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川の神様が味方してくれた日|天竜川水系 テンカラ釣り

テンカラ釣り野外調理
この記事は約9分で読めます。

5月の下旬に訪れた時には激流で1尾しか釣れなかったあの川へ、梅雨入りも間近という6月の中旬に再度向かってみました。

前回は、病み上がりの(完治はしてないけど)久々釣行だったので、渓流メシを食べてコウモリソウ(オクヤマコウモリ)にも出会えたし、まぁ良しとしようという感じでしたが、今回はもっと魚を本気で釣ります。なぜかというと、実家のお隣さんがタケノコをお裾分けしてくれたので、そのお返しにイワナを何尾かお届けしたいのです。
そうなると、この川のどの区間に入るかが重要になってきます。前回は、取水口からの放水により上に行かざるを得なくなりましたが、今回は取水口下の水量が落ち着いているんじゃないかな。

体調不良も吹き飛ぶ好釣|天竜川水系麦酒川

※麦酒川とは私が勝手に付けた名前で実在する河川名ではありません。

いつもとは違うルートで川へと下り立つ

ゆっくり出発して、車止めに到着したのは9時頃。
地元ナンバー1台と県外ナンバー1台が停まっています。県外からの人は気合いが入っているはずななので、早朝から上へ上へと向かったはず。地元の人は取水口の下へ向かった可能性もあるけど、仮に先行者があったとしてもイワナの場合2時間も経過すれば釣りになるので、こんなに遅い時間からなら大丈夫でしょう。

川へ向かう杣道の途中、崖崩落箇所を通過しなければいけないんですが、前回かなり危険な状態だったんですよね。万が一斜面で足元が滑れば、奈落の底まで滑落必至。それに「万が一」どころか、砂の浮いた斜面で足を滑らせる確率はかなり高いように思える。
何か胸騒ぎがするので、今回は別ルートでアプローチ。

 
こちらのルート、山の斜面をつづら折りでくねくねと降りていけば林道に出て、取水口の下流側へ辿り着くので行きは楽なんですが、帰りがキツイんですよね。まぁ、帰りことは考えないようにしよう。

 
林道に出たので、さらに下流へ向かいます。
入渓点迷いますが、この辺りから入ってみます。今日はイワナをキープするつもりなので、真剣な目つきでポイントを凝視。いや、いつも真剣にやってはいるんですけどね(笑)

コントロール性能抜群の竿で源流イワナを狙う


竿はNISSIN ZEROSUM テンカラ 7 : 3 3207、SUNLINEぶっとびテンカラ レベルライン3号(楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る)を3.3m+FUJINO フロロテンカラハリス0.8号(楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る)を1mほど。仕掛け全長は4.3m。
毛鉤は、スギッパ巻きです。
このところのお気に入りの竿は NISSIN AIR STAGE 冨士流テンカラ3308 6:4 なんですが、今回はコントロール性能重視のZEROSUMで行きます。なんと言っても本気釣りですからね(笑)

さて、問題はこの区間に魚がたくさんいてくれるかどうか。それは神のみぞ知る。
よろしくお願いしまーす!

10時現在の気温19℃、水温10.5℃。
6月とは言え、このところ下界では30℃超えで、もう真夏なんですか!?と思うような日が続いていたのと山歩きで体が火照ったこともあり、川の水に浸かると生き返ります。


まずはこのポイントから。
淵尻の流れ出し付近に定位しているイワナは見えませんが、念のため毛ばりを打って魚の有無を確認。出ませんね…
今度は奥の流れ込みから淵へと送り込んでみよう。
流れ込みのザラ瀬からちょうどドン深になるところで食ってきました!
なんか最初から良い引きしてるゾ。


おぉー、最初のポイントでいきなりいいのが釣れたぜ!
でも、こういう時って往々にして後が続かないんだよね。


案の定、それから30分ほどはアタリがなく…
それでも、木漏れ日の渓谷を遡るのはとても気持ちいい。

 
左右落ち込みに囲まれたほんの小さな壺のようなポイントから出ました。

 
落ち込みからの白泡、向こう側の小さな巻き返し。
ここからも小さいながら出てくれました。

魚の反応は出てきたので、ちょっと休憩してお昼でも食べますかね。
大丈夫かな、そんなに余裕をかましてー
まだ喉というか肺というか、ともかく呼吸器系の不調は続いていて、気持ち的には本気釣りだけど体の方が付いてこない。

暑い日に渓流で食べる冷やし中華は最高です

 
マイクロマックスUL山フライパンの組み合わせで。
電子レンジである程度火を通して持って来たジャガイモとソーセージを炒め、塩とブラックペッパーで味付け。

 
アルパインクッカー16でお湯を沸かし、冷やし中華を作り、あとはインスタントのミネストローネ。
今日は簡単にできるメニューにしました。この後、マジで本気釣りしなくちゃなので。


本日の渓流メシ
・冷やし中華
・ジャーマンポテト
・食後の紅茶

渓流で食べる冷やし中華、最高です!
ジャーマンポテトは簡単にできて、ボリュームもあるのでアウトドアにお勧めの一品です。

さて、本日も満腹になって眠くなってきそうですが、今日はイワナを持ち帰るという使命があるので、気合いを入れないと。でも、まぁ、魚さえいてくれればそんなに慌てる必要はないです。

まさかこの時間にここへ釣り人がやってくるとは


さぁ、釣り上りますよ!
と、前方に見える林道をバックパックを背負った釣り人が一人下りてくるのが目に入りました。
えぇっ、こんな時間にこの辺りに来る人いるの?
遠くからしばらく見ていると、目が合った気がしたので手を振ってこちらから会釈してみました。すると、向こうも気付いたらしく、軽く会釈して踵を返し上流方向へと歩いて行きました。
やはりこの辺りから入ろうと思っていた様子。上へ向かったのはいいけど、まさか頭をはねられたりしないよね…

頭を刎ねる(はねる)とは?
渓流釣りは大規模な本流を除いて一般的に下流側から上流側へ釣り上って行くこのがセオリーです。
渓流魚はとても警戒心が強いので、他の人が釣り上った(岸際を歩いただけでも)直後に釣ろうと思ってもまず無理です。
なので、自分より先に川に入っている釣り人の存在に気付いていたら、その人より下流側に入るか、上流側に入るなら十分な(少なくとも1km、できれば2kmくらい)距離を開けて入るのがマナーです。
そのマナーを無視して、先に入っている釣り人のすぐ上流側に入ることを「頭を刎ねる」と言います。
先に入った人の直後では釣れない、と書きましたがしばらくのんびり休憩して時間を空けたり、先に入った人が狙わないような小さいポイントを攻めたりすれば、全く釣れないということはないので、大らかな心で下流側に入ればいいんですけどね。
上流側へUターンした釣り人を見送って、釣り開始。

 
まずは落ち込みの向こう側の巻き返し。沈み石の影から飛び出したイワナ。


プール尻、岩に囲まれて流れが狭くなる辺りで流れる毛ばりをくわえてギラリと反転するイワナが見えました。定位して流れてくる餌を狙うのにはちょうど良い場所です。
おっと、これも良い引きをしてますね〜


極上のイワナです! なんか調子良いです。


良型イワナをキャッチしてご機嫌なまま、何気なくそのすぐ上の大岩のぶつかりにも毛ばりを打ち込んで見たら、なんとまたイワナが食ってきました!
が、油断していてアワセのタイミングがずれたのか、ブルッと竿を震わせた直後バレてしまいました(涙)
気を抜いちゃいけませんね。先へ進みます。

ありがたいことに魚はたくさんいる


今日はいい感じの水量だし、天気も良くてとても気持ちがいいです。

 
浅瀬にもイワナは出ているようです。サイズは小さめのが多いですが。


大岩が入り組んでイワナにとっては棲み心地の良さそうな場所。
どんな複雑な流れの中にあっても、イワナは餌を捕食するのにちょうど良い水勢のところで定位しているんですよね。狙い通りに食ってきましたが、サイズは20cmほど。そして、掛かりが浅かったのか寄せてくる途中でバレてしまいました。


その左奥、大岩の影、落ち込みから白泡になった深み。
何度か打ち込んで毛ばりを沈め気味にすると、食ってきました。


この川は花崗岩が多くて川底は白っぽく水の透明度も高いので、白っぽいイワナが多いんですが、これは珍しく黒いイワナ。普段岩陰でじっとしてることが多いのかな。


全部紹介しきれないほど釣れるので、ちょっと大岩の上に寝転んで休憩します。下界では6月とは思えない暑さなので、沢に吹き抜ける風が心地よいです。
さっき下りて来た釣り人は、ちゃんとマナーがわかっている人だったようで、距離を開けて入ってくれたようです。ありがとうございます。

そう言えば、昨年の2泊3日イタチ谷釣行で、今回使っているテンカラ竿、7:3調子のZEROSUMと6:4調子のAIR STAGEを比較してみたんだけど、その時にはZEROSUMは確かにコントロール性能は良いんだけど、バラしが多かった印象でした。
今日もバラしはあるにはあるけど、いずれも小さい魚で、良型が掛かればバラしの心配は無さそうです。魚が掛かった後6:4は竿が満月を描くのも捨てがたいんですが。

 
こういう一段上の、落ち込みの肩。
低いポジションから魚に感づかれることなく毛ばりをポトンと落とすことができるので、魚さえいれば高確率で釣れます。
この「落ち込みの肩」と言われるポイント、イワナが捕食するのに極上の場所なので、そのプールに大きいのがいればここを陣取ることが多いです。
今回は小さいのが釣れたので、ここにはそれほど大きいのがいない可能性が高いです。

その後もこのくらいのサイズを何尾か追加。


岸壁と大岩に挟まれて幅の狭まったプールのヒラキ。
毛ばりを落とすと同時にガツンと食ってきました。毛ばりが空中にあるうちにすでに捕食体勢に入っていたかのように。
岩の下に潜り込まれそうになったので、竿をためて堪え、ちょっと強引に下流側に頭を向けて引っ張り出しました。サイズ良さそうです。


いいの釣れました! この川らしい色合いのイワナ。


その奥の流心脇のタルミ。
毛ばりを打ち込んで流れに乗せ、1、2、3で少しラインを張るとゴンっ、グイーンと白泡に向かって走られました!
なんかまた良型っぽい。とは言え、周囲に立木などの障害物が無いので思いっきり魚とやりとりできます。岩の下に潜り込まれないように竿を操り、無事ランディング。


さらにサイズアップ。尾ビレのしっかりしたきれいなイワナでした!

 
その後も魚の反応は良く、これ以上釣ったらバチが当たりそうな気がしてきたので、15時頃には切り上げることにしました。

タケノコのお返しのイワナ、喜んでもらえました!


というわけで、お隣へのお返し用と、親に食べてもらう分、ちょうど良さそうなサイズをキープさせてもらいました。出来過ぎで怖いくらい(笑)
以前も投網をもらったお礼用に釣ろうと思った時も好釣だったし、今回も私利私欲を捨てて挑んだのが良かったのかも。川の神様ちゃんとわかってくれているんですね、ありがとうございます!

胃袋の中身をちょっと確認すると、黒っぽい甲虫類や蟻が多いですね。
中には芋虫のような幼虫もいくつか見えます。いずれにしても、初夏以降は圧倒的に陸生昆虫を食べているということでしょう。
一つだけ選ぶなら、やはり黒い毛ばりですね。

 
日帰りの時は大体、以前紹介したこの釣りリュックを背負ってきます。
2気室構造で、下段にはいつも食材入れたり、今回のようにキープした魚を入れたりできます。
このままでも簡易クーラーとして使えるんですが、渓流用のクリール(魚籠)がそのまますっぽり入るので、保冷剤を入れて置けば新鮮な状態で魚を持ち帰れます。

帰宅後、お隣にイワナを届けたらとても喜んでくれました。
体調不良を押して釣りに出かけた甲斐がありました。

 
西の空から怪しい雲が湧き上がってきたので、足早に帰ります。
呼吸器系が万全じゃ無い身にとっては、この急斜面はキツイぜよ。
はぁはぁ言いながら、何度か途中で休憩しつつ登頂。


この白い四弁と六枚の葉が特徴的なこの花、クルマムグラ(車葎)というらしい。
近縁種で茎や葉の裏面中脈に下向きの刺状毛があるのは、オククルマムグラ。
この花もかわいらしいので覚えておこう。


汗だくになって車止めに戻ってくると、怪しい雲は消え去り遠くの青空には夏の雲がもくもくと湧き上がっていました。

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魚ココロあれば水ココロあり

コメント

  1. こんばんは。
    いつも楽しい釣行読ませていただきありがとうございます。イワナ天国ですね。
    来月は、参考にさせてもらい渓流伯を予定しています。本当は今週末も行こうかと思ったのですが台風では仕方ない。
    お体お大事に。

    • はるさん、こんにちは。
      いつも読んでいただき、ありがとうございます。この川は普段から水圧が強くて、釣行のタイミングが難しいんですが、条件がマッチすると期待を裏切らないありがたい川です。
      渓流泊いいですね! もし単独であれば、いろいろとリスクもあるので準備をしっかりして臨んで下さい。
      楽しい釣りになりますように。
      おかげさまで、体調だいぶ良くなりました。ありがとうございます。

  2. こんばんは
    昼食の前の、木漏れ日に覆われた渓、最高ですね。
    一時期はやったフィトンチッドと、マイナスイオン。
    その真否には眉に唾を付けても、爽快な山渓の空気と渓の音。
    今の時期は、イワナの活性も上がって、最高です。
    残り1ヶ月、楽しみませう。

    • マンボウさん、こんにちは。
      今年も猛暑でしたが(厳しい残暑もまだ続いていますね)、木々に覆われた谷はやはり涼しく気持ち良いです。
      昔、流行ったけれど最近聞かなくなった言葉、「フィトンチッド」と「1/fゆらぎ」。「森林浴」もあまり聞かなくなりましたか(笑)
      私は9月はいろいろと忙しいんですが、お互い渓流終盤楽しみましょう。

  3. おはようございます。
    良い釣りをされましたね、必要に応じキープする、最初良ければ後が続かないとか、最後にはなんとか辻褄が合うとか、私も良く感じる気持ちです。
    前回紹介の山菜、カニコウモリ、私の知っているウドブキと呼んでいる物と似て居ます、独特の香りがあって、茎が中空ですが、不思議な事に私の知っている範囲では一ヶ所だけに生えています、余り詳しくないので間違っているかもしれませんが。

    • kitaさん、こんにちは。
      久しぶりに会心の釣りができました。ありがとうございます。
      釣り人ならではの共感ってありますよね。
      コウモリソウの件、私が探し求めているヨブスマソウ(イヌドウナ)がまさにウドブキです。東北ではホンナとかポンナと呼ばれていますが、茎が中空になっているため折ると「ホンナ」とか「ポンナ」という音がすることから名付けられたそうです。
      kitaさんでも発生地を一箇所しかご存じないとなると、やはり中南信ではかなり稀少なんですね。

  4. >さて、問題はこの区間に魚がたくさんいてくれるかどうか。それは神のみぞ知る。

    いや、もう良い釣りされたことを知ってるので、神になった気分。(笑)

    >今日は簡単にできるメニューにしました。

    あの・・・充分過ぎるほど、充実したランチに見えるんですけど。^^;

    途中で出くわした釣り師さん、ちゃんとマナーを守ってくれる方だったようで何よりでしたね。
    これでも全ての魚の写真はアップされていないのでしょう?
    かなりの好釣果だったのですね。
    これは喘息のリハビリにも、良かったかも♪

    • kuniさん、こんにちは。
      そう言えば、良い釣りができたと事前告知してましたね(笑)
      イワナはたくさん釣れたし、渓流メシも食べられたし会心の釣行でした。

      昼食後に釣り人の姿を見た時は嫌な予感しかしませんでしたが、渓流釣りをちゃんとわかっている人だったのはありがたいです。良い釣りができたのは、この人のおかげと言ってもいいくらいです。
      良い釣りができれば大方の問題は忘れられますね。釣り人はバカなので(笑)
      おかげさまで、呼吸器系の調子はだいぶ良くなりました。ありがとうございます。

  5. 怪我しないよう安全なルートでエントリーするの賢明だと思います。僕は骨見えたことあるので渓流では慎重にしてます(笑)
    テンカラよいですね、僕も一応道具あるのですが忙しすぎてなかなか行けません。

    • Nori1022さん、こんにちは。
      通過しなければいけない崖は、本当に足を滑らせたら体全体の摩擦力でも落下を防げないのが明白だったので、安全策をとりました。
      「骨が見えた」というワードが怖すぎます(笑) 私もそういう目に遭わないように気をつけます。

      前にも言ったことがあると思いますが、Noriさんにはフライフィッシングよりもテンカラの方が向いている気がします。狙った獲物を必ず仕留めるハンター(もしくはスナイパー)のような腕を持つNoriさんですからね。
      人をゴルゴ13のように言うな!(笑)

  6. 川魚を生食されたようなので、肺に寄生する寄生虫がいないかぜひ調べてみて下さい。

    • 心配です さん、こんにちは。
      肺の寄生虫の件、肺吸虫(ウエステルマン肺吸虫、宮崎肺吸虫)のことをおっしゃっていると思いますが、肺吸虫はサワガニやモクズガニなど淡水産の甲殻類を生食するか、イノシシ肉や鹿肉を生食した場合に寄生リスクがありますね。
      私はそれらを生食はしていないので、該当はしないと思われます。
      おかげさまで、咳、痰は治まり、だいぶ体調良くなりました。

      今回の件は別にしても、川、海問わず、今後も魚の生食には気をつけたいと思います。
      ご心配いただき、ありがとうございました。