今年デビューを果たした渓流ベイトフィネス。
簡単にいうとベイトタックルで、軽いルアーをピンスポットに投げる釣り方。
最初はFishman Beams blancsierra5.2ULとシマノ カルカッタコンクエスト BFS HGの組み合わせでキャスティング練習を開始したんですが、これにことのほか手こずり、フィーリングの違うスミス BST-EXS43ULを使ってみたら、やっと渓流ベイトフィネスのキャスティングのコツが掴めたのです。
仕舞い寸法も全長も短いスミス BST-EXS43ULは正に源流仕様で、これからバリバリ使うぞと思った矢先、高巻き時にロッド破損してしまうという憂き目(>_<)
ロッドをメーカー修理に出している間に、テレスコピック(振り出し)の渓流ベイトフィネスロッドが気になり出し、ついには買ってしまったのです。
源流に持っていくべきベイトフィネスロッド|Fishman Beams Xpan4.3LTS
Fishman Beams Xpan4.3LTS (楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)
全長:130cm(4.3ft)
マテリアル:4軸カーボン
ガイド:Kガイドステン
自重:93g
継数:4ピース
仕舞寸法:40cm
ルアーウェイト:3~8g
ライン:0.4~0.8号(2~6lb Braid Line)
このロッドの良いところは、仕舞寸法が40cmと短くてしかも振り出し竿なのでコンパクトに収納できて機動力が高いこと。
スミス BST-EXS43UL同様、伸ばしても4.3ft(1.3m)しかないので、超源流や藪沢でも安心して振ることができます。
左がBST-EXS43UL、右がXpan4.3LTSです。全長は同じですが、Xpan4.3LTSの方がリールシートが上の方についているので(つまり握る部分が上の方になるので)振った時にはさらに短く感じます。
写真2枚目は仕舞った状態。BST-EXS43ULは変則3本継ぎなので仕舞い寸法は550mmと意外と長く、Xpan4.3LTSは400mmしかありません。しかも振り出し竿なので高巻き時にBST-EXS43ULを折ってしまった時のような心配はないでしょう。
愛用のベイトフィネスリール、カルカッタコンクエストBFS HGをセットしてみました。
さすがにこの短いロッドと200gあるカルカッタコンクエストはアンバランスかな、と思ったけど振ってみると意外と違和感ないです。
BST-EXS43ULとの組み合わせだとちょっとアンバランス感があるので、重量130gのアルデバラン BFS XG(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)の方が良いと思われます。
リールからラインを出して、130gくらいのオモリをぶら下げてみました。
写真1枚目がBST-EXS43UL、2枚目がXpan4.3LTSです。
ロッドカーブがだいぶ違いますね。
BST-EXS43ULはロッド全体が曲がるのに対し、Xpan4.3LTSはロッドの先の方しか曲がりません。
Xpan4.3ULは「ブランシエラ5.2ULの曲がりを移植」とメーカーが謳っている通り、ブランシエラ同様バットは曲がらず、真ん中から先だけが曲がる感じです。スムーズなロッドカーブではないのでちょっとギクシャクして見えて「こんなんで大丈夫?」と思っちゃいますが(笑)
でも、これがブランシエラ同様ロッドのブレを抑えてピンポイントキャストしやすい仕上がりになっている理由なんでしょう。
ティップは細くて柔らかいので、この130gのオモリをぶら下げる時に折れないだろうなとちょっと心配になりました。このロッドに限らずテレスコピックは破損しやすいので要注意です。
これだけコンパクトに収納できるロッドがその実力を一番発揮できるのは、やはり藪漕ぎや高巻きをしなければいけないような源流部。
テレスコピックはルアーを結んだままでも収納できるところも良いんですよね。
このロッドのデビュー釣行の時に「フックキーパーがないのがとても残念」と書きました。
確かにフックキーパーは欲しいんだけど、よく考えたらバット自体もグリップ内に収納されてしまうので、フックキーパーを取り付ける場所がないんです。仮にグリップ側の最上部に取り付けたとしてもルアーを付けたまま収納するとルアーがティップやガイドに干渉するし、トップカバーが装着できなくなってしまう。
結局のところ、ルアーを付けたまま収納する場合はグリップのEVA部に輪ゴムを巻いてフックを引っかけておくのが一番良いのか。
ロッドにはティップカバーが付属しています。
ただこれがいまいちカバー力が弱いというか、強い力が掛かるとティップを破損しそうな不安があるんですよね。
そこでアマゾンで樹脂製のティップカバー(アマゾンで見る)を購入。
投げ竿なんかによく付いているカバーですね。サイズ的にも機能的にもこれが一番良いです。
私が買った時は3個で258円(税込・送料無料)でした。格安!
リールを付けたまま装着するとこんな感じ。これならすっきりがっちりティップを守ってくれます。
Xpan4.3LTSを実際に渓流で使ってみる。
ブランシエラ5.2ULに比べるとかなり短いので、川の中に立ち込んでのキャスティングでも石や水面を叩くようなことがなくて源流域でも振りやすいです。
上記のオモリぶら下げテストの見た目通り、BST-EXS43ULに比べると硬い印象を受けます。
AR-S 3.5gは普通に投げられるけど、ブランシエラ5.2ULのようにぐにゃっとティップが曲がって自然に飛んでいくといった感じではありません。
キャストフィールは長さが同じBST-EXS43ULに近いですが、BST-EXS43ULに比べてバット部は太くて曲がりません。
AR-S 3.5gだとロッドの弾力を生かしたキャスティングという感じにはならないので、4.5gも使ってみます。4.5gの方がビシッとキャスティングが決まります。
短くて硬めなので、他の2本のロッドよりもミノーのトゥイッチングに向いていますね。
流れに逆らった逆引きでも、ルアーが操作しやすく、4gのスピアヘッドリュウキ45S(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)との組み合わせは良い感じです。
このロッドはカタログ上は適合ルアーは3〜8gとなっていますが、一番ストレスなく投げられるのは4〜5g辺り。
6.5gのAR-Sも投げてみましたが、ティップがルアーの重さに負けてしまう感じです。
このアマゴはシルバークリーク シャッド50Fで釣りました。
Fishman Beams Xpan4.3LTS の長所と短所。
長所
- テレスコピックなので、機動力は抜群(ルアーを結んだまま収納可能)。
- 4.3ftという短さなので、大岩の源流域や藪沢でもストレス振れる。
- バット部が太くて硬いので、ミノーのトゥイッチングをしやすい。
短所
- ストレス無くキャスティングできるルアーウェイトが限られる(4〜5g)。
- ブランシエラ5.2ULに比べると、キャスティングの爽快感がない。
- ティップ部を破損する危険度が高い。
コンパクトに収納できるので、今シーズンはフライタックルと一緒に持っていくことが多かったです。
こんな風に30Lのバックパック(リッジラインパック 30)のサイドにリールを装着したまま、ルアーも結んだまま収納して装着することができるのは、ほんとに便利です。
今シーズンは、ドライフライで魚が出て来ない時に、ベイトフィネスタックルに持ち替えてルアーを投げてみる、というような使い方が多かったです。
増水でフライでは釣りにくい状況でもルアーならかなり対応できますね。
ドライフライを浮かべても全く魚の気配がない時でも、AR-Sを引くと魚が追尾してくるのが見えたり食ってくることも多々ありました。
今シーズンは渓流ベイトフィネスに関しては試行錯誤の年だったので、来シーズンはもっと本格的に楽しめると思います。
渓流ベイトフィネスは、キャスティングについても使用ルアーについても実際に今シーズン釣ってみてわかったことがいくつかあるので、近々個々の記事に追記したいと思います。
万が一のティップ破損に備えて。
『破損しにくいテレスコピック』と謳われていても、このアクションだとやはりティップ破損の危険性はあります。
Fishmanではロッドのパーツ売りをしてくれているので、万が一ティップ破損をしても自分で交換修理することも可能です。
ティップを破損した場合に必要なのは、
ティップ…7,700円(公式サイトで見る)と、
トップガイド…341円(公式サイトで見る)です。
後は、2液タイプのエポキシ接着剤があればOK。
ティップの交換修理の方法は下記動画で詳しく紹介されていて、作業はとても簡単です。
パーツ代が8,000円くらいしますが、パーツが入手できるうちに予備として買っておくと安心ですね。
★2020.6.14追記:もう一つの源流ロッドブランシエラ3.9UL Limitedを購入しました。
コメント
ボクはきっともう渓流のルアーには戻ることはないだろうけど、20年前に出会っていたらベイトフィネスに足を踏み入れていたかもしれません。^^
テレスコピックのロッドは、ボクが20代の頃にバス用のウルトラライトロッドを持っていました。
この1本でバスは勿論のこと、ハゼ釣りとか、根魚釣り、更にはジャマイカでメッキまで釣っちゃいましたから、やっぱり機動力に敵うものはないと言う感じですよね。(笑)
kuniさん、こんばんは。
渓流ベイトフィネス、フライフィッシングとは別の武器を手に入れたような気分で多楽しいです。kuniさんがやらないなら、息子さんがやってみると良いかも(笑)
パックロッドも携帯性は良いんですが、テレスコピックの機動力には叶いませんよね。
ジャマイカでメッキ釣ったんですかー。楽しそうですねー(^_^)
テレスコピック 昔は好きではありませんでした。でも 今シーズン、テンカラをはじめて コンパクトにできる竿が好きになりました。そして、何かの記事で フライの竿にもテレスコピックがあるみたいですね。気になります(^-^)
Kさん、こんばんは。
スピニングのテレスコピックを持っているんですが、それは硬くて私もあまり好きではなかったんですよね。今回のロッドはティップが柔らかいので、だいぶ扱いやすいです。
テンカラ竿は、と言うかテンカラの場合は仕掛けも含めて一番コンパクトな道具で釣りができるのも魅力的なところなんですよね。
フライのテレスコピックロッドはいつか試してみたいです(^_^)
おはようございます。
どんどん源流でも使えるルアーが進出してきているんですね、毛ばりと違って振り込みも上手く出来そうですし、携帯も便利、時代の流れでしょうが少し寂しい気もします。
ハックル70さん、こんばんは。
以前は渓流用の軽いルアーを投げるにはスピニングリールでなければ無理でしたが、ベイトリール(両軸受けリール)が進化して、渓流でも使えるようになりました。
今回の竿は1.3mしかないので、障害物の多い超源流や藪沢でもストレス無く振れるところが強みですね。
新しい釣り方が出てきても、昔から続いている釣り方にはまた違う楽しさがあるので、私は新しい釣り方だけを追いかけようとは思わないです。
初心に戻って渓流の餌釣りもまたやってみようか、なんて思っていたりします(^_^)
テレスコ持ち運びしやすくて良いですね。僕は4分割のロッド持っていましたけど、高巻きや藪こぎで出したり仕舞ったりするとき面倒でした。
Nori1022さん、こんばんは。
携帯性と機動力の面ではテレスコピックが一番ですね。
そうなんです、パックロッドもかなり携帯性は良いんですが、高巻きや藪漕ぎで仕舞ったり伸ばしたりを繰り返すような場面では結構面倒なんですよね。
ロッドアクションの面では、並継ぎ竿に比べると少し妥協しなきゃなんですが、今回のロッドは源流釣行では活躍してくれそうです(^_^)
私の感覚ですが。
エクスパンはレングスのせいかカルコンだと重心があまりにも
手元のため、フリップしたときにティップにルアーの重さを感じづらく
投げづらいです。リコプテラさんもおっしゃっているとおり、ティップを
しっかり曲げてやる動作がコントロールをよくするコツだと思います。
やはりエクスパンには自重の軽いアルデバランかABUのレボ8あたりが軽量で
ティップにルアーの重さを感じて投げれると感じています。
muraさん、こんばんは。
なるほど、特に違和感ないバランスだと思っていましたが、確かに重心がもっとティップ寄りにあった方がコントロールが効くのかもしれないですね。
アドバイスありがとうございます!
アルデバランかレボ8か、いずれかを試してみたくなりました。
これはまた新たな散財の始まりという気もしなくはないですが(笑)、来シーズンまた楽しみが増えました(^_^)
おはようございます。
Xpan4.3LTSってのは、まさにハイテク製品ですね。
一体、竿の肉厚はどれ程なんでしょう。
産みの苦しみにもがき続けている三菱ジェットにも使われる、高靭性炭素複合繊維なんでしょう。
やはり、東レの技術なんでしょうかね。
マンボウさん、こんばんは。
この竿に限らず、釣具は結構現代科学の粋を結集してますよね。
餌釣り用の竿に比べると、竿の径自体がかなり細いので(元部で実測7.4mm)肉厚は餌釣り用の竿に比べると逆に厚いですね。元部で実測0.91mmでした。
高靱性炭素複合繊維というんですか。
釣り竿にカーボンが使われるようになって久しいですが、日々進化しているんでしょうね。
東レは釣り糸も含め、釣具の進化に大きく貢献してますよね(^_^)
私も全く同じくカルカッタBFSに合わせて使ってます。
仕舞い寸重視で行くと、やはりテレスコは最高ですね!
開発者の西村さんは、ほぼリコプテラさんと同じ方法で釣行されてるそうです。
Keyman さん、こんばんは。
そうなんですね、リールも一緒なんですねー。
源流部で藪漕ぎとか高巻きが頻繁にある場合は、テレスコピックが威力を発揮しますね。私の場合は、フライとルアーをちょこちょこ持ち替えたりするから、尚更ですが(笑)
開発されたのは西村さんという方なんですね。
今年もこのロッドはバリバリ使わせてもらう予定です(^_^)