新年早々、生ゴミの話題ってのもなんですが、昨年の夏頃に実家の畑の隅においてあるコンポストの中にハエの類いが大量発生してしまい、母親が「この虫なんとかならないのかなぁ・・・」と頭を悩ませていたんですよね。
ホームセンターにコンポスト用の防虫剤を売っていて、それを使ってみましたが効果は限定的かつ一時的。
コンポストってこんな感じのやつね。写真はつい最近撮ったので周りにうっすら雪がありますが。
これに生ゴミを日々入れていけば、堆肥になるってやつですが、これが夏〜秋にかけて虫だらけになっちゃうんですよ。
この際、前から気になっていた段ボールコンポストというのを作って試してみることにしました。
虫も臭いもシャットアウト|段ボールコンポストを作ろう!
二重段ボール箱とクラフトテープで簡単に作れます。
微生物には好気性の発酵菌と嫌気性の腐敗菌があって、生ゴミの成分を栄養素に転換させるのは好気性の発酵菌です。
従って、通気を良くして微生物が活発に分解してくれるようにするために、段ボールは最適です。
そして、紙製のクラフトテープを使うのも重要です。
用意する物
- みかん箱、りんご箱など二重段ボールの箱
- ココピート(ピートモス)…18L
- もみ殻くん炭…18L(うち、使うのは12L)
- 風通しの良い網目状の台
- 移植ごて
- 虫よけキャップ(古くなったTシャツで自作、または段ボールで自作)
ホームセンターに行って、りんご出荷用の段ボール(15Kg用)を購入。
サイズは約L44×W38×H31cmですが、大体このくらいの大きさの箱なら大丈夫です。
うちの辺りはリンゴの産地なのでホームセンターにこんな箱を売ってますが、入手しにくい地域もあるかもしれないですね。
とにかく二重段ボールで上記サイズくらいなら何でも良いです。
クラフトテープ(紙製のガムテープ)で底面をこんな風に貼ります。虫が入り込まないようにしっかりと目貼りします(重要)。
ホームセンターに行って、ピートモスともみ殻くん炭ぞれぞれ18L入りを買ってきます。
参考にさせてもらった名古屋市の段ボールコンポスト紹介ページではココピート(ココヤシの中果皮を粉砕して作った有機培土)を使用するように書いてありますが、ホームセンターで入手しやすいピートモスにしました。
ココピートは百均で売られているところもあります。
大きなタライ(混ぜられる大きさなら何でも良いです)に、ピートモス18Lともみ殻くん炭12Lを入れ移植ごてでよくかき混ぜます。これがコンポストの基材になります。
これを段ボールコンポストに入れます。段ボールの6分目くらいまでになるとちょうど良いです。
風通しの良い網目状のボックスを裏返して台にし、その上に段ボールを載せます。
古くなったTシャツを袖と首の部分を縫い合わせて虫よけキャップを作ります。これは母親に頼んで作ってもらいました。
蓋を閉め、虫よけキャップを被せたら完成です。
生ゴミを入れる時は、基材の真ん中に穴を掘って基材を被せておきます。
そして、次に生ゴミを入れる時には前日入れた生ゴミと基材をよくかき混ぜてから、また真ん中に穴を掘り基材を被せます。毎日これの繰り返しです。
生ゴミを貯めておいて一度にたくさん入れるのではなく、毎日または一日おきくらいにこまめに少しずつ入れるのが良いです。
一回に入れる生ゴミの量は500〜800gが適量です。それより少ない分には問題がありません。
普通の四人家族くらいならこの段ボールコンポスト一つで3〜6ヶ月使い続けられると思います。
生ゴミはしっかり分解されると嵩が減るので、不思議なくらい段ボールの中身は増えません。
実家の場合、畑で必要以上に野菜を作っていて常に野菜を大量消費しているので野菜クズの量が半端ありません。
段ボールコンポスト一つでは間に合わないので、もう一つ作ることにしました。
今度は虫よけキャップは段ボールでこんな形に作ってみました。
これの方が開け閉めも簡単で良いかも。
とにかく、小さな羽虫も入り込めないようにしっかりと蓋ができることが肝心です。
風通しが良い雨の掛からないトラクター小屋に設置して3ヶ月。
ポリカーボネートの波板越しですが、陽当たりも良いです。
母親によく説明して、一日おきに生ゴミを入れては攪拌を繰り返し3ヶ月ほど経ちましたが、中身の体積はさほど増えず順調に微生物が分解してくれているようです。
今のところ臭いや虫に関しても問題ないですが、寒くなってきて分解スピードが落ちているようなので廃油や米ぬかを少し加えてみようかなと思っているところです。
段ボールコンポストの注意点
投入して良い物、悪い物
○コンポストで分解されやすいもの
・炭水化物(ご飯、パン、麺類)
・野菜、果物
・卵の殻
・魚、肉類
△コンポストで分解されにくいもの
・タマネギの皮、トウモロコシの皮、タケノコの皮など
・生米
・魚や肉の骨
・果物の種
✕コンポストに入れてはいけないもの
・貝殻
・割り箸や爪楊枝
・腐った生ごみ
・ビニール類
- なるべく細かくしてから入れると分解が早くなります。
- 廃油、魚のあら、炭水化物は微生物の分解促進になるが、入れすぎないように。
置き場所はどこが良いのか
- 雨に新しい場所に置く。
- 風通しの良い場所に置く。
- 可能であれば日当たりの良い場所に置くのが良い。
- 集合住宅のベランダへの設置も可能。
温度管理
- 微生物が順調に分解していると、段ボールの中身が20℃から40℃程度になります。
- 寒い季節は微生物の働きを助けるため、日なたなど暖かい場所に置いて、廃油や米ぬかなどカロリーの高いものを時々入れると良いです。
虫対策について
- 台所の生ごみも蓋付きゴミ箱を使って、虫に卵を産ませないようにする。
- 段ボール箱はきちんとクラフトテープで目張りし、虫よけキャップをかぶせて虫に卵を産ませないようにする。
※白くてふわふわしたカビが発生することがありますが、失敗ではありません。そのまま続けることができますので、よくかき混ぜてください。
においが気になる場合について
- 通気性が悪くなっている可能性があります。移植ごてを縦に差し込んで切るようにして、しっかりと空気を送り込みましょう。
堆肥として使用するための準備(熟成)
熟成の必要性
- 段ボールコンポストへの生ごみ投入を終了した時点では、堆肥ではありません。
- 未熟な堆肥をそのまま土の中に入れると、土の中で熟成がはじまり、植物の根を傷めることがあります。
熟成の手順
- 一週間に一回程度1Lから2Lの水分を加え、基材全体をよく混ぜて分解を促進します。
- 熟成期間は、夏期で2週間から1ヶ月、冬期で1ヶ月から2ヶ月程度で、生ごみの形がなくなり、水分を加えても温度の上昇がなければ熟成完了となります。
出来上がった堆肥は、土と混ぜて(土を半分以上にする)にして畑やプランターの野菜栽培用土として使えます。
段ボールプランター まとめ
段ボールプランターは誰でもお手軽に作れます。
虫や臭いもシャットアウトできるので、集合住宅などのベランダに置くこともできます。
出来上がった堆肥は、土と混ぜて野菜の栽培用土として使えます。
小学生でも作れるので夏休みの自由研究にもお勧めです。ぜひ、皆さんも作ってみて下さい。
コメント
おはようございます
実に守備範囲が広くていいですね。
コンポストまでやってしまうとは大したものです。
畑でも野菜くずの処理は困りもので、コンポストを使っている人や、乾燥~焼却する人など様々で、私などは横着にそのままで土に鋤き込む横着者です。
言われるように、未熟堆肥のままで困るのも往々です。
マンボウさん、こんばんは。
守備範囲が広いというか、いろんなものに手を出すという言いますか(笑)
段ボールコンポストというのは前から見聞きしていて、簡単にできそうだし面白そうだなと思っていたんですよね。
実家のすぐ横にも畑があるので、昔は藁を積んでそこに生ゴミを捨てて堆肥にしていました。最近は樹脂製のコンポストにしてたんですが、夏場の虫が凄くて母親が愚痴ってるので段ボールコンポストを試してみたわけです。
うまく熟成できて良い堆肥ができれば嬉しいですけども、どうなりますか (^_^)
おはようございます。
私も以前やっていました、木で箱を作ってやりましたがピートモスと米ヌカでしたね、発熱さえしていれば虫は付きませんが、ちょっと箱が大き過ぎたため撹拌が不十分だとすぐに虫が付きましたね、廃油は発熱の促進にはなります、もう今はズクが無くなって畑に溝を掘って埋けています。
ハックル70さん、こんばんは。
そうですか、ハックルさんもコンポストやってみたんですね。基材は米ぬかでも良いようですね。
最初は良いですが、うまく管理するのはなかなか大変かもしれませんね。
私は秋口に作ってすでに3ヶ月ほど経ちますが、今はこの寒さなので虫は全くいませんが、今度は寒すぎて分解があまり進まなくなっているのが心配です。
廃油や米ぬかを投入して様子をみようと思っているところです (^_^)
堆肥って、実は相当に奥が深いですよね。
仕事柄、去年の夏から勉強していますが、色々とホントに難しい・・・
kuniさん、こんばんは。
私も今までは「生ゴミなんて畑の隅に捨てておけば自然と分解されるでしょ」くらいにしか思っていませんでしたが(笑)、相手が生き物(微生物)なので、ちゃんとした堆肥にするには条件を整えないといけないですよね。
そうか、kuniさんは今はそういう方面も考える必要がありましたね (^_^)
実家の段ボールコンポストは厳寒期になってきて分解能力が落ちてきているようです。廃油&米ぬかを追加したところですが、設置場所があまりにも寒すぎる気も・・・暖かい季節が待ち遠しいです。