天竜川水系の渓流解禁になってから早半月。木曽川水系も3月1日に解禁となりました。
そしてこの日も午後は仕事なので、午前中だけの予定で釣りにいそいそと出かける釣りバカなのでした。
天竜川水系の解禁日は絶好調でしたが、木曽川水系は果たして読み通りの釣りが展開できるでしょうか。
晴れているのにびしょ濡れ|木曽川水系 ワサビ沢
※ワサビ沢というのは私が勝手に付けた名前で、木曽川水系味噌川上流の禁漁区ワサビ沢とは全く別の川です。
放流場所をこっそり教えるのはルール違反
渓流釣りの解禁日というのはちょっと特殊で、とにかくどっと人が訪れるのでどの川に行くのかがとても重要になります。
木曽川水系に限らず漁協が解禁直前に放流する川では同様に言えることですが、漁協の中で放流に携わる人が、放流場所を親しい人にバラしてしまうんですよね。そうすると、そこから情報が広がって、解禁日には放流したポイントに人だかりができているなんてこともしばしば。
特に木曽川水系の解禁日には釣り人が並んで釣り堀状態になっているのに出くわしたことが何度かあります。
他県では、釣り堀状態になるのを前提に決まった場所に毎年放流して公表している漁協もあるようで、それはそれでまあ良いとしても、放流場所を非公開にしている漁協の場合は、放流ポイントをバラしちゃダメでしょ。情報を知らされていない組合員や入漁証を購入している一般釣り人全てが公平でなくては。
組合員の放流作業はほとんどボランディアでやってるんだからそのくらいは役得でしょ、という感覚のおっちゃんたちが多い気がしますが(実際に木曽では秘密の放流マップを俺は持っていると自慢げに話してきたお爺さんがいました笑)、それは完全にアウト。
それが許されるのは、いいところ学生時代の同窓会の幹事までじゃないですか。
身近なところから始まって果ては政治家のお金の問題まで、その「役得」という感覚が根本にあるんじゃないですかね。
その役をやっているからといって、正規の報酬以外の利益を得てはいけません。
未明からのみぞれ、これで本当に晴れるのか。
話がだいぶ脱線してしまいましたが、ともかく釣りに出発したのですが…
未明からのみぞれがまだ止みません。
9時頃から晴れてくるという予報を信じて突き進みますが、ほんとに晴れてくるのかね。
駐車場所に到着する頃には本当に日が射して来ました。そそくさとウェーダーを履いて完全防寒スタイルで笹藪の斜面を川へと降ります。
この沢はここ数年あまり放流されなくなった印象なんですよね。だからだと思いますが、今日も積もった雪には誰の足跡も付いていません。
湿った雪が積もっているので、フェルト底だとツルツル滑って怖い。とにかく慎重に。
慎重に足を進めたつもりでしたが、川岸に到着する寸前に落とし穴(木の根が張りだした穴)に足を突っ込んで派手に転倒!
背負っていたバックパックを立木に強打し、脛も強打。
下手すると骨折だぜ、これ。ヤバいヤバい。
なんとか川岸に辿り着き、タックルを準備。
写真撮り忘れたけどタックルはこのところいつも使っているリバーピーク JP6 7636+オービス バテンキル クリックII。ラインはDT-3F、6X9ftリーダー。マーカーを付けて、いつも通りグレーニンフ#14を結んで。
午前9時、気温6℃、水温4℃。釣りスタート。当然淵を中心に攻めます。
見るからに釣れそうな雰囲気ですが、確か昨年はここでは1尾も釣れず。
解禁一番乗りで入っているにも関わらず、今日もここで釣れなければ放流されてないってことだと思う、たぶん。
で、何度キャスティングを繰り返してもアタリがないわけですよ。うーん。
手前の大きな巻き返しは諦めて、流心奥のタルミを流すとやっとアタリが。
木曽川水系、今シーズン初のアマゴ。
まだ少し錆びていて、直前放流のアマゴではないですね。とりあえず、今日も「解禁日に一尾釣る」という目標は達成!
今冬は雪が少なく2月までは暖かかったんですが、今朝方降ったみぞれのせいで岸辺に雪がどっさりあって寒々しいですね。
雪のせいで岸辺も滑りやすくて危ないです。入渓時に転んでしまったので、慎重に遡行。
春先の有望ポイントである堰堤に到着。
ここではきっと釣れると思うけど、はやる気持ちを抑えてここでお昼を食べることにします。
食べられなかった豚キムチ
マイクロマックスULとアルミパーソナルクッカーで炊き込みご飯、チタンパーソナルクッカーでは味噌汁を作ります。
いつものように二段重ねにして、ご飯を炊きながら上クッカーにも熱を通します。
とんでもなく不安定なことやってると思うでしょうが、ガス缶に緑の脚を付けているので、慣れると簡単にバランスが取れます。
つめかえ君を使ってホームセンターのCB缶から詰めたガスの残量が少ないせいと、堰堤側からの強風で炎が安定しません。急遽石で風防を作りましたが、なんとも頼りない炎。
晴れては来たけど、そのせいで頭上の木々に積もったみぞれが溶けて降り注ぎ、体がびしょ濡れに。気温も低いことは低いと思うけど、それ以上に体感温度が低くて凍えます。
時間がかかったけど、なんとか蒸気がもくもく出てきてご飯は炊き上がりそうです。良かった、今日はお昼にありつけないかと心配したけど。
ところが、ご飯がなんとか炊けて味噌汁用の具材にしっかり火が通るか通らないかくらいの時点で火が消えてそれ以降、点火できなくなってしまいました。ガス缶にはまだガスが残ってはいるけど、寒さで気化できない模様。両手でガス缶を温めてみたけど無理っぽい。ご飯を蒸らしている間に、豚キムチを焼こうと思っていたけど、これは断念。
いや、時間をかければ流木を集めて焚き火をして調理するのも不可能じゃないですよ。でも、今日はさすがにそれをやっている時間はないです。白菜キムチと豚肉を混ぜて持って来たのにそのままお持ち帰り。
本日の渓流メシ
・鶏炊き込みご飯
・ブナシメジとニラの味噌汁
・はっさく
・食後の紅茶は飲めず
とにかく、炊き込みご飯が炊けるところまで火がもって良かった。味噌汁のニラはやや生っぽいし、火がないと食後の紅茶も飲めないし、予定がだいぶ崩れましたが贅沢を言わなきゃこれでも十分です。
やっぱり寒い時には頼れるMUKAストーブでなくては、と反省しきり。
頭上から雪解け水が降り注ぐし、気温が上がらないこともあり、震えながら食べましたが温かいご飯のおかげで体は温まりました。
もう少しだけ釣って帰ります。
川で育ったたくましい野生魚が釣れると嬉しい。
写真でみるよりは深さのある、小落ち込みの流心脇のタルミで良い反応が出ます。
本日のベストアマゴでした。
それほど大きくないですが、この川で育ったワイルドなアマゴです。
どうやらこの沢の今日歩いた区間には放流がされていないようで、解禁日でもそれほどの釣果にはなりませんでしたが、その分、釣り人が押し寄せるようなこともなくのんびり釣りができて、綺麗なアマゴが釣れたので良しとしましょう。
3月になって暦の上では春ですね。
日射しは日ごとに厚くなってきているようです。
なんて思っていたら、昨晩(3/5)また雪が降り、今朝起きてみたらうちの辺りは真っ白に。湿った雪なので、すぐ溶けるとは思いますが。
今冬は2月中旬まで雪が少なく暖かかったですが、2月下旬から3月になって寒さがぶり返しています。予報を見ると、この先最低気温が−7℃の日があったりするので恐ろしいです。
今年は桜の開花も早いかもなんて思っていましたが、ここへ来て暖冬の調整が入ってきたのかもしれません。ドライフライやテンカラで釣れる季節が待ち遠しいこの頃です。
コメント
おはようございます
ユッタリ穏やかな釣行って感じでエエですね。
魚達も、育ちが良さげな姿で、これまたエエですね。
それにしても、毎度の驚きです。
雪景色の中で、偽餌に魚が寄って、未だ動きが鈍い筈の魚が偽餌に飛び掛かれるなんて・・・。
マンボウさん、こんばんは。
気持ち的にはゆったりのんびりなんですが、今回は自然環境が過酷でした。
放流したての魚ではなく、この川で育った逞しさのあるアマゴが釣れたので釣行としては満足です。
今の時期はさすがに疑似餌に飛びかかるというほど動きは良くないです。
水生昆虫の幼虫を模したニンフというフライを魚の鼻先に流さないと釣れない感じです。
解禁というと放流場所に人だかりのイメージですが一人渓流釣りらしい釣りをできてとてもよいと思います。
しかもちゃんと結果も出されて素晴らしい。
毎度丁寧な文章も魅力です。
これからもよい釣りができますように。
サカガミさん、こんばんは。
解禁日の放流ポイントは人口密度が高くて、私はそういうところでの釣りが苦手なので、とにかく人が来そうもない場所を目指しました(笑)
結果はまぁマグレですけども。
いつも読んでいただきありがとうございます。いつも釣果はボチボチですが、楽しい釣りができるとうれしいです。
中々良いペースで釣りに行かれているようで♪
ボクもそろそろ来週の休みあたりで、気晴らし釣行に出掛けますか。
どこかでリセットしないと、自分のパフォーマンスが全力で出しきれないもんね。
kuniさん、こんばんは。
昨年が多忙であまり釣りに行けなかったので、今年はその反動でスタートダッシュをかけました(笑)
気晴らし釣行、ぜひ出かけて下さい。
メンタルやられてる時の特効薬はなんと言っても、魚釣りですから。
おはようございます。
木曽川はまだ雪が多そうですね、その中での釣り、ちゃんと釣っちゃうんですから流石です、放流方法も人手不足を理由に、とても渓流とは言えない、オラ方の川に放流し一部の人だけが釣っていると言う話を聞いた事があります。
工事が終わって魚影の復活を目的にしたような放流をしてもらいたいですね。
kitaさん、こんばんは。
今回の沢は里川と言えるような場所なので明け方からのみぞれが降らなければ、川岸の雪もほとんどなかったと思いますが、なかなか意地悪な天候です。
ニンフの釣りはウキを付けたエサ釣りのような釣りなので、まだあまり動きの良くない渓魚の鼻先に水棲昆虫の幼虫に似せたフライを送り込めればなんとか釣りになります。
放流してすぐに釣りきられて終わり、というような放流方法はやめて、川に魚が定着して自然繁殖の助けになるような放流方法を考えてほしいですね。