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こんなに近くにあったシュウレンボ=シオデ

山菜採り
この記事は約5分で読めます。

やっと判明した謎の山菜しゅうれんぼう

もうすっかり晩秋(いや、もう冬と言っても良いほど)となってしまいましたが、夏のちょっとしたエピソードを。

毎年山菜が採れる時期になると母が、昔お爺さん(母の父親)が「シュウレンボを採りに行く」と言ってよく裏山へ出かけていたよ、と幾度となく話すのですが、母が子どもの頃の話でどんなものだったかよく覚えていないとのこと。シュウレンボとは何のことなのかさっぱりわからない。
シュウレンボなのか、それともシュウレンボウなのか、はっきりとした名前もわからない。

しゅうれんぼ?? 一体それは何なのか。

シュウレンボウで検索してみると、地元伊那市長のコラムページが出てきた。そこにはシュウレンボウがシオデのことだと明記されていました。現伊那市長の白鳥さんとは市長になるずっと前に一度お話したことがありますが、無類の山好きで渓流釣りもされる方。山菜にも詳しいようです。
そうなんだ、シュウレンボウとはシオデのことだったのか。
平仮名「しゅうれんぼ」でも検索してみると、今度は木曽在住の方のブログがいくつか。木曽地方での呼び名らしい。ただ、さらに調べると木曽では「シュウデ」という呼び名が一般的なよう。
シオデ→シウデ→シュウデ、という変遷が起こっても不思議ではない。
シュウデにボウを付けてシュウデボウ→シュウデンボウ。それが訛ってシュウレンボウとなったのか。
ボウというのは「坊」。小さくてかわいいものにつける愛称のようなもの。キノコのジコボウなんかもそんな感じでしょう。
ともかく、シュウレンボ=シオデだと判明しました。

シオデ
上記の通り、長野県の木曽ではシュウデ、シュウレンボなどと呼ばれますが、東北地方ではショデコやヒデコと呼ばれるそうです。
なかなか見つけられない山菜で、見つけたとしてもそれほど大量に採れるものではないです。
ブログを通じて師匠に教えてもらうまでその存在さえ知らなかったシオデ、2018年に初めて木曽で見つけて食べてみました。

山のアスパラと言われるだけあって、アク抜きの必要はなく野性のアスパラガスと言った感じです。
その後も一度見つけた場所の近辺では毎年採れるのですが、なかなか他の場所では見つからず木曽でもう一箇所見つけただけ。

伊那でも林道を歩いていて採れそうな場所を見かけると常にシオデはないか気にはしているのですが、見つからないんですよね。直売所に並んでいるのも見たことがない。

  1. 上伊那にも生えてはいるが、売れるほどは採れない。
  2. 上伊那にも生えてはいるが、昔から食べる習慣がなく誰も採らない。
  3. そもそも上伊那にシオデは自生していない。

上記のいずれかだと思うけど、ともかく上伊那では見たことがない。ただ、母親の話や伊那市長のコラムでは地元の山で採れていたことになる。ということは少なくとも3ではないし、2でもないことになる。だがしかし、釣りや山菜採り、キノコ狩りでこれだけ山野を歩き回っている私なのに伊那では一度も見たことがないのです。昔は自生していたけど、今は消滅した?
半ば諦めつつも、林道を歩く時は自然とシオデが生えてはいないかと、目で追っちゃうんですよね。

7月上旬のとある日、実家の裏山と言えるような林道を歩いていました。

灯台もと暗し、とはこのことか。まさかこんなに近くにあったとは。


ほとんど車は通らず、沿道はもちろん轍の中央にも草が生えているような状態。


ただ、この林道沿いは地域で年に一回草刈りを実施することになっているんですよね。
ここも6月頃に一度草が刈られて、その後もう一度草が伸びてきた状態。
シオデってこんな感じのところに生えるんだよな。


あれ!?
シオデじゃないの、あれは?


おー、間違いなくシオデだ!
ちょっとピンボケですが(笑)


成長して蔓も伸びていますが、これもそうですね。


下の方から茎を曲げて、折れるところから採取。
周囲を探すと何本か見つかりました。


この場所で採れたのはこれだけ。
時間をかけて広い範囲を探せばもっと採れるのかもしれないけど、今日はこれで十分。茹でてマヨネーズを付けて食べるとまさに美味しいアスパラガス。
まさか、こんな身近なところに幻の山菜があるとは!
少なくとも近隣集落の人たちは誰も採らない、というかシオデそのものを知らない可能性が高いです。

シオデはなぜ幻の山菜と言われるのか?

シオデは幻の山菜と言われますが、特に険しい山奥に生えるわけでもなく、むしろ民家の近くの土手のような所に生えます。なのになぜ「まぼろし」などと言われるのか。
どんな場所が生育に適しているかというと、およそワラビが生えるような場所と言えます。ただ、ワラビは生育環境が広いですが、シオデはかなり限定された場所にしか生えません。
確かにワラビが生えるような場所なんですが、加えて丈の長い草本が生えるような土手。そして、ここが一番重要なんですが、シオデは人によって一旦草が刈られた後に生えていくという不思議な特性があるようなのです。しかも、発生地を見つけたとしても、単位面積当たりの収量がワラビと比べると格段に少なく、一箇所で数本採れるだけなのです。
見つけたとしてもたくさん採るのが難しく、直売所で売られることもほとんどないので、幻の山菜と呼ばれるのでしょう。

ただ、シオデは毎年同じ場所に生えるので、場所を覚えておけば毎年採ることができます。その場所が毎年人の手によって夏前に一旦草が刈られるという条件付きで。実際には草を刈らなかった場合にどうなるのかはわからないですが、少なくとも私がシオデを採る場所は、いずれも一旦草が刈られる場所です。

来年は、今年採れた林道沿いをもっと広範に本格的にシオデを探してみたいと思います。

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コメント

  1. こんばんは。
    私の生まれた山村は、旧東筑摩郡洗馬村小曽部と言う集落です、木曽谷北部と山一つ隔てた谷ですが、子供の頃はショウネンボと呼んでいましたね、似ていますね、この山菜のできる場所はやはり時々草刈りをする場所、ある程度民家に近い場所、道路脇等であることが言えますね、まぼろしの山菜と言われるのは、家畜の餌用の草刈りが無くなってなかなか見られなくなった為かもしれませんね。