信州でも南の方から桜便りが届き始めた4月3日に、南へと向かってみました。
釣りではなく、コシアブラの芽がどのくらい伸びてきているのか確認をしに、です。コシアブラはうちの辺りだとソメイヨシノが散り始める頃から採れるんですよね。
で、気の早い私は毎年うちよりも南下した場所にコシアブラを採らせてもらっている山があるんですが、さすがにそこでもまだ早いのはわかっています。
そこで、今回はもっと南の山を見に行ってみようというわけです。その辺りの様子次第で地元でいつ頃採れるかも推測できるので。

うちの辺り(長野県上伊那地域)は大らかな地域なので、例えば個人所有の山にコシアブラやタラノメ、キノコなんかを採りに入っても昔から文句を言う人なんかいませんでした。もちろん、「入山禁止」の立て看板があったり、テープが張ってある山はダメですけどね。
同じ県内でもかなりシビアな地域もあって、最悪警察沙汰になることもあるのでお気を付け下さい。
一番確実なのは所有者の許可を取ること。
または誰でも自由に入れる公有林(主に国有林)なら大丈夫ですね。ともかく、無用のトラブルにならないように事前によく確認する必要があります。
さて、そんなことを踏まえて山へ向かいます。
桜前線を逆走してコシアブラを探しに
予報が外れた雨の山、コシアブラを求めて
予報では夜間降っていた雨が午前中早い時間に止むとのことだったので、早朝出発してやってきたましたが、9時半になっても止む気配がありません。仕方なくしばし車の中で雨宿り。
それから1時間経っても止まないので、意を決して雨具を着込み山へと向かいます。
事前調査して見当をつけておいた山、グーグルマップで航空写真を見て山の様子を想像してやってきましたが、実際のところは山を歩いてみないとコシアブラの木があるのかわかりません。とりあえずこの辺りを登ってみましょう。
アカマツなんかもありますが、メインの樹種は杉か。
コシアブラは高木の針葉樹の下に生えることが多いですが、たくさん生えている場所は大体ヒノキかサワラの林なんですよね。アカマツ林の中にもあるし、広葉樹林にも無いわけじゃないですが、杉林だけはコシアブラがたくさん生えているのを見たことがないです。
ここはモミと杉ですね。しばらく林の中を歩き回りましたが、案の定コシアブラは見当たりません。
ちょっとこれは見当違いだったかな。
林道に戻ってもう少し上に上ってみます。
林道から下には細い沢が見えるけど斜面に生えているこの植物なんて言うんだろう。こんな南国っぽいのうちの辺りには生えてないよ。ちょっと植生が違うな、やっぱり。
雨も止まないし、撤退した方がいいかな。
ここはヒノキかサワラの林だから、もしかしたらコシアブラがあるかも?
と思って少し登ってみましたが、ないですねぇ。
まさかあんな堰堤続きの沢に魚はいないよね?
林道を歩きながら、眼下の沢がきになります。渓魚がいないかな。
この辺りまでくると林道との落差も縮まって、川に降りられそう。
イワナがいそうな渓相だぞ。
枝の隙間から小落ち込み下の深みを凝視すると、黄色矢印のところに魚が見える。
動いてるからあれ魚だよね?
さらに凝視していると、黄色矢印のところ。
そこそこ大きい魚がゆらゆらしてる。ドキドキが止まらない。黒っぽいからやっぱりイワナかな。
こうなってくると、コシアブラそっちのけで釣りモード。
だけど、今日は釣り道具を持っていない…車に積んどきゃ良かった。
道具がなければどうしようもないので、諦めてさらに歩くと林道沿いにタラノキがありました。
タラノメはまだ固いつぼみ状態です。コシアブラの木があたっとしても、採れるのはまだまだ先ですね。
大石の手前、時折餌が流れてくるのか、とっさに左側へするするっと泳ぎ出したりまた戻って来たり。活発に餌を捕食しているようです。しかもそこそこのサイズだよ。
いやー、釣り竿を持って来ていないのが悔やまれる。全くノーマークのこんな沢に魚影がたくさんあるとは。
雨もようやく上がったようです。
だんだん流れが細くなってきました。この沢、そんなに流程は長くなさそうだな。
堰堤を越えてさらにその上、岸辺まで近づいて有望ポイントを覗き込んで見ますが、うーん、堰堤上は小さい魚影が一尾見えただけ。でも、まだ上にも魚がいるんだ。
コシアブラはやはりソメイヨシノが散る頃だね
林道脇のタラノメは、食べ頃まで一週間以上かかるかな。ここはヒノキの林だからコシアブラがあるかも。
と思ってキョロキョロしてみると、コシアブラ発見!
でも、まだほんのつぼみ。食べ頃までは2週間はかかるよね。
今日はもう帰ろう。
ギョッとしたけど、良く見たらこれヒキガエルの卵だな。
水が染み出しているところに大量に産み付けられていました。脅かすなよー。
結局この辺りではコシアブラの群生地は見つけられなかったけど、良い沢を見つけられたので満足。
まさかいくつもの堰堤に寸断されたこんな沢にあんな良型の魚がいるとは。しかも魚影が濃そうな感じ。
山の中の帰り道の途中、陽当たりの良いところで食べ頃のタラノメをゲット。
すぐ近くに葉ワサビもありました。
少し北上して、この辺りもどうかと目を付けておいたポイント。ここは、ヒノキの林で良い雰囲気。
午後は綺麗な青空が広がり、桜も8分咲きくらいかな。これはソメイヨシノじゃないような気がするけど、コシアブラはソメイヨシノが散る頃から採れるんですよね。
あれから2週間経った4月17日現在、この辺りは採り頃になっているかもしれません。
今年のコシアブラはどうやら2週間ほど遅れているようです。うちの辺りで採れるのはまだ1週間以上先だと思われます。
ところで、まさかこんな堰堤続きの沢に良型の魚影があるとはビックリ。
泳ぐ魚を見てしまった以上、釣ってみないわけにはいきません。釣りバカだから。
道具を持ってもう一度あの沢に行かなくては。
…つづく
コメント
>例えば個人所有の山にコシアブラやタラノメ、キノコなんかを採りに入っても昔から文句を言う人なんかいませんでした
昔はきっと割とどこでも、そうだったのでしょうね。
この辺りもそうでした。
ところがマナーの悪い人が多くなったからだと思いますが、10年ほど前に両親が警察に通報されて前科持ちになりました。
それがトラウマになったようで、山菜取りは止めてしまったようです。
前にも書いたかもしれませんが・・・
>だけど、今日は釣り道具を持っていない…車に積んどきゃ良かった。
これ「あるある」ですね。(笑)
タックルを積んで出直すと、魚の影は無い・・・なんてこともしばしば。
意外と堰堤続きの沢って、人が敬遠するからか魚影が濃いことありますよね。
釣るのは息が上がって大変・・・もしくは釣りそのものが難しいところもあるけれど。
そして「つづく」と言うことは、続編があるはず。
「あるある」となるのか、リベンジ成功となるのか??
おはようございます
素晴らしいですね、超源流と呼べそうな流れのイワナ君。
まったく警戒心の無いイワナ達でせうから、これは、もう釣り放題になりそうな秘密源流ですよ。
コシアブラはともかく、おめでとうございます。