私はジムニー(JB23)を山や川へ行くのに使っています。
プリウスだと入って行くのをためらうガタガタの林道でもジムニーなら余裕。ちょっとしたスペースがあればどこでも駐車できるのも強みですね。
昨年からテントを背負って渓流泊を始めましたが、場合によっては車中泊ができるといいんだけどなぁ、と思っていました。それもジムニーで。
ジムニーで車中泊ができるようにベッドを作ってみます。
長編になるので、骨組み編と床板編の2回に分けてお送りします。今回は骨組み編です。
ジムニー JB23 車中泊ベッドを作る|その1-骨組み編
製作にあたってはこちらのブログ(※2018.7月現在ブログ閉鎖されているようです)を参考にさせていただきました。ありがとうございます。
サイズは書かれていなかったので、自分で計測して最適値を算出しました。
ジムニーは普段は、後部座席を倒してフラットにしています。後ろに自作ゲタを置いて平らにしてパンチカーペットを敷いています。自転車を積む時は、この上にさらにブルーシートを敷きます。荷室フラット化については、こちら。
助手席側の後部座席座面を外す。
JB23の1型は、後部座席の座面を前にはね上げて背面を倒す仕様です。型によってこの後部座席の畳み方が違うものがありますね。
助手席側の後部座席の座面を外します。黄色矢印のボルト2本で簡単に外せます。
写真2枚目は外した状態を助手席側から撮ったもの。
助手席シートを一番前まで移動して背面を倒せば、ジムニー車中泊ベッド設置の前準備完了。
イレクターを使って車中泊ベッドの骨組みを製作
当初は塩ビパイプでできないかなと思ったけど、強度的に不安があったのと適したジョイントパーツがないので、ヤザキのイレクターシリーズを使うことにしました。
イレクターパイプ(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)
- 材質 … 鉄パイプにプラスチックをコーティング
- 太さ … 直径約28mm
- 質量 … 約520g/m
- カラー…ブラック、アイボリー、ガーデニンググリーン、メタリックゴールド、パールシルバー
- サイズ…300、450、600、900、1200、1500、2000、2500、3000、4000mm
イレクターパイプは、鋼鉄パイプにプラスチックを接着被覆したのものです。
28mm径のものが標準ですが、他にも42mm径のものもあるようです。通常の用途なら28mm径で十分な強度があると思います。
丈夫で軽く、さらにパイプ内面には塗装が施してあるため、錆びに強く、清潔さも長く保つことができます。
ジョイントパーツも豊富なので、棚を製作するのにもよく使われます。
扱っているホームセンターもありますね。
ジムニー車中泊用ベッド骨組みの材料と道具一式。
- イレクターパイプ900mm ブラック…2本
(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る) - イレクターパイプ600mm ブラック…6本
(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る) - ジョイント J-5…3個(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)
- ジョイント J-12B…3個(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)
- ジョイント J-4…2個(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)
- ジョイント J-7B…1個(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)
- アジャスター EF-1200S…4個(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)
- イレクター専用ハンドカッター EK-1(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)
- サンアロー接着液(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)
イレクターパイプは金鋸でも切れますがかなり大変そうなので、専用のハンドカッターも購入しました。イレクターパイプは今後も工作に使えそうなので、このカッターがあった方が良いと思って。
接着液はパイプとジョイントを固定するのに必要です。
イレクターパイプはもっと重いかと思ったら意外と軽くて扱いやすい。
写真1枚目、900mm(2本必要)と600mm(6本必要)のイレクターパイプ。
ジョイント J-12B(写真2枚目、3個必要)。
ジョイント J-5(写真1枚目、3個必要)とジョイント J-7B(写真2枚目、1個必要)。
ジョイント J-4(2個必要)とアジャスター EF-1200S(4個必要)。
イレクターパイプを必要な長さに計って切ります。
赤マジックで印を付けました。パイプが黒だと見えにくいですね。
アイボリーなら印が書きやすいと思います。
ハンドカッターで簡単にきれいに切れます。
ハンドカッター、こんなんでほんとに切れるのかな。
最初にハンドルを左にグルグル回して緩めます。
パイプが入る状態になるまで緩めて刃を動かします。
パイプを入れたら、ハンドルを右に回して、刃が先ほど付けた印の位置に合うようにします。
反対側には二つローラーがついていて、刃とローラーで挟む形になります。
写真2枚目の黄色矢印方向にハンドルを回して、ある程度締め付けた状態でパイプを赤矢印方向に(逆方向でも良いけど)グルグル回します。
そしてまたハンドルを少し締め付けてパイプをグルグル。これを繰り返しながら少しずつ切っていきます。
ハンドルを一気に強く締め付けるとパイプを回すのにもの凄く力が必要になるので、少しずつ締め付けていくのがコツです。
少しずつ切っていく様子。
しばらくグルグルやると、パイプ内側に(写真2枚目の黄色矢印)刃の跡が見えてきます。
こうなれば、もうすぐ切れます。
もう少し締め付けてグルグルやると、パキンっと音がしてパイプが切れます。
少しつながった部分が残ると思うので、パイプを回せばそこもちゃんと切れます。
思ったよりも簡単にきれいに切れます。このハンドカッター、使えるな。
切れた状態、切れ目の両側にローラー跡が付きますが特に問題ないです。
というか、このローラー跡のある方にジョイントを差し込むと接着なしでも抜けにくくなるのでちょうど良いです。
切断面はこんな感じ。こうやってみると、樹脂の被覆が厚くてスチール部分はかなり薄いですね。これなら軽いはずだ。
カットサイズは以下の通りです。
- 900mmのパイプ1本は、850mmにカット。
- 900mmを620mmと190mmにカット。
- 600mm3本を502mmにカット。
- 600mm1本を323mmと215mmにカット。
- 600mm1本を350mmと180mmにカット。
- 600mm1本を320mmにカット。
本当は900mm3本と600mm5本購入すれば余りが少なくなるはずです。
実際には私は900mmパイプ1本はそのままの長さで使いましたが、バラして収納することを考えると850mmにカットした方が良いです。この件は『床板編』に詳しく書きました。
サイズさえわかれば、作業は簡単。
パイプのカットサイズは以下の通り(赤文字)です。
ジョイントを含まない、パイプそのもののカットサイズです。
カットしたパイプとジョイントを組み合わせてみたところ。
Aの部分がへこんでいるのは、シフトレバーを避けるため。
黄色文字がジョイントパーツ。赤い文字がパイプのカット寸法です。
★2017.5.25追記:
床板を支えるのに、短辺方向パイプの床板継ぎ目部分にジョイントJ-7を設置するとより完璧になります。その件は床板編をご覧下さい。
ただ、このままでも実用上は全く問題ないです。
実際には接着材で固定する前にジムニーの載せて微調整して寸法を割り出しました。
最適なサイズを割り出す、この作業が大変でした。
接着していないとジョイントからパイプが簡単に外れてしまうので、持ち運ぶだけでも大変。
真ん中のパイプから出す脚がカップホルダーに干渉するので、端のジョイントにくっつける位置で固定することにします。
慣れないと接着材の扱いが難しい。
パイプとジョイントを接着材で固定します。
接着材といっても、実際には樹脂皮膜の表面を溶かしてくっつけるための溶剤です。
なかなか健康に悪そうな臭いがするので、換気に注意です。
スポイトに先端を装着して接着材を吸い取ります。こんな細い先端から吸い込めるものなんだな。
パイプとジョイントをしっかりはめ込んで、隙間に接着材を流し込みます。
フローリングについたりすると傷めてしまうので、何重かにして紙を敷いた方が良いです。
はみ出した部分は拭き取らずに自然に乾くまで待ちます。
はみ出した接着材を手で触っちゃったりして、写真を見ての通り手がまっ黒(>_<)
この作業、簡単そうに見えて慣れないと結構難しいです。
それと、この接着(実際には溶着)は超強力で剥離剤もないので一度くっつけたら剥がせません。くれぐれもしっかりサイズが大丈夫か確認してから、接着して下さいね。
ともかく、全箇所に接着材を流し込み、そっとそのまま乾かします。
写真2枚目は、天板部の骨組みの完成図。上にも書いた通り、左から2番目のパイプは一番左のパイプジョイントとぴったりくっつける位置にしてあります。
後部座席と高さをピッタリ合わせる。アジャスターが活躍。
ジムニーの載せてみます。
接着材で固定すると安定感ありますね、さすがに。
メジャーでおよその脚の高さを割り出します。脚が設置する部分は4つとも高さが違うので、4本とも計る必要があります。
脚に付けるアジャスターで3cmくらいの調整ができるので、その分を見込んで誤差が吸収できるサイズにします。
この骨組みだと、シフトレバーは完全に回避できていますが(写真右側に写っているのは四駆切り換えレバーで、シフトレバーはその前方にあります)、ちょうどサイドブレーキの上にフレームがある状態になります。ベッド形態のまま運転するとなると、ややサイドブレーキは引きにくいですが、ベッド使用時の快適性を優先しました。
まぁ、ベッド形態のまま運転するのは基本的にはしないと思うし。
パイプのカットサイズは上記しましたが、実際には天板部分の骨組みができあがってから、脚のサイズを割り出して、それから脚部はカットしています。
たくさんカットしていたら、だんだん腕が疲れてきた。
写真1枚目のように両手でパイプを持って(実際には黄色丸印を右手でも掴んでいます)、床にハンドルを押し当てグルグルと手前に回すと力が入れやすくて楽です。
写真2枚目が脚用に切り出したパイプ。
350mm、320mm、215mm、185mmです。全てアジャスター抜きのパイプカットサイズです。フロアマットを敷いた状態のままで使うのを前提にしています。
ジムニーに設置して脚の長さを再確認します。
脚を差し込んでアジャスターで調整。
左前の脚は、当初黄色矢印の部分に刺すつもりでしたが、左先端の方が安定しそうなのでそちらに刺すことにしました。
アジャスター調整で、折りたたんだ後部座席の高さとぴったり合わせます。
安定度抜群で良い感じ。
脚を装着した状態。上にも書きましたが、脚のサイズはアジャスタを含まないパイプ自体のカットサイズです。
右下の脚は実際には黄色矢印の所に刺して使うことにしましたが、どちらに刺す場合も350mmでOKです。
この車載ベッドは常設じゃなくて普段はバラしておくので、敢えて脚は接着せずに差し込むだけにして設置します。カット時のローラー跡があると脚が抜けにくいので、ローラー跡のある方を骨組みに刺す方にします。
アジャスターはパイプとしっかり接着しておきます。
ここまでできればあとは床板の製作。
骨組みができあがりましたー!
強度と安定感は抜群で、上々の出来上がりです。
私と同じJB23-1型のマニュアル車であれば、ここに記載した通りのサイズで作れば間違いありません。
オートマ車だとシフトレバーと干渉するへこみ部分の左右方向は狭く、前後方向はもう少し必要になるかもしれませんね。その辺りは現物合わせしてみて下さい。
JB23ならそんなには違わないと思われますが、型によって脚の設置部分の凹凸なんかも若干違うかもしれません。メジャーを当てて、確認してからカットして下さいね。
★2017.5.31追記:
一つ忘れてましたが、私はシフトノブを純正から細長いものに変えています。
純正ノブの方が大きさがあるので、へこみ部分をもう少し広げた方が良い可能性があります。その辺りは床板と合わせて実車でサイズ確認してみて下さい。
骨組みの材料費は3,500円ほどでした。格安ですね!
他にパイプカッターが3,000円ちょっとかかってますが、それは今後も使える道具なので材料費には含んでいません。
あとは、床板作りです。
・・・つづく。
続きはこちらです。
コメント
これ出来上がったら(って、もう出来上がってるんだろうけど)相当便利な使えるグッズになるでしょうね。^^
いつもながら素晴らしい。
kuniさん、こんばんは。
ありがとうございます。
これは前から作りたいと思っていたんですが、やっと形になりました。
これで釣りに行った時や遠出の際も選択肢が広がりました。これからの季節に活躍してくれそうです。
実際に使ってみて、改良を加えてさらに使いやすくしたいと思います(^_^)
器用に作りますね、ジムニーは悪路最強かと思ってます。
鮎漁行くときは祖父のジムニーで河原爆走(笑)
Nori1022さん、こんばんは。
作った後で、もうちょっとこうすれば良かったな、という点がいくつかあるんですよね。もう一度作れば完璧なものができます(笑)
ジムニーは本当に悪路では最強だと思います。ランクルなんかだと、車体が重くて狭い道も入っていけないのでスタックの可能性ありますよね。
河原はバリバリ走れますね! お爺さんが乗らなくなったら、もしかしたらもらえるのでは(^_^)
こんにちは 私もファミリーフィッシングにパイプで作ったベッドを使ってますよ(^^) 荷台のベッドは問題ないのですが、運転席と助手席の段差で寝ずらく苦労してます。今回のを参考にさせていただきます。
Kさん、こんばんは。
すでにパイプで車中泊ベッドを製作してましたか。すばらしい(^_^)
フロント座席の凹凸がどうしても気になりますよね。
参考になればうれしいです。やはりフルフラットで寝られるのは最高です。
お乗りの車でもパイプの骨組みで後部とフラットになれば良いのですが。
こんにちは。
後席座面を外して、助手席をフラットにしてお終いか、フラット助手席に床板を直接置いて凹凸を無くせば立派と思います。
そこに更にフレームを用意して、一体化された完全フラットを狙うのは凄いですね。
一枚フラットにして居住性を向上させた記事が楽しみです。
マンボウさん、こんばんは。
テント泊でもそうですが、ちょっとした凹凸が結構気になって安眠できないんですよね。今回はなんとか完全フラットにできたので、寝心地は良いと思います。
今までは、釣行で泊まろうと思うとテント泊でしたが、状況に応じてこれからは車中泊も選択肢に加わりました。
車中泊テストもしてみたので、また後日書きたいと思います(^_^)
こんばんは。
ジムニーで車中泊は、少し工夫がいりそうですね。ほんの少しの段差でも熟睡出来ないことが多いので、この努力は価値ある気がします。山中なら真夏でも閉め切ったままで平気で眠れますよ。
七流釣師さん、こんばんは。
大きい車だと車中泊も悩まずに快適だと思いますが、ただでさえ狭いジムニーだとかなり工夫をしないといけないですね。
おっしゃる通り、少しの段差でも寝るとなると気になって安眠できないんですよね。今回はほぼ完全なフルフラットになったので寝心地は良さそうです。
これからの時期は山の中で気持ち良く寝られそうです。オバケがちょっと怖いけど(笑)