渓流釣りをしていると、時々天然ワサビに出会うことがあります。
ワサビのハート型のツヤツヤした葉を見かけると嬉しくなります。
ワサビは、もちろん根をすりおろして刺身などに欠かせない薬味になるし、茎や葉や花は葉ワサビとして食べられます。
ただ、ワサビは生育する環境条件がとてもシビアで繁殖力も弱いので、渓流に生えている天然物の根を乱獲してしまうと、すぐに絶えてしまいます。
実際に、私が良く春先に行くワサビ沢では一箇所は乱獲でほぼ壊滅状態となってしまいました。葉ワサビはある程度採っても大丈夫ですが、根は必要最低限だけにしたいですね。
ワサビは泥の混じらない砂礫底の浅瀬に生育するので、そもそも根がそれほどしっかり張っていないので、大水が出ると流されてしまうこともままあります。
大雨の後、平水に戻った下流部の岸辺にワサビが流れ着いているのを見かけることも。
春先にちょうどそんな流れ着いたワサビがあったので、それをもらってきて、実家近くの沢に移植してみることにしました。
ワサビの生育条件は?
ワサビは以下の要件を満たしていないと生育できないと言われています。
- 濁りのない清澄な水が安定して流れる砂礫底であること。
- 年間を通して水温10℃〜15℃であること。
- 鉄や硫黄などを含まず、中性の水であること。
(1)については、粘土質の泥が堆積しているような場所だと根が酸欠になって生育障害を起こします。
(2)については、水温が16℃以上になると水中の酸素量の欠乏による生育障害を起こします。冬場に水温が10℃以下になるような渓流にもワサビは自生しているので、低温側はもっと適応できるんじゃないかと思いますが。
※栽培する場合は、上記のような条件で育てる『沢ワサビ』と流水の中ではなく比較的湿気が多い夏涼しい土地で育てる『畑ワサビ』がありますが、畑ワサビは品質がやや劣ります。
ワサビは生き残ることができるか|ワサビ増殖計画
今年(2019年)の3月、とある川に流れ着いていたワサビ。
このくらいの小さいのが二株流れ着いていました。これの根を小分けして実家近くの沢に植えてみたんです。
あいにく雨がパラパラ落ちてきていたし、足元はちゃんと準備ができていなかったのでぐちゃぐちゃになるしで、植え付けているところの写真は撮っていません(^_^;)
さて、あれから3ヶ月以上は経ち途中には何度か大雨もあったのでちょっと様子を見に行ってみます。
林道をてくてく歩きます。
この林道の左側に沢が流れています。この沢は雨が降ると水量がかなり増えて激しい流れになるのでこの沢筋には植えないで、ここに流れ込むさらに細い沢に植えました。
沢というか水が染み出してちょろちょろ流れてるだけの狭い谷だけど。
場所選定を誤ってしまったのか?
改めて写真で見ると、水が流れているところは砂礫だけど雨が降ると両側の斜面から泥が流れ込みそうだね。あんまり場所としては良くなかったかなぁ。
周りはアカマツ、カラマツの根生林といったところ。
昔植林したんだろうけど、今はほとんど手を入れていない様子。切り倒されたままの木にもこんなに苔が生えているから、この木を切ったのだって相当前でしょ。
ともかく3月にはこの細い流れに、根をできるだけ小さく分けてワサビを植え付けたのです。
どうだろ、ちゃんと根が付いて成長してるかな。
10箇所に植えたと思うけど、植えた場所をはっっきり覚えていない。
うーん、もしかして枯れちゃった?
もう少し遡っていくと、
生きていたワサビ。もっともっとワサビを増やしたい。
あった、あった!
茎がしっかり伸びて葉の枚数も増え、ちょっと虫に食われてるけどだいぶ大きくなったよ。
それから上に行くと、ここにも、ここにもちゃんとツヤツヤの葉を広げているじゃないですか。嬉しい!
流れの真ん中じゃなくて、大雨が降っても流されにくいような脇の方に植えておいたので、夏の渇水期が大丈夫かどうか。
これなんて私の手のひらより大きくなったよ。しっかり元気に成長してくれました。
全部で9箇所ちゃんと生きていました。10箇所に分けたはずなので、1箇所だけはちゃんと根付かなかったってことか。
まぁ、今のところ上々でしょう。
実は昨年の春も別の場所に植えたんですよね。
でも、そちらは半年後くらいに見に行ったらきれいさっぱりなくなってたんですよ(T_T)
せっかくここまで来たから、そっちももう一度見に行って見よう。
林道脇から染み出した水が緩い傾斜を流れて沢へと注ぐ場所。
ここはいつ来てもこのくらい水が流れていて、大雨でも激しい流れにはならないのでワサビが定着するかなと思ったんだけど・・・
今から思えば底にはかなり泥が混じってるんですよね。根が酸欠になってしまったんでしょう。
その流れが沢へと流れ出す場所。
あっ、ワサビあるじゃん!(写真右下)
一つだけ復活していました。
でも、この写真を見てもわかるけど、砂礫というより粘土質っぽい場所で厳しそう。
だけどこの場所で、雪に埋もれて一冬越して一年以上生きていたことになるよね。
このワサビと新たな場所の9つのワサビ、来年の春まで残っていてくれるかなぁ。
期待を抱きつつ帰ることにします。
山を歩けば、他にも自然の恵みが。
広葉樹の倒木からヌメリスギタケモドキが生えていました。
このキノコは梅雨時にもちらほら見かけますね。ヌメリがあって汁物や麺類に入れたり、佃煮にすると美味しいです。
キイチゴもなってるじゃん。
林道を歩いていてこれを見つけると、ほんとに嬉しい。
このオレンジ色に輝く果実、酸味が少なく甘いので森のおやつとしては最高。
MTBで汗をかきながら林道をひたすら上っている時に、これを見つければこの上ない幸せ。
台風の季節が終わる頃、もう一度パトロールに来よう。
それと平行して、ワサビの生育に適した小沢探しもしておこうと思います。
身近にワサビが採れる沢をどんどん増やしちゃおう、という計画は続きます。
★2021.11.10追記:
その後2年くらいの間に少しずつ植え付けをして、何箇所かはしっかりと定着して葉を茂らせてくれました。生息環境はシビアですが、計画は少しずつ前進しています。
コメント
わさび増殖計画、良いですね。^^
まさか、そんなミッションが水面下で・・・いや、水面上で行われていたとは。(笑)
でも、9株+1株が順調に成長しても、情が移ってしまって食べれなくなるかも。
kuniさん、こんばんは。
そうなんです、水面上でミッションが進行中なのです(笑)
確かにこの10株はしばらくは食べるわけにはいかないと思います。
このまま一冬越して根がしっかり大きくなって、株分けできるくらいになったらまた分割して増やして・・・実際に増殖したワサビを食べられるのは何ヶ所か「群生」と言えるような状態なってからですかねー(^_^)
おはようございます。
ワサビの増殖、良いですね、条件が合えば意外と簡単に活着しますが、長い期間を見ないと荒れたりして絶えてしまいますね、一番いいのは湧き水でしょうがなかなかいい場所がないです、問題は夏ですね、山歩きの楽しみが増えましたね。
ハックル70さん、こんばんは。
ワサビが生育する条件ってなかなか難しいですよね。ある時期には最適に見えても春夏秋冬通すと、安定した水量と水温ってなかなかない気がします。
おっしゃる通り湧き水のある場所なら良いと思うんですが・・・
今後は山を歩く時は、小さな沢をキョロキョロと探すことになりそうです(笑)
こんばんは。
ワサビいいですね。
でも、我目には至難です(恥)
ワサビとフキの区別が付くがどうか不安のレベルですが、今年はヌメリスギタケモドキが目に入ってきたので、ワサビとフキも識別できるかも(笑)
マンボウさん、こんばんは。
ワサビは好きなので、身近な場所にたくさん増やしたいと思うんですよね。
ワサビとフキ、遠目には似て見えるかもしれませんが、ワサビの葉はツヤツヤでハート形をしています。それに、茎を囓ってみるとワサビの辛みがあります。
それより何より、少し掘って根を見れば一目瞭然です(^_^)
ワサビって育てるのにシビアなんですね
Kさん、こんばんは。
本格的にワサビ畑を作れば栽培自体はそれほど難しくないみたいですが、自然環境でワサビの生育に適した場所を探そうとするとなかなか見つからないです。
ワサビは木曽でも栽培しているところがありますね。
なんとか良い場所を見つけて、身近な沢にワサビを群生させたいと思っています(^_^)
こちらは暖かすぎて近所には生着不能(笑)岩魚釣るあたりにたまに見るくらいです。
Nori1022さん、こんばんは。
そちらは大雨だったみたいですが、大丈夫でしょうか。
そちらはさすがに夏場の水温が高すぎてワサビの生育は厳しそうですね。早い時期からウェットウェーディングできるのは羨ましいですが(^_^)
こちらでもワサビを見かける沢は限られるので、自然繁殖しているワサビは貴重ですね。
こんにちは。
いつも参考にさせて頂いております。ワサビですが土に植えると茎や葉が大きくなり芋は大きくなりません。また川の流れる浅瀬の岸に石を置くだけで今度は逆に芋が大きくなります。実は僕も近くに沢に移植しています。2年目くらいから芋が分岐するので、ある程度大きくなったら折って分けるといいですよw茎ワサビなんて僕の仲間はとても喜びます。
jet002さん、こんばんは。
やはり根を大きくしたければ土がない所が良いんですね。
浅瀬の岸ってのがなかなか難しくて、大水が出ても流されないような場所を探そうと思います。
ある程度定着したら株分けしてどんどん増やすつもりなんですが、まずは今回の場所が1年乗り越えられるかどうかですねー。
私もワサビが増えても根はあまり採らず、主に葉ワサビを採って楽しむつもりです(^_^)
こんにちは。
これはこれは面白いことを計画していますね。いいですねぇ、こういうの。
自分も今年の春、知人から行者ニンニクの株を分けて貰い、カミさん家の耕作放棄地に植え徐々に増やそうと計画しています。
秋に様子を見に行ってきましたが、雑草繁茂の上にイノシシが掻き回すやらでエライことになってました。それでも何株かは根付いたようですがね。
自然の中で育つ山菜は栽培が難しいようですが、お互い頑張りましょうね。
naotyanさん、こんばんは。
そうなんですよ、なかなか面白そうでしょ(笑)
行者ニンニクは実家の畑にも植えていまして、根を取らなければ結構増えますよ。
野性の行者ニンニクは葉っぱだけにしておいてくれれば良いのに、文字通り「根こそぎ」持って行ってしまう人がいて、絶えてしまうことも多いですが。
イノシシは厄介ですよね。とにかくいろんなものを掘り返しちゃうので。
そうですねー、山菜栽培、お互い頑張りましょう!
行者ニンニク、進展があったらまた教えて下さい (^_^)
初めまして。70歳で大転機。東京の町から栃木の里山で自然の恵みをいただいている者です。山の湧水を利用してワサビ作りに挑戦したいのですが、水の量が少なく無理だと又、この辺でワサビを作っている方はいないと言われがっかりしていましたが、天然ものの育成環境を考えると、少ない数なら何とかなるのかと思えましたがどうなんでしょうか。水道の蛇口を少し開けたくらいの量が途切れずに流れています。おかげで畳3枚ぐらいの池は完成することが出来ました。蛍も出る素敵な環境に感謝し老後の生活を楽しんでいます。アドバイス宜しくお願い致します。
隠居さん、初めまして。
東京から移住されて?里山暮らしをされているんですか。楽しそうですね。
栃木県のどの辺りなのかにもよりますが、気候はうちの辺りと近いのかもしれないですね。
本文最後に追記しましたが、私は2年くらいかけて少しずつ植え付けましたが、何箇所かはしっかり定着してくれました。
自然環境で一番定着しやすいのは、崖のような比較的急斜面で水が染み出しているようなところでした。
その経験からお答えします。
本文にも書いたとおり、一般的にワサビの生息環境は、
(1)濁りのない清澄な水が安定して流れる砂礫底であること。
(2)年間を通して水温10℃〜15℃であること。
(3)鉄や硫黄などを含まず、中性の水であること。
ということになります。
(1)については、雨が降ると泥水が流れ込んで溜まってしまうようなところはダメですね。
(2)については、低水温には思ったよりも強いです。冬でも凍らずに水がちょろちょろ流れ続けてくれさせすれば、ワサビは生きています。問題は夏の暑さです。水温が15℃を超えてしまうところでは死に絶えてしまいます。
(3)はそのままその通りです。
上記を踏まえて、水道の蛇口を少し開けたくらいの量が年間を通して途切れずに流れていて、それが冬にも凍ることがなく、夏に15℃以上にならなければワサビが定着するかもしれません。
他には泥底でない、大雨が降って流されるようなことがない、などの条件はありますが。
水さえ良ければ(水温や水質)、あとは流れの底の状態なので、ご自分の敷地内であれば砂礫を入れて環境を整えることもできそうですよね。
とりあえず少量だけ植えてみる価値はあるんじゃないでしょうか。
蛍が見られる池、いいですね!
私が子どもの頃は、家の前の田んぼにもたくさん飛んでいましたが、今はすっかりいなくなりました。
うちの近くの辰野町では観光用に蛍に力を入れているので、そこへ行けば見られますが(笑)
ご自宅の池に蛍が飛んでいるのは素晴らしいです。
蛍が生きているなら、水質はワサビにとっても問題ないでしょう。後は、夏の水温ですね。