鉤、山は山菜が楽しめる季節になりましたね。葉ワサビも採り頃になりました(^_^;)
こんにちは、トゥイッチングの実験ありがとうございます。
私の住む地方も4月1日に解禁を向かえ、無事に新調した
ブランシエラを試すことができました。昨年1年間はスミス
BST-EXS47ULを使用していましたのでその辺の私なりの
比較もここで記させていただきます。
BST-EXS47ULは竿を振ったときにブレが収まりづらいのは
たしかです。ただ、キャストにおいてそれが気になりミスを
犯すようなことはありませんでした。リコプテラさんの言うとおり
バットが柔らかいので、キャスト時にバットにルアーの荷重を
乗せることが容易で、慣れるととてもアキュラシー性が高いロッド
だと思います。ほんとにピンによく決まりました。
ただ、前述のようにとても柔らかいロッドなので、トゥイッチした時
にロッドが吸収してしまいルアーにうまく力がかけられず、思ったような
動きをしてくれないのが不満でした。(私個人の感想ですが)
キャストに何の不満もなかったのですが、以前コメントさせていただいた
とおり、私はトゥイッチを多用するので、その部分を補えて尚且つ
アキュラシー性能の高いロッドを模索する中、検討したのがブランシエラ
だったのです。解禁を過ぎ、ブランシエラ5.2ULはまだ3回しか使用
していませんが、トゥイッチに関してはバッド部の太さから、ロッドの
動きをBST-EXSよりはうまくルアーに伝えることができ、私の求める
トゥイッチに近くなりました。(BST-EXSに比べて)
ただ、いまのところ、キャストしやすいのはBST-EXSの方なんです。
たぶん慣れだと思います。キャストを重ねるごとに上手くなると思って
います。それと5.2ftという長さも私にとっては長いです。
アンダーでキャストする際、水面HITが何回もあり、水中に深めに入ると
バックラしてしまうことも数回ありました。
なかなか上手くいきませんが、これから使いこなしたいのはブランシエラの
方なのでしばらくの間練習しようと思っています。
リコプテラさんの所有するタックルが私と同じだったので質問させていただき、
さらに実証実験もしていただき御礼申し上げます。
とても参考になりましたし、同じタックルであるため親近感が(勝手に)沸いて
しまいました。今後ともよろしくお願いします。たまにコメントさせて
いただきます。ありがとうございました。
muraさん、こんばんは。
参考になるコメント、ありがとうございます!
私はブランシエラ5.2ULから入ってかなり悪戦苦闘したので、BST-EXSを最初に振った時はあまりにもあっけなくピン打ちできたのでびっくりしました。
BST-EXSを振ったことでブランシエラの個性がよくわかるようになり、そのおかげでブランシエラでもピン打ちできるようになり、私の場合は今のところブランシエラの方が正確にピン打ちできます。ただ、BST-EXSもコツを掴んできました。
おっしゃる通り慣れの問題なんだと思います。
私はBST-EXSは43なので、それを振った後はブランシエラの5.2ftは長く感じますよねー。私も水面を叩くことがあって、立ち込む場合は完全なサイドキャストで対応しようかと思っています。
今後も私は両方のタックルを使いますので、わかったこと、わからないことは随時ブログに書いていきます。
渓流ベイトフィネス、私は初心者なのでこれからもいろいろ教えて下さい。
コメントはいつでもお気軽にどうぞ(^_^)
ベイトタックル使いこなせたら手返し良く遡行できて良いですね。手でボール投げ込むかのように狙い通りピンポイントに直撃出来だすと釣果も違ってくるでしょうね。
Nori1022さん、こんばんは。
そうなんですよ。ベイトタックルは低弾道でピン打ちできるアキュラシーの高さも魅力なんですが、スピニングタックルに比べて手返しが良いのも重要ポイントなんですよね。
ロッドが手の延長のように使えるようになれば、本当に釣果が上がると思います。私の場合、まだまだ修行中ですけども(笑)
フライで手が出せない増水時なんかに大物つれないかなー、と妄想中。
このタックルなら、フライフィッシングで引っ掛かりそうな山岳渓流でも投げられそう。パッキングもいい感じですね。私は明日、ダムの予定です。
Kさん、こんばんは。
頭上を木々が覆い茂るようなところとか、バックスペースが全く取れないような場所でもすぱーっと投げられるので他のどの釣り方よりも有利に攻められる場面も多々ありそうです。
背負ったバックパックのサイドに装着できる仕舞い寸法なのはほんとに便利なんですよね。私は欲張りなのでフライのパックロッドとどちらも持って行ってます。
ダムの釣り、楽しめたでしょうか(^_^) ルアーかな?
おはようございます。
こんなんを読んでいると、藪下なんかはチョウチンよりもむしろ自由に狙えそうですね。
魚が集まる水面との距離が少しの藪下が狙えたら、一気に釣果があがるでしょう。
とはいえ、腕あってこそで、誰にでも藪下ピンポイントが狙えるわけでもないんでしょうね。
マンボウさん、こんばんは。
そうですね、藪下は長竿の提灯釣りよりも有利かもしれません。
私はまだ修行の身なので時々ミスキャストもしちゃいますが、百発百中で投げられるようになれば、他のどんな釣り方よりも難しいポイントを攻められそうな気がします。
スピニングリールに比べて最初はかなり手こずると思いますが、コツを掴めばベイトリールの方がむしろ簡単に誰でもピンポイントを狙えるようになると思います(^_^)
お早うございます。
何と本山さんが亡くなられていたとは…
まだお若いのに山で心筋梗塞って、我々も他人事ではすみませんね。
バストーナメントで活躍された記憶が今もたくさんあります、合掌…
ルアータックル、大きな淵や滝壺が連続する場所ではいつも欲しくなってます。いやいや、これ以上の散財はマズイ(笑)
七流釣師さん、こんばんは。
本山さんの件、私もビックリしました。
とてもバイタリティーのある人とお見受けしていたので、本当に突然といった感じですよね。
普段元気でも、事故や病気は突然襲ってくるので確かに他人事ではないですね。
私もフライフィッシングの時に、どうしても手が出せない滝壺や大淵に出くわして指をくわえて見ているしかない状況が何度もあり、渓流ベイトフィネスに手を出してしまって散財しているわけでございます(笑)
この手のルアー釣りは全く知識も経験もありません。^^;
スピニングリールのルアーは投げることもあるのですが道具の知識ゼロ(笑)
なんとなく楽しそうとは思うも手を出す余裕が・・・リコブテラさんのを見て楽しみたいです。
幻の渓流師さん、こんばんは。
スピニングリールのルアー釣りをされているなら、基本的に釣り方は同じですよ。
ただ、ベイトリールだとスピニングリールよりもピンポイントでルアーのコントロールをできるので、自分の思い通りの攻め方ができます。
私がデカい魚を釣り上げるのを見れば、手を出す気になるかも(笑)
デカい魚を釣り上げられるかどうかはわかりませんが(^_^;)