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頭も骨も食べられる|圧力鍋でウグイの甘露煮風

ウグイ料理
この記事は約7分で読めます。

冬のウグイを捕って食べよう。

昨年の初めにウグイを捕ったポイントに、今年もウグイを捕りに行ってみました。
テトラポットの隙間に集まっているウグイを網ですくうという原始的な漁法。私は天竜川漁協の組合員になっているので、規則上問題はないですが、厳密にいうと網目をもっと粗くしないといけないんだけど、体長制限の10cm以下はリリースするので今回もそこは大目に見てもらおう(^_^) そもそもここには10cm以下のやつはほとんどいないけど。
この網、テトラの隙間に入れにくいので、次回までにもっとフレームが柔らかくて目の粗い網を準備することにします。

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このポイント。冬になるとウグイが集まってきます。
テトラの隙間に網を差し込んでちょっとガサガサやってすくうと、

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一回でこんなにどっさり網に入ります。
どの隙間にもたくさんいるわけじゃなくて、何カ所かに固まっている様子。
写真だとちょっとわかりにくいけど、固まっている場所をのぞき込むと、キラキラと輝く魚体が見えます。

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ほんの15分くらいで、大小合わせて50〜60尾くらい捕れちゃいました。結構大きいのも捕れて、最大サイズは28cm。
やる気になればどんどん捕れちゃうけど、これ以上は必要ないのでやめました。

以前作ったウグイの甘露煮は抜群にうまかったんですが、仕上がりまでかなり時間がかかるんですよねー。

鯛の骨丸ごとアラ煮を作った時に威力を発揮した圧力鍋を使ってみるのはどうだろう。
ともかくテストしてみよう。

圧力鍋でウグイの甘露煮風

  • ウグイ…900g
  • 砂糖…600g
  • 醤油…200g
  • 日本酒…200g
  • ハチミツ…20g
  • 水飴…20g
  • 梅干し…小10個

冬のウグイは内臓ごと煮ても大丈夫。

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一尾さばいてみたら胃の中は完全に空っぽ。
このくらいの寒さになると、餌を食べなくなってじっと体力を使わないようにしているのかも。ともかく、今回は内臓を取り出さないでそのまま煮てみることにします。
胃の中に泥や砂さえ入っていなければ、内臓ごと煮た方がうまいはず。
ウグイを塩水であらってから、グリルで素焼きにします。
グリルで焼き始めたらウグイが反り返って、こりゃ大変だぁ。
海魚はわからないけど、新鮮過ぎる川魚って焼くと反り返ってくるんですよね。

串を刺して焼けばいいんだろうけど、数が多くて大変なので、今回は素焼きなしで煮ることにします。
前にも書きましたが、焼いてから煮るのが甘露煮、焼かないで煮るのが佃煮です。
ということは、今回は『ウグイの佃煮』ということになるのかな。

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圧力鍋にウグイを並べます。
今回も愛用のゼロ活力鍋です(ゼロ活力鍋直販サイト)。
砂糖600g。恐るべき量ですね(笑)
小さい梅干し10個を入れます。この画、なんだかスイーツっぽいでしょ。

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ヒタヒタになる量の煎茶を注ぎます。
前にも書きましたが、煎茶は臭みを消す効果があり、梅干しは骨を柔らかくする効果があります。今回は圧力で骨を柔らかくするので、梅干しは必要ないですが、甘露煮は酸味が少し加わるとおいしいので、入れることにします。煮詰まった梅干しもうまいしね。梅干しの代わりに酢を入れても良いです。
フタをしてオモリを乗せて点火。

短時間で頭も骨も柔らかく。

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沸騰してオモリが振れ始めたらオモリの振れが留まらない程度に火を弱めて、25分加熱。
火を止めて、圧力ピン(写真1枚目の黄色いピン)が下がるまで待ってから、オモリを傾けて空気を抜いて外し、フタを開けます。
圧力鍋はフタを開ける時はしっかり手順を守らないと危険なので要注意。
加熱し終わったウグイ。見た目は甘露煮ほど煮詰まった感じはないけど、骨は柔らかくなっているのかな。

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一つ取り出して食べてみよう。
取り出そうとしたらほろっと崩れちゃいました。こりゃ、かなり柔らかくなってるな。
食べてみると頭も中骨も完全に柔らかくなってる。
柔らかくはなってるけど、甘露煮のようにしっかりと煮詰まった感じではなく『骨まで柔らかい煮魚』といった仕上がり。これはこれでうまいけど。

骨が柔らかくなったところで煮詰めれば甘露煮になるのかな。

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クッキングペーパーで落としぶたをして、コトコト煮詰めます。
以前はよくアルミホイルを落としぶたにしてましたが、キャンプ用クッカーの金属臭の一件以来、クッキングペーパーを使うことにしています。この方が素材に密着するし、落としぶたとしては優れていると思う。
火力は、落としぶたまで煮汁が対流するくらいの弱火で。弱火過ぎると全然煮詰まりません。
煮始めたら魚はいじらない方がいいです。

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甘露煮の最後に入れると艶が良くなるハチミツと水飴。
どちらも同じように使われますが、ハチミツの方は味重視で水飴は照り重視です。
純ハチミツじゃじゃなくて、少し水分を追加したシロップ状のものが料理には使いやすいです。
今回は2時間煮詰めたところで、両方20gずつ入れてみます。
これ、2時間も煮詰めるなら最初の圧力鍋は必要なかったのでは?(笑)

見た目は普通の甘露煮と遜色ない仕上がりに。

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ハチミツと水飴を入れたら、落としぶたはしないで、煮汁を掛けながらさらに少し煮詰めます。
もう一度落としぶたをして完全に冷めるまで置いたら完成です。

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できましたー!
食べてみると、ちょっと味が染みこみ過ぎたかも。なんだか喉が渇きそう(笑)
頭から全部食べられるのはいいけど、本格的な甘露煮に比べると身がぱさついているような感じもする。まぁ、うまいことはうまいんだけど、“抜群”とまでは言えないかな。

甘露煮ってみんなどうやってるのか、一般的な「イワシ 甘露煮」で検索してみると、例によってクックパッドのレシピがずらり。
圧力鍋を使って簡単にできるというのが結構たくさん出てくるけど、どれもこれも甘露煮とはほど遠いような・・・それただの煮魚でしょ。
やはりクックパッドはどうも信用ならない(苦笑)

高温、高圧、短時間にはこんな落とし穴が!

クックパッドとは別に一つのサイトが目に留まりました。

「酒は飲み過ぎるまで飲め」が座右の銘だというちょっとおかしなおっさんのブログ。
ここに書かれている内容に深くうなずいてしまいました。

甘露煮を、圧力鍋を使わずに作る際のポイントは、2つある。一つは「長い時間煮ること」で、それによって骨がやわらかくなる。圧力鍋は、この長い煮時間を短縮してくれるというわけだ。
しかし同時に、もう一つの大事なポイントがあり、それは「火をできる限り弱くすること」なのである。
肉や魚のタンパク質には「分水作用」と呼ばれるものがある。温度が上がるに従ってタンパク質が変性し、ある温度を超えると保持していた水分を放出して、収縮をはじめるのだ。
この分水作用が始まるのが、68℃なのだとか。甘露煮では火を弱くして、この温度をできるだけ上回らないようにすることで、骨までやわらかくなるのと共に、イワシやサンマの脂が乗った、プリプリとした食感を楽しむわけである。
ところが圧力鍋では、圧力をかけることにより、温度を100度以上に上げるわけだ。そのためタンパク質は完全に変性し、食べ応えはモソモソとしてしまう。これはほとんど「台無し」と言っていい。
圧力鍋を使うくらいなら、甘露煮など作らない方がいいと思うほどだ。
・・・上記サイトより引用。

なるほど、だから甘露煮に比べて身がぱさついた感じになったのかー。

やっぱり圧力鍋を使っちゃうと、『甘露煮』ではなく『甘露煮風』だな。
今回は普通の甘露煮と同じ煮汁の分量で作りましたが、それだと煮詰める時間が長くなるので、圧力鍋を使う場合はもっと煮汁を少なめにして、25分加熱したあと冷まして骨まで食べられる煮魚として食べるか、さらにハチミツと水飴を加えて30分ほど煮詰めて甘露煮風にするのが良い気がします。
長時間煮詰めるなら最初から圧力鍋を使わずに作った方が断然うまい。

もう一度ちゃんとした作り方で甘露煮にしました。

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ウグイを焼いている時の芳ばしいにおいがたまらず、1尾食べちゃいました。11月に塩焼きにしたウグイよりもさらにうまかったです。はやり寒い時期のウグイはうまい!
本格的な甘露煮の作り方はこちら

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圧力鍋を使ったヤツと食べ比べてみると、やはりこちらの方が断然うまいです。
見た目も比べてみると、こっちの方がうまそう(^_^)
甘露煮たくさんできちゃったけど、日持ちするので年末年始には最高の料理です。

結論:甘露煮を作るのに圧力鍋を使ってはいけない。

圧力鍋は頭まで食べられる鯛のアラ煮や牛すじの煮込みなど、とにかく柔らかくすることを重視する場合には最適だけど、向いていない料理もあるってことですね。
燻製なんかもそうだけど、食材を加熱する場合の温度管理は極めて重要だと改めて思ったのでした。

ウグイは他にもいくつかの料理にしたので、しばらくはウグイ料理の登場機会が増えるのを覚悟しておいて下さい(笑)

洗い、〆ウグイ、塩焼き、フライ、燻製などのウグイ料理も好評です。 こちらをご覧下さい。

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コメント

  1. 一撃で沢山すくえるのですね!
    こちらのウグイは妙に臭いありますね、水温高いからかなー。

    • Nori1022さん、こんばんは。
      そうなんです。冬になるとテトラポットの隙間に集まってきて、あんまり動かなくなるみたいで、一撃です(^_^)
      水の冷たさは結構影響してそうです。こちらの水温はただ今0℃に限りなく近づいている状態なので。
      餌もほとんど食べなくなるようで、結果泥臭さのようなものもなくなり塩焼きでもかなりイケます。

  2. 覚悟してください・・・って。(笑)
    確かに写真で見ても、後から作った甘露煮の方が甘露煮風より断然旨そう。^^

    • kuniさん、こんばんは。
      このブログのウグイ料理の記事はなぜか良く読まれているみたいなんですが、ウグイに興味ある人がそんなにいるとはどうしても思えないので、一応前置きしておいた方が良いかなーと思って(笑)
      並べて食べ比べてみると、本格派の甘露煮の方が身がしっとりしていて断然うまいんですよね。

  3. こんばんは。
    なるほど、低温で煮るのがポイントですか。
    自分も今シーズンは圧力鍋を使わずにやってみます。

    • マンボウさん、こんばんは。
      私も上記サイトの記事を読んで初めて知りましたが、弱火で長時間煮詰めるのが甘露煮の肝だったようです。
      圧力鍋で作ったものだけを食べれば、こういうものかと思いますが、両者を並べて食べ比べると違いは歴然でした。
      でも、仕上がりまで時間かかるんですよねー(^_^)

  4. 人気ナンバーワンカテゴリーのウグイ記事は久し振りですね^_^
    ウグイは食べた経験がありませんが、今度長野で釣ったら塩焼きにしてみたいと思ってます。
    それにしても、テトラの隙間で掬えるとはビックリです。

    • 七流釣師さん、こんばんは。
      最近はジムニーのスピーカーに関する記事に妙にアクセスがありますが、相変わらずウグイの記事も人気なんですよね。ウグイ料理がそんなに読まれるなんて意外ですが。
      久々にウグイをたくさん捕ったので、甘露煮の他にもいろんな料理にしました。今後ウグイ料理の記事が続くかもしれません(笑)
      テトラの隙間は私の秘密ポイントです。冬には魚が集まってくるみたいですねー(^_^)