この冬はどうしたことか、ここ2月中旬まで一度も雪かきをしていません。こんな年は初めてです。
まさか、このまま雪が積もらずに春となってしまうのか!?
ともかく雪が全くない状態で2025年の渓流解禁日を迎えようとしていました。
ところが、解禁4日前の晩に喉が痛くなってしまい、どうやら風邪を引いてしまったのかも。
翌朝、急いで耳鼻科へ行って薬を処方してもらい、それを3日飲み続けできるだけ安静にしていました。解禁前日の夜にはだいぶ良くなってきたけど、明日釣りに行くかどうかは起きた時の体調によって判断することにして、早めに就寝。
明けて解禁日の午前3時半、セットした目覚ましに起こされてみると、ん? 体調は…悪くない!
万全ではないけど、これなら釣りには行けるゾ。
ヒラタケとワイルドなアマゴたち|天竜川水系 アケビ沢
※アケビ沢というのは私が勝手に付けた名前で、実在する河川名ではありません。
真っ暗なうちに川に到着。気合いの空回りにならなきゃいいけど…
皆さんご存じだと思いますが、私、釣りバカなんですよ。
暗いうちに家を出て、5時過ぎには現地に到着してしまってまだ真っ暗。
辺りには細かい雪というか霧雨?が舞っていますが、林道にも雪は全くありません。
ヘッドライトを装着して、車の外に出てみても真の暗闇。頭上を見上げてみても梢がうっすら見える程度。何やってんだ、こんな時間に。まぁ、バカなんで仕方ないです(笑)
今日の日の出は6時30分頃。6時くらいになればうっすら明るくなるでしょ。
車の中でじっとしていても退屈なので、外に出て川への降り口を確認したり、待ちきれないので川辺まで慎重に降りてライトを設置したり…夜釣りでもするつもりなのか。
幸いにして川岸にすら雪が全く無いし、しかもそれほど寒くない。
もう一度車に戻って待機しているうちに、3、4台車が通り過ぎてさらに上に向かっていきました。
今年の解禁日は日曜日なので、どの川も混み合いそうです。
6時にはなったけど、曇っているからまだ暗すぎる。堰堤を照らしてみてもただの夜。
それでも、ここから急速に明るくなるだろうと、ヘッドライトを頼りにタックルをセット。
タックルはリバーピーク JP6 7636+オービス バテンキル クリックII。ラインはDT-3F、6X9ftリーダー。マーカーを付けてBHヘアズイヤーニンフ#14を結びます。
解禁日の目標は例年同様「一尾釣る」です
6時半頃になるとようやくなんとか釣りを始められそうです。
それでもまだ視界が悪くヘッドライトで照らしながらマーカーを見つめます。ここ数年同じですが、この川の場合堰堤下にまとめて放流するのは止めたようなんですよね。一箇所にまとめて放流ではなく、こまめに分散放流してくれているのはとても喜ばしいことです。
全くアタリがないけど、1尾も魚がいないってことはないだろうと粘りますがなかなかアタリがありません。
まだ暗すぎるのかな? 忍耐の時間が続きます。
左の巻き返し、右の巻き返しとも反応がなく、白泡際から手前に何度か打ち返すと、黄色丸印辺りでマーカーにぴくぴくっと生命感ある動き。やっときたか!
放流されてなくて居着きのアマゴが来るのかと思ったら、これは銀毛タイプの放流アマゴですね。
なんであれ、ともかく1尾釣れて良かった!
これで、解禁日の目標は達成できました。
病み上がりだし、今日はこの1尾で満足して帰りますか。なんてことはできないんですよね、釣りバカだから。
塩焼き用にこれを含め3尾はキープして帰りたいな、などと欲深いことを考えてしまいました。
ただ、この堰堤下でこの後も粘ってみましたが、うんともすんともマーカーが動きません。
うーむ、ここにこの1尾しか放流されていないってことはないと思うけど、食ってこないです。
フライを変えようかとも思いましたが、そういう問題ではないでしょう。もっと明るくなってくれば活性も上がるだろうし、ポイントを移動しよう。
雪がまったくない川を釣り上る
一旦林道に上って、少し上へ。
渓相の良い流れですが、小場所が続く区間なので解禁当初に狙う人はほとんどいません。
昨年の解禁日にはこの区間で良型イワナが釣れたので、期待しつつ釣り上ります。
が、今日は全く姿も見えずアタリもありません。
完全に明るくなったので、フライをグレーニンフ#14に変更して攻めますが全くの無反応。
図に乗ると全く釣れない…良くあることです(涙)
川岸に全く雪がないので、歩きやすいのはありがたい。
小堰堤のブロック下にやってきました。
浅い水たまり程度のポイントですが、黄色丸印で確かな生命反応。
合わせると、ブルブルっと、来たー!
と思った瞬間、フッとテンションが抜けてしまいました。あちゃー
掛かりが浅かったか。あの重みあるブルブルは良型イワナだったかもなー。
ダメ元で何度かフライを打ち返してみますが、二度目の反応はありませんでした。
落ち込みの巻き返しで、スイッと勢い良く引き込まれました。
ピカピカで綺麗なアマゴなんですけどね、いかんせんサイズが…
平瀬対岸の大岩脇廊下ではマーカーを上流方向に引っ張るアタリ。
今度はちゃんとしたサイズのよう。
まずまずのサイズが釣れました。これも放流ものだろうけど、朱点薄めでいいですね。
淵に集まっているワイルドな容姿のアマゴたち
そして辿り着いた大淵(と言うほど深さはないけど)黄色丸印辺りに何尾かアマゴが定位しているのが見えます。ここは慎重にいこう。
近づきすぎないようにそぉーっと覗き込んでアマゴの動きをしばらく見ていると、ゆらゆらしながら餌を捕食しているのか、時折右に左にレーンを変えたり、白泡方向にすーっと移動したりしています。活性高そう。
フライはグレーニンフのまま、白泡の際辺りを狙ってふんわりキャスティング。
フライがアマゴの定位置に近づくと、するするっと前進するアマゴ。直後にマーカーにアタリ。
アワセを入れると、かなり力強く引きます。
なるべく場荒れさせないように、手早く引き寄せランディング。
お、なんかワイルドがアマゴが釣れました。直前放流ではなく居着きのアマゴ?
淵にはまだ泳いでいるアマゴが見えるので、再度狙ってみます。
先ほどと同様に白泡切れ目にフライを打って、アマゴの鼻先に向けて流します。透明度が高いので、マーカーと同時にアマゴの動きも注視。
お、フライを認識した模様。フライが近づくと、ゆらりと少しレーンを左に振り、するするっと前進。マーカーがピクッと動いた瞬間に合わせると、確かな手応え!
あれ!? さっきよりさらに良い引きをしています。とは言え、そこまで大物でもないので、ロッドのしなりを最大限に生かして、ぐいーっと寄せて短時間でランディング。
サイズアップしてさらにワイルドな顔つきの雄アマゴ。
これ、本当に放流魚? 昨年秋からの生き残り?
天然魚とまでは言わないまでも、これは野性魚なのでは?
でも、野性魚なら1尾釣り上げる時に、他のアマゴは白泡の中に逃げ込んじゃうと思うんだけど、妙に警戒心が薄い気もする。
ともかく、良いアマゴが釣れて嬉しい!
この2尾目を釣り上げても、まだその近くで泳いでいるアマゴが見えるんですよね。やっぱり養魚場から来た魚なのかなぁ。
さらにもう一尾追加。
少し小さいですが、これも尾ビレがしっかりして朱点も薄い綺麗なアマゴです。
今度は淵頭の小落ち込み脇の巻き返しを狙います。手前の駆け上がりに何尾かアマゴが見えます。
アマゴを驚かせないようにやんわりと白泡めがけてキャスティング。フライキャスティングというよりは、ウキ釣りの遠心力投法に近いです。
この淵では都合5尾が釣れ、全体では8尾釣れました(チビアマゴ含む)。
時間はまだ9時を少し回ったばかりですが、今日の目標を大きく上回ったことだし、病み上がりでもあるので、ここで納竿とします。
このアマゴは放流魚なのか?それとも野性魚なのか?
最初に釣れたアマゴは、銀毛アマゴでヒレの傷み具合からも直前放流の魚だと思います。チビアマゴの後に釣れたアマゴも一般的な放流アマゴの形質です。
その後、大淵で釣れたワイルドなアマゴが謎なんですよね。
形質は小さな沢で育ったような野性の魚のように見えます。今まで、養魚場から持って来て成魚放流したアマゴでこんなワイルドなものは見たことがありません。
でも、淵に群れていて、しかも警戒心が薄いのは放流魚の性質のようにも思えます。
放流されたとしても、解禁直前ではなく、もしかして昨年禁漁後すぐに放流した?
これがもし、漁協で解禁直前に放流した魚だとしたら、称賛に値するコンディションです。こんなアマゴを養殖できる養魚場がどこにあるのか知りませんが。
ともかく、良いアマゴがたくさん釣れたので、今日は良型をキープさせてもらいます。
ありがとうございます!
昨晩まで体調悪かったので、解禁日恒例の渓流メシは今日はなし。
さて、帰りましょう、と林道を下っていると、あるものが目に付きました。
うれしいお土産、冬でも採れる天然キノコ。
林の中の倒木にキノコが生えています。
これは見紛うことなき、ヒラタケではないですか!
川の神様だけでなく、山の神様も歓迎してくれたかな。
このヒラタケというキノコ、腐生菌なので栽培しやすく昔は「シメジ」と言ってスーパーでよく売られてました。今はその座をブナシメジに奪われましたが、最近は以前より大きく育てたヒラタケを「霜降りヒラタケ」と言って売り出してますね。
一方天然のヒラタケは、この写真のように枯れ木や倒木、古い大木に株になってまとまって生えます。そして、季節を問わず一年中見かけることがあるキノコなんです。もちろん、そんなに簡単に見つかりはしませんが。
注意しなければいけないのは、ツキヨタケ(毒)に似ていて、毎年のように食中毒事故が起きているということです。
ヒラタケ、ムキタケ、ツキヨタケは確かに形はよく似ていて、慣れない人だと間違える可能性はあると思います。ツキヨタケの一番の特徴として挙げられるのは、柄を二つに割ってみると黒いシミがあるという点です。確かに黒いシミがあれば毒だとわかるので明確に区別できますが、中には黒いシミが薄い(もしくは無い)個体もあるようなので、それのみに頼るのは危険です。
ヒラタケ、ムキタケ、ツキヨタケは良く見ると傘の表面の色や質感が全く違うので、そこに着目すればこの三種を確実に見分けられます。ツキヨタケの特徴、柄の中のシミや柄に鍔があるのは補助的な見分け点にすべきだと思います。
ムキタケとツキヨタケの見分けについてはすでに『おいしい山菜&きのこ図鑑』の方に詳しく書いていますが、近々ヒラタケも掲載してより詳しく書きます。
幸先良く2025渓流スタート。今年は絶好調なのか
さて、早々に家に帰ってきました。
上2尾は確実に放流アマゴだけど、下2尾はサイズの割にワイルドなんだよねぇー。
ヒラタケはまずは下茹で。
アマゴもヒラタケも美味しくいただきました。その詳細についてはまた後日。
ともかくアマゴとヒラタケのお土産付きで最高の渓流開幕となりました!
今年は大変な地域役員も無いし、体調も昨年みたいなことは無い予定(早速風邪引いたくせに笑)。
ここから絶好釣が続くんじゃないのー、もしかしてー!!!
とテンションが上がっている釣りバカなのでした。
コメント
こんにちは。
解禁おめでとうございます。
この気持ち良くわかります、木曽川が16日解禁だった頃、前の日から民宿に泊まり暗いうちから釣った若い頃を思い出しました、餌でしたら最初の堰堤で爆釣と言うこともあったでしょうね、雪の無い解禁のため、ヒラタケのお土産まで付いて良かったですね。
kitaさん、こんばんは。
木曽川も2月16日解禁だった頃があるんですね。
前日民宿泊はワクワクして楽しそうです。
この寒さの中、素直に餌釣りでやれば良いと思うのですが、今年はある程度流れに出ている魚がいてフライでもなんとか釣りになりました。
ヒラタケは本当に良いお土産ができて、幸先の良い解禁日になりました。
こんにちは。
解禁日、私も行ってきました。同じ河川ではなさそうですが。
解禁日に放流魚(と思われる個体)を釣るのは初めてなのですが、確かに体高もありヒレもきれいでワイルドな顔つきの25CM前後の魚多かったですよね。
真横に行って初めて隠れるくらい警戒心も薄く放流魚かと思いますが、いい魚でした。
銀化したのも釣れたのですが、ニジマスかと思っていました。
実は今日の朝出勤前にも同じところで釣ってきたのですが、いいアマゴが釣れました。
今年はどこかで会えるといいですね。
はるさん、こんばんは。
解禁日、もしかしてテンカラで釣りました? フライだとまだ釣りやすいですが、テンカラで解禁日に釣るのは凄いです。好釣だったようで、何よりです。
出勤前に釣りに出かけるとは、はるさんも釣りバカ街道まっしぐらですね(笑)
今年はたくさん釣りに行けそうなので、どこかで会えるかもしれないですねー。
こちらより一足先に、あけましておめでとうございますですね。^^
釣り師にとって、「バカ」は最高の誉め言葉。(笑)
幸先良い幕開け、今年ずっと良い釣り出来ますように♪
kuniさん、こんばんは。
この寒い信州でなぜ解禁日が2月なのかさっぱりわかりませんが、釣りバカなので出かけちゃうんですよね。
私の場合釣りに関係なくてもバカだという疑いもありますが(笑)
開幕としては、本当に幸先良かったです。このまま釣り運を継続したいです。