実家の山でカヤの木らしきものを見つけたので作ってみようと思った天然木タモ。
あれからどうなっちゃったの? と思っていた方もいるかも。
切ってきて(昨年の7月頃に切ってきたけど本来は冬に切るのが良いらしいです)皮を剥いて乾かし始めたのは良いけれど、まずこの木はカヤではなくモミだという事実が発覚。タモ作りに最高なのは立ち枯れしたネズミサシの木らしいですが、モミでも作れないことはなさそうなので、そのまま続行してみることにしました。
皮を剥き、枝を曲げて円くしてぶら下げて乾燥。それから冬を越してかれこれ9ヶ月ほどが経過しました。これ以上乾燥させるとひび割れてしまう気もするので、重い腰を上げて次工程に着手。
天然木でタモ作り|枝を仕上がりサイズに曲げて接着
この状態で9ヶ月ぶら下げておきました。大丈夫ですかね。
縛っておいた紐を解いてみると、とりあえず円い形に癖はついています。
こういう時はエポキシ系接着剤でごまかすしかない。ランディングネット作りでエポキシ接着剤の強力さは実感しているので、こういうのを修理するのには最適なはず。
縫針の先を使って割れたところに接着剤を押し込みます。
エポキシ接着剤はポリエチレンを接着しないので、ラップでグルグル巻きにして、さらにその上を荷造り紐でグルグル巻きにして固定。
タモ枠の径をもう少し小さくしたいので、鍋に湯を沸かし蒸気を当てながら少しずつ力を加えて曲げてみます。これ、9ヶ月も放置しておかないで、途中でやっておけば良かったな。
仕上がりサイズを想定して枠を曲げ込んで固定
枠をさらに曲げ込んで荷造り紐で固定。このまま、また2ヶ月間ぶら下げておきました。
枠径は市販品の替網のサイズに合わせようと思います。タモの替網はshimizu(シミズ)というメーカーのものが良さそうですが、目が細かいので結構なお値段なんですよね。しかも在庫切れが多い(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)。
そこで今回は、river peakから販売されているラバーコーティングネットを使ってみようと思います。
オーバル型(卵形)だけど、うまく取り付けられるかな。その段階で難しければ、またリリースネットを裁縫して取り付けるという手もあるし。
river peak 交換用ラバーコーティングネット
(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)
これのSサイズ(外周90cm)のものを取り付けようと思います。XXS〜Lまで全5種類ありますが、Sサイズで858円ととてもリーズナブル。
渓流用なら25cm径に仕上げるのがおすすめ、とハックル師匠からアドバイスいただいていましたが、すでに枠のひび割れ箇所が発覚しているので、これ以上曲げ込んで小さくするのは難しいと判断して、枠径約28.5cmに仕上げようと思います。
2ヶ月経って紐を解いてみると、補修箇所は強度的には問題なさそうです。
横方向だけ一本紐を掛けて、最終的な仕上がりの形に近づけます。
節の部分には乾燥防止のためにガムテープを貼っていましたが、ちょっとひび割れてますね。まぁ、大きな問題はなさそうなのでこのまま進めます。
枠になる細い枝の部分は茶色い部分はヤスリ掛けして削り落とすつもりです。
接合面を斜めに切って接着剤塗って固定
さて、いよいよ枠を接着して円くします。
仕上げる形に荷造り紐で固定します。接着する部分は特にカーブを合わせるようにしてしっかり固定。
斜めにと言ったってまっすぐ線を引くことすらおぼつかないので、フリーハンドでなんとなく線を引いてみました。大丈夫かね、こんなんで。
枠にする枝の余分を切って斜めに切るテストをしてみます。
当て木を置いた上に枝を置き、斜めに切ります。
意外とうまく切れるじゃん。これならなんとかなりそう。
さて、本番です。
枠にする枝の両側を、先ほど引いたフリーハンド線に沿って斜めに切ります。
目の細かい小さいノコギリを使わないと難しいと思います。
SK11ミニ両刃鋸(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)
これは一般木工用と竹&プラスチック用の両刃仕様で今回のような細かい作業には最適です。
切れ味も良いですよ。
上手く切れたつもりだったんだけど、調子に乗って少し強引にノコギリを動かしたせいかちょっと割れちゃいました。これは接着すればなんとかなるか。
両方の切り口をナイフで微調整。
接合面にエポキシ接着剤を塗って、ポリエチレン製のラップでグルグル巻き。
その上を荷造り紐でしっかり力を掛けてぐるぐる巻きにして固定。
柄をナイフで少し削って整えました。
この状態で一晩置きます。
木工パテを使った修繕とヒートンの埋め込み
一晩おいて、荷造り紐を解いてみます。なんとか接着できたようです。
全体にサンドペーパーの#180をかけます。特に枠の部分は茶色い木質を全部落として全体に白木に状態になるようにしました。
その後、サンドペーパーを#400、#800に替えて全体を滑らかにしました。
接合箇所はこんな感じです。
実はちょっとずれて接着した感があるんですが、まぁこれは得意のごまかしでなんとかします。
少し長めのままにしておいた柄。
実際の仕上がりサイズでカットしました。
柄の元にある節、これもちょっとひび割れてますがこのまま続行。
塗装工程を考えた時に問題になるのは、どこを持って塗れば良いのか、ということ。
最初は良いけど、最後の方はどうするんだろう?
柄の端に鹿角を付けているのをよく見かけますが、あれなら鹿角部分を持って塗っていけるからいいよね。
ただ、私は今鹿角の在庫がないし、この際ランディングネットと同じように柄の底にヒートンを埋め込んじゃおう。
柄の底には年輪が見えますが、当然ながら年輪の中心は柄の中心からずれています。
柄の中心にキリで下穴を開けます。
ドライバドリルを使って6mmの穴を開けます。
穴径は良かったんだけど、深くなりすぎちゃって、またしてもウッドパテの登場。
穴を少し埋めます。
少し怪しい枠の接合部にも厚めにウッドパテを塗ります。
写真2枚目は一晩置いて硬化した状態。
やすりがけをした接合部。ウッドパテの色合いが元の木とほぼ同じなのが幸い。
ヒートンもしっかり接着できました。ちょっと深く入りすぎた感がありますが。
いろいろ失敗はありましたが、なんとか塗装前の成型まではできました。
次は塗装工程です。上手くいくかわかりませんが、ともかく今回は最後まで突き進んでみます。
・・・つづく。
コメント
>あれからどうなっちゃったの? と思っていた方もいるかも。
リコプテラさんのブログは記事の内容が多彩で、アップ頻度も高めなので正直言ってボクは忘れてました。(笑)
と言うか、寧ろとっくに作り上げていらっしゃると思っていました。
良い感じの途中経過じゃないですか。
kuniさん、こんにちは。
タモの件、忘れていてくれてありがとうございます(笑)
しばらくほったらかしにしてあったので、自分の中ではちょっとした罪悪感があったりて。
良い感じなのか微妙ですが、とりあえず実用品としてはなんとか形になりそうです。
おはようございます
和タモって言うんでしょうか、根気の固まりですね。
鮎釣人が腰ベルトに挿しているのって、絵になります。
でも、タモで受けるのって結構難しいなの爺さんです。
マンボウさん、こんにちは。
そうですね、これは和風のランディングネットです。
根気が必要ということに関しては、以前に作った洋風のランディングネットの方が上だと思いますが、自然木を使って作るこのタモは曲げたり接合したりがかなり難しいです。
川幅の広い本流ではタモが必要ですが、源流部だとタモを使う場面も少なくなりますよね。