前回釣りに行ってから丸2週間釣りに行けていません。まさか渓流最終盤にこんなに雨続きになるとは思ってもみませんでした。
前回釣行で試してみたロングリーダー(ロングティペットリーダーとも言いますね)。「目から鱗の使いやすさだった」と書きましたが、その詳細です。
ロングリーダーはこんなにも使いやすかったのだ。
左側に写っているVARIVAS Super Yamame 15ft 6X。これに6Xティペット3ft継ぎ足して合計18ftのシステムを使ってみたわけです。
以前にも書きましたが、私がこれまで標準的に使っていたリーダー+ティペットは9.5ft〜11ftくらい。いつもより2m以上長いことになります。
今までどうしてショートリーダーで釣りをしていたか。
そもそもフライフィッシングを始めた時に、初心者なんだから長いリーダーなんか扱えないだろうとロッド長と同じ長さのリーダーにティペットを2ft(60cmくらい)継ぎ足したくらいの長さからスタートしてるんですよね。
キャスティングはともかく、問題はキャスティングの前後。
トップガイドからフライラインをちょっと出しておかないと、ちょっとロッドを上に向けるとするするとフライラインに引っぱられて落ちてきちゃうんですよ。イライラします。
キャスティングのスタートもトップガイドからちょっとラインを出しておかなければうまくいきません。
こんな状態だったから、これより長いリーダーなんて使ったらとても扱い切れないだろうと思っていたんです。ロングリーダーを使っている人ってどうやって取り回しているんだろう?と。
ショップ店長との会話がきっかけで開眼。
ところが、前回釣行の前に話したショップ店長は狭い渓流でも20ftのシステムを使っているというではないですか。広い河原ならともかく狭い渓流でも?
「キャスティングはともかく、リーダーの取り回しが大変じゃないですか?」と尋ねると、
「??」質問の意味がわからない様子。
「それだけ長いリーダーだとキャスティングのスタート時にフライラインに引っぱられてリーダがグリップ側に落ちて来ちゃいません?」とさらに聞くと、
「そんなことないですよ」と自分のロッドを持ち出して駐車場でリールもセットして実演してくれました。
確かにフライラインとリーダーの繋ぎ目がトップガイドより手前、バットに近い位置にあってもリーダーが落ちてこない。あれれ、ほんとだ。
ラインがリールに完全に巻き込まれた状態からリーダーだけでキャスティングスタートも可能。おー、なんですか、これは!?
ともかく、店長が使っていたVARIVAS Super Yamame 15ftを買って帰り、自分でも前回釣行でも試してみたというわけです。
いよいよ実釣。その使用感は?
実際に自分で使ってみると、バット部の長さがあるのでそのぶん重さもあり、フライラインに引っぱられないんだということがわかりました。
長さがある分テーパーも緩やかななので、リーダーだけ出した状態でも問題なくキャスティングでき、小渓流のショートレンジのキャストも難なくこなせるのです。
もちろんロングキャストではその実力をいかんなく発揮。
そして、リーダーだけのフォルスキャストからフライラインを繰り出していけるので実にオールマイティーなキャスティングが可能。
これは素晴らしい!
『目から鱗が落ちる』とはこのことか。私は今まで目に鱗がくっついた状態でロングリーダーを見ていたようです。目に鱗がくっついていたらそりゃまともに見えないだろう。それ以前に相当気持ち悪いと思うけど(笑)
ただ、前回釣行では快適なキャスティングでナチュラルドリフトできているにも関わらず、超渇水のスレスレ岩魚が相手だったので、結果はイマイチ伴いませんでしたがね(^_^;)
このリーダーには長いだけではない特徴が。
バットからテーパーにかけては黄色になっています。リーダーが長いのでキャスティングがしやすいように色が付けられているんだと思います。リーダーキャストでも良く見えるので扱いやすいです。ティペット部は透明です。
そして、これが最大の特徴。リーダーの断面が真円ではなく楕円なんです。
断面が楕円だと短軸方向には曲がりやすいけど、長軸方向には曲がりにくいのでねじれることなくきれいなループが描きやすい。たぶんそういうことだと思います。
確かに実際にリーダーキャストをしてみると、おどろくほど素直にキャスティングができます。
ただ、この楕円には問題点もあるようです。それはリーダーが水没した場合。
この平べったい形による表面積の大きさが仇となり、人によっては水から引き離しにくいということが起こるようです(店長談)。前回釣行で私は不都合を感じませんでしたが、それが気になる場合はリーダーにジェルタイプのフロータントを塗ると良いそうです。
あと、このリーダーは「クセが付きにくく取れやすい」とパッケージに書かれていて、確かに取り出した状態でクセがほとんど付いていませんでした。ただ実釣の後は、かなりクセが付いてしまいました。その辺りはもう少し検証してみます。
ショートレンジもロングレンジもオールマイティーに使えるロングリーダーシステムですが、唯一すっきりしないのは、フライラインとリーダーの結び目がちょうどガイド辺りにくる距離でのキャスティング。結び目がガイドにカラカラ当たってちょっとぎこちない。
ラインとリーダーの繋ぎ目をなるべくスムーズにするには。
どんな結束方法でもフライラインとリーダーの繋ぎ目は多少のギャップができていまいます。
以前にスプライサー付きのラインクリッパーを紹介した時にも書きましたが、私はスプライス&ネイルノットを使っています。
フライラインに穴を開けてからリーダーを通し、ネイルノットで結ぶやり方です。一番継ぎ目がスムーズな結び方だと思います。
フライラインへの穴開けに便利なこんな道具もあります。
TIEMCO シマザキ リーダースプライサー(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)
フライラインをしっかり固定するための道具と、穴開けの針がセットになっています。
ちょっと見にくいですが、二種類の太さの溝が切られていて、そこにフライラインをセットします(赤線のように途中からラインを曲げて)。最初はフライラインをある程度外に出した状態でセットした方がやりやすいです。※写真をクリックして拡大して見て下さい。
フライラインが溝に入ったら抑える力を少し緩めながら、横から出ているラインを引っぱって穴を開ける長さを調整します。
本体をしっかり抑えて針を刺します。
取り出すとこんな感じでフライラインに針が通りました。
安全にきれいに穴が開けられます。#4以上のラインだとしっかり押さえられますが、フライラインの種類のよっては#3以下だと滑りやすくてうまくいかない場合のあります。
まぁ、私はこの道具持ってますが、基本指で押さえて開けてます(笑)
もう一つ買っておいた別のロングリーダーも試してみます。こちらは通常の断面真円なので違いを確かめたいです。
ティペット部の先端を針先の穴に通して10cmくらい出しておきます。
リーダーから針を抜き取ります。
ティペット部から引っぱってリーダーのバット部を5cmくらい残した状態でストップ。
この部分でネイルノットをします。
ネイルノット用のニードル(パイプ)とフライラインを一緒にしてリーダーを3〜4回きっちりと巻きます。先端をニードルの中に入れます。
しっかりと押さえたままニードルを抜き取り、リーダーを両側からゆっくり引っぱりしっかりと結びます。ちょっとわかりにくいので、詳しくはこちらをご覧下さい。
余分なリーダーをカットします。いつもは1mmくらい残して切ってましたが、今回はギリギリまでカット。
今までこの継ぎ目に熱収縮チューブを掛けていました。
こんな感じでチューブを最低限の長さにカットして、繋ぎ目に通してセット。
ドライヤーで熱をかけます。
こんな感じで仕上がりです。ガイドへの引っかかりが最小限に抑えられて快適ですよ。
今回はリーダーの余りをギリギリでカットしたので、『アロンアルファ 釣名人』(楽天で見る・アマゾンで見る)を垂らして仕上がりにしてみました。釣り用の瞬間接着材だということですが、固まってもソフトなままで白化もしにくいようです。熱収縮チューブをかけた部分は固くなるので、この方がキャスティングに関してはスムーズなのかもしれません。
フライフィッシングはキャスティング前後が問題。
もう一つ、私がフライフィッシングを始めた頃、悩んでいたこと。
大抵のフライロッドにはフックキーパーってついてますよね。
もちろん、フライを掛けておくためのものですが、これにフライをかけてリールにラインを巻き取っておくと。もう一度キャスティングを始める時にまたリールからラインを引き出して・・・と段差のある渓流だとこの繰り返しは結構大変。
渓流をもっとスムーズに移動できないものかな、と思っていたんです。
しばらくして渋谷直人さんのビデオを見た時に、ポイントからポイントへの移動時について説明している部分があったんです。
リールからある程度ラインを出した状態で(ショートリーダーならトップガイドからラインが少し出るくらい)、フライを真ん中辺りのガイドに下から引っかけます。
ティペットを張った状態でリールの外側にグルグルと巻き付けていきます(赤矢印方向)。
ティップが少し曲がる程度まで巻いたら完了。これですいすい移動。
再び釣りを再開する場合は、張っていたティペットをほどいて少したるみのある状態でロッドのバット付近(赤丸印)を左手でトントンと叩くとフライが自動的に落下してそこからすぐキャスティングが始められます。
このやり方にしてから、大岩のある渓流でもテンポ良く釣りができるようになりました。
フライフィッシングに挑戦しようと始めてみた人が挫折しちゃうのって、キャスティングそのものじゃなくてこういう細かい部分がよくわからず、めんどくさくなっちゃうからのような気がします。「フライフィッシング入門」みたいな本にもあんまり書いてないし。
ちゃんとした先生がいる人は大丈夫だと思いますが、私の場合、皆さんが常識だと思っていることを全然知らなかったりするのです。
それはそれで、おもしろいですけどね(^_^)
今シーズン、もう一度渓流に立てるのか。
さて、ロングリーダーティペットの可能性をもっと試したいところなんだけど、残りあと数日。豪雨から水はなんとか落ち着きそうだけど、果たして釣りに行けるのか。それともこのまま尻切れトンボでシーズンを終えるのか、スリリングな展開になってきた。
★後日追記1:
最終釣行でロングリーダーを再度使ってみました。詳しくはこちら。
★後日追記2:
ロングリーダー用に開発されたフライロッドVARIVAS iD 783-4を購入しました。詳しくはこちら。
コメント
楕円のリーダーは気にはなっていたのですが、今のところ使わずじまい。
昔あった岩井さんの名を冠したもので、中空リーダーがあったのですが、あれが買ったもののイマイチ気に入らなかったので、どうも無意識に岩井さんの名を避けていたのかもしれません。(笑)
ボクは比較的安いリーダーでティペットを長めに足して使ってますね。
kuniさん、こんばんは。
わかりますねー、そういうの。私もトラブルのあったメーカーの製品はそれ以降あまり使いたくなくなりますから。
中空リーダーは私もきっとドライフライには最適だろうと思って使ったことがあるんですが、やはりイマイチでした(^_^;)
いろいろ試してマイベストなシステムを構築したいと思います。
おはようございます。
フライの事は解らずコメントできませんが、昨日川を(木曽川水系)見てきましたが、水量が多いですね、しっかり降りましたので当分は毛ばりは無理と感じました。
あと5日、行けたらいいですね、私は餌釣りですのでもう1回位挑戦します。
ハックルさん、こんばんは。
私も今日、天竜川の支流を覗きました。水の濁りはとれてきていますが、やはり水量は尋常じゃ無い状態です・・・フライフィッシングはかなり厳しい状況です。
残り5日、天気は保ちそうな雰囲気なので、なんとか川を選んで行ってみたいと思っています。
ハックルさんもシーズン最後の釣りを楽しんで下さい(^_^)
適当に結んでいましたのでガイドに絡む事が多く有りました
この方法は知ってましたがリーダーに穴を開けると破れてしまい
結果はコブが大きく成ってます
この治具は良いですね、自分で作って試してみます
参考に成りました—-有り難う。
釣りお爺さん、こんばんは。
結び目がガイドに絡むと結構ストレスになるんですよね。
この治具は便利ですが、細めのフララインだと滑ってしまうこともあります。
釣りお爺さんの技術なら、きっと良い治具ができあがるでしょう。
ラインをなるべくしっかり押さえたいので、治具の溝は浅めにして作られると良いかもしれません(^_^)
熱収縮チューブいいですね~
水や空気の抵抗も少なくなると思います。
禁漁まではあと五日ありますが、私はあと1回行けるかぐらいです。
akiさん、こんばんは。
熱収縮チューブをかけておくと、ラインの結び目がガイドに引っかかることもなくストレスフリーでキャスティングができます。
今回はネイルノットのリーダー余りをギリギリでカット+アロンアルファという仕様にしてみました。これも川で試したいところですが、ほんとに残り5日になっちゃいましたね。最悪の場合、管釣りで試すことになるかも?(笑)
初めまして、昔の記事でしたが偶然お邪魔し拝見させて頂きました。
先週フライを初めて色々と調べていてたどりつました、こういった細かな疑問に対する記事はとても為になり、ありがたく思いコメントさせて頂きました。
20年間ほどオフショアでのルアー釣りやツーリングキャンプをやっており、この度は山川でも釣りをやってみたくなりフライフィッシングを初めてみました。^^
今後も記事を楽しみに拝見させて頂きます。
Justiceさん、初めまして。
当ブログを読んでいただき、コメントありがとうございます。
先週フライを始めたばかりですか。ようこそ、フライフィッシングの世界へ!
フライフィッシングは奥が深く楽しみ方も多岐にわたるので、ご自分に合った楽しみ方を見つけて下さい。
私は全く素人の状態からまだ4年ほどですが、自己流の試行錯誤で最近はなんとか釣れるようになってきました。
初めはほんとに疑問だらけだったので、始めたばかりの人の気持ちもよくわかります。私のブログが少しでも役に立てばうれしく思います。
ロングリーダーも慣れれば使いやすいですが、最初は7ftくらいのロッドでショートリーダー、さらに段差があってポイントが掴みやすく障害物の少ない開けた川で練習するのが良いかもしれません。
管理釣り場で釣れる感覚を掴むのも良いですね。
今後ともよろしくお願いします(^_^)