前日の晩は豪雨の中、なんとか焚き火をして美味しいご飯が食べられたので幸せでした。
そして、雨が上がった頃快適な眠りに就くことができました。
夜中12時頃一度目が覚め、辺りを確認しながら空を見上げてみると雲間に星がチラチラ輝いて見えます。明日は朝から晴れてくれるかな。
ところで、今日釣ったこの沢、瀬戸際ハウスを設営してから少しだけ遡ってみた様子だと、あまりにも平坦な流れが続いていて、淵がないんですよね。釣れた魚もほとんど小型だし、明日このまま釣り上がってもこのまま流れが細くなって終わってしまうかも。
いっそのこと違う沢へ移動しようか・・・ここから移動するとしたら・・・
そんなことを思いながら、再び眠りに就きました。
晴れのち豪雨のヤマトイワナたち|木曽川水系 檜の森
※檜の森というのは私が勝手に付けた名前で、実在する地名ではありません。
4時過ぎに再び目覚めた時には、前方の林越しに見える空はうっすらと明るくなってきていました。
この沢の最上流部はまたあらためて探索するとして、せっかく一泊二日で釣りに来ているんだから、やっぱり今日はもっと釣れる川に移動しよう。となると、檜の森が私を呼んでいる(気がする笑)。
暗いうちから朝ご飯の準備
麻ひもをほぐして、ガムテープもちょっと準備。
細い薪をモーラナイフで少し毛羽立たせます。
そして、着火。昨日薪をしっかり用意しておいたおかげで、今朝はすぐに焚き火ができます。
昨晩の残りご飯に、枝豆天(枝豆の入った練り物)という不思議なものを投入して、塩少々入れておかゆを作ります。
そして、サバ缶入りカボチャポタージュの残りに、フリーズドライの味噌汁を加えて味変してみます。
持って来たキュウリの浅漬けを添えて出来上がり!
本日の渓流朝メシ
・枝豆天おかゆ
・サバ缶とナスの味噌汁
・キュウリの浅漬け
枝豆天入りおかゆは、優しい味わいで渓流の朝にぴったり。
昨晩不評だった(笑)サバ缶入りカボチャのポタージュは、味噌汁になると劇的にうまいです!
満足できる朝食になりました。
焚き火がすっかり灰になるまで紅茶を飲みつつ、その間に片付けも進めます。
瀬戸際ハウスの設営地もすっかり更地に戻りました。
今日もサワタビを履いて出発。沢を下ります。
昨日はそれほど上ってきていないので、下ると言っても大したことないです。
ただ、このサワタビが足つぼマッサージ状態なので、いつもより動きがややスローモーです(笑)
日が昇ってきました。
林道に出るところにはバイケイソウがありました。春先にウルイと間違えないように、とよく言われる毒草です。
一旦林道を下り車に戻って、檜の森の登り口へ。
そして、再び林道歩き。今回は良く歩くね。
だってMTB積んで来てないんだからしょーがないでしょ(苦笑)不平不満を言わずにとにかく歩きます。
日が高くなるにつれ、雲一つ無い青空が広がり、すでに汗びっしょり。
渓流で疲れた足を冷やし、気持ち良くフライフィッシング開始
ようやく目指す入渓点に辿り着きました。
ふぅー、ここまでくれば後は釣りを楽しむだけ。慌てず一休みしてからゆっくり釣り始めよう。
なんか山の神様が祝福してくれているかのような日差しが谷に射し込みます。
先ほどまでの林道歩きとは打って変わって、汗がすーっと引いていきます。
やっぱり渓流は気持ちいいな。
午前10時、気温18℃、水温12℃。
タックルは昨日と同じユーフレックス インファンテ773-6 NSF+オービス バテンキル クリックII。
今日もアダムスパラシュート#14を結んでキャスティング開始。
浅場に出てきているようですが、サイズは小さめ。
せっかく川を変えたのに、出てくるサイズは同じようなもの。
ここからフライをエルクヘアカディス#14に替えてみるも、釣れるのはやはり20cm前後のイワナばかり。魚影はそこそこ濃いんですが。
昨夕の豪雨が嘘のように、今日は真夏のような日射し。
なるべく木陰にいたいけど、日陰だとフライが見えにくい(笑)
ドライフライの醍醐味、狙い通りに釣れると嬉しい!
このポイントは両岸から灌木が流れの上を覆い、わずかな隙間があるだけ。
ここに投げると枝を引っかけそうだな。
でも、こういう狙いにくいポイントには魚がいそうな気配濃厚。
ロッドの角度を慎重に保持しながらラインがブレないように、なんとか隙間を通してフライを落とします。
すると、着水直後にポソッと小さく出ました! 合わせると結構な勢いで走ります。
おぉー、イワナばかりだと思っていたらきれいなアマゴが釣れました!
狙い通りに釣れたので、このアマゴは嬉しい。
釣りをやっていて嬉しい瞬間っていろいろあるけど、自分で「こうじゃないかなぁ」と推理して作戦を立て、狙い通りに釣れた時ってほんとに嬉しいんですよね。
そして釣れたのが綺麗な魚であれば尚更。
この綺麗な胸びれにはうっとりしてしまいます。
さっきのポイントから繋がる落ち込みの巻き返し。
回転流に乗せてしばらく浮かべると、吸い込まれるようにフライが消えました。
単にフライが沈んだだけにも見えましたが、合わせます。
今度はきれいなヤマト系のイワナでした。
この2尾が釣れたのでちょっと一息。
小さな落ち込みからの浅瀬。イワナは浅場に出て盛んに餌を追っているようです。
ここでは、一度フライに出たけど食い損なったので、そのままフライを流すとすぐさまUターンして再度フライにアタック! フライを追ってくる様子がはっきり見えるのはエキサイティングですね。
さほど大きいのは出ませんが、順調に釣れ続けて楽しいです。
ここで、お昼休憩にします。
今日もサワタビなので、足裏が痛いです(苦笑)サワークライマーRAも車に積んでおけば良かった・・・
スパゲティーは定番の渓流ランチ
お昼は簡単にスパゲティー。
スパゲティーって市販のソースを変えるだけで、いろんな味が楽しめるしお手軽だから渓流ランチに向いていますよね。
それからキウイフルーツとミニトマトも持って来ています。
マイクロマックスULに着火、アルミパーソナルクッカー大鍋にお湯を沸かしスパゲティーを茹でます。
あれ? なんだか急に曇ってきてない? 雨だけは勘弁してよねぇ。
ともかく、あっという間に出来上がり。
本日の渓流ランチ
・スパゲティー カニクリームソース
・わかめスープ
・キウイフルーツとミニトマト
・食後の紅茶
ゆっくり休みたかったけど、空模様が怪しくなってきているので、すぐに釣り再開。
源流で逞しく生きるイワナたち
この川も下流部はかなり増水状態だったけど、この辺りまで来るとむしろ渇水状態のような水量。
甲虫らしく太めのボディーに巻いたピーコックパラシュート。
岩陰からイワナが飛び出しました。もう少し大きいのがいるかと思ったんだけど。
ここでは一度エルクヘアカディス#14に出るもフッキングが浅かったのかバレてしまい、再度キャスティング。
一度フッキングしている個体ではないと思いますが、再度出ました。
これもヤマトイワナです。
上に向かうにつれて、ヤマト色の強い個体が多くなってきます。
同じヤマトイワナでも、真っ黒なのや白っぽいのやいろんなタイプがいますが、棲んでいる場所の川底と同じような色合いになるのがおもしろいです。
このプール、黄色丸印辺りで何尾かライズしているイワナが見えます。
何を食べているのかわかりませんが、それほど大きい虫では無さそうです。
ソラックス・フライングアント#18を少し上方に落として浮かべてくると、フライに突進するイワナ。
でも、フライをくわえたのは小さいイワナでした。
もっと大きいのも見えていたんですが。これが掛かったので他のイワナは散ってしまいました。
この川はあまり荒れない印象でしたが、この辺りまで来ると倒木、流木がかなり多いですね。どこか崩れたかな。
ここでもフライングアントに出ました。
完全にヤマトイワナ域になったようです。
またしても豪雨。空の神様のご機嫌が悪いようです
パラパラと小雨が落ちてきたかな、と思っていると急速に雨粒が大きくなってきました。
ちょうど上手い具合に橋が架かっている近くだったので、橋の下で雨宿り。
見る見るうちに、昨晩と同じような叩きつける雨に。
参ったなぁ、今日もこんな目に遭うのか。通り雨程度なら助かるんだけど、10分、20分橋の下でじっとしていても止む気配がありません。
いつも川に着いたら、
「山の神様、川の神様、今日もよろしくお願いします」と手を合わせてから上り始めます。
そして、帰る時には、
「山の神様、川の神様、今日もありがとうございました」とお礼を言います。
今まで気にしていなかったけど、空の神様ってのもいるんだな、きっと。
これからは空の神様にもちゃんと挨拶をするようにしよう。
ざぁざぁと降りしきる雨の下で、そんなことを考えていました。
30分経ってようやく空の神様のご機嫌は少し落ち着いてきたようです。
小雨がまだぱらついているので、ザックカバーを装着。
レインダンサーの上着も着込みます。
不安定な天気なのでこの橋から林道に出て帰ろうかとも思ったけど、この上の渓相を見たいのもあって、あと一尾だけ釣ったらUターンすることにします。
あと一尾だけ・・・これが往々にして釣れないんですよね(笑)
短時間の雨だったけど、急に水量増えた?
この雨で活性が高くなったのか、今回はそれほどの時間を要することもなくエルクヘアカディスに飛び出してくれました。
暗い場所に潜んでいるイワナはやはり黒っぽい。
これですっきり帰れます。
橋の上に出てみると、川のようになっていました。まさに局地的豪雨といった様相。
ともかく帰らなければいけないので、雨に打たれながら林道をとぼとぼと下ります。
人間いくら頭に来ても、長時間怒り続けることはなかなかできません。それと同じように雨もずっと叩きつけるように降り続けることはできないようです。しばらく歩いているとほとんど止んで、青空が覗いてきました。
このタイミングで塗れたタイツとソックスを脱いで着替え、足元もカメレオン8に履き替えます。
やっと、足つぼマッサージのサワタビから解放されました。足裏がジンジンしちゃってるよ(笑)
これさえ履けばもう大丈夫。林道をがんがん下れます。
下の方まで降りてくると、かなりの水圧でゴウゴウと流れています。
昨日今日と雨に祟られたけど、雨の中での焚き火はとても良い経験だったし、今日は楽しい釣りができて無事帰って来られたので充実した二日間でした。
そして、この二日間の足つぼマッサージでかなり健康になった気がします。ほんとかな?(笑)
山の神様、川の神様、空の神様、今回もありがとうございました。
神様の間で、序列がどうとかいうことで揉めたりしないよね?(笑)
コメント
こんにちは
実に綺麗な純血と言えるヤマトですね。
これだけの純血の揃った沢は今や数少ないんじゃないでしょうか。
沢の感じも実に良くて、大好きな雰囲気です。
大事にしたいですね、こんな純血ヤマトの源流。
マンボウさん、こんばんは。
木曽川水系、天竜川水系とも漁協放流の手が入らない源流部には今も純血ヤマトイワナが残っていますが、「ここは放流はしてないはずだけど・・・」というような源流の沢にもニッコウ系との混血がいたりすすので不思議です。
この沢は傾斜がゆるくて安全だし、魚影も濃いので(サイズはそれほど大きいのはでませんが)私もお気に入りです。
いつまでもイワナがたくさん泳いでいる沢であって欲しいです (^_^)
リコプテラさんのようにゆったり釣りしてキャンプしたいなー。憧れますが修行が足らなくてなかなかその域まで到達できません(笑)
Nori1022さん、こんばんは。
Noriさんの釣技をもってすれば、どんな魚種も瞬殺なので、その後の時間でゆったりキャンプができるじゃないですか(笑)
ただ、携帯電波の届かない場所で一泊二日釣行となると私みたいな世捨て人(笑)じゃないと難しいかも?
携帯繋がらなくても大丈夫な連休をなんとか作り出して、ぜひ楽しんで欲しいですけども (^_^)
ヤマトイワナ、綺麗ですね。
中々お目に掛かれなくなってますが、今後も逞しく息衝いて欲しいものです(^^)
釣りは狙いがハマると嬉しいですよね。
移動も含めて大成功だったのではないでしょうか。
アイさん、こんばんは。
そうですね、ニッコウイワナとの混血がダメってわけじゃないですが、大昔からの形質を受け継いでいるイワナがこれからも生き続けられる環境であって欲しいですね。
渓流釣りに限らず、趣味の魚釣りは自然環境や魚の行動を推理して、それが当たった時の楽しさってありますよね。
昔から釣りは「一場所、二えさ、三に腕」と言われるように、とにかく場所選び(その日に釣れる川選び)が一番大事ですよね。今回はうまくはまりました (^_^)
山の神様、川の神様、空の神様。
それぞれに愛されなくちゃ、こうは釣れません。。
私の場合、一緒くたにして「釣りの神様」にしか帰依してませんので。。。(笑)
Keymanさん、こんばんは。
空の神様のことを今まで意識していなかったので、今回は酷い目に遭いました。
今回ちゃんと挨拶しておいたので、次回からは大丈夫ですかね(笑)
釣りの神様ってのもいましたか。とにかく私の場合、いつも神頼み、運頼みの釣りをしているので、神様に嫌われないようにすることが肝要です(笑)
本当に、チャチャッとご飯を作られますね 綺麗なヤマトに出逢えると嬉しくなります。
Kさん、こんばんは。
渓流メシには慣れているので、割と手早くできることは確かですが、雨がパラついてきたりすると焦るんですよね。今回はメニュー自体がほんとに簡単なので、大丈夫でした。
ニッコウイワナとの混血がダメってわけではないですが、古来からの姿のままのヤマトイワナに出会えるとロマンを感じますね。これからも、ヤマトイワナが生き続けられる沢であって欲しいです (^_^)
枝豆天、美味しいですよね。^^
ボクも一度見付けて以来、けっこうヘビーリピーターです。
車中泊のおでんに入れて食べたのが最初だったかな。
あと一尾だけ・・・これこそ魔法の呪文みたいなセリフですね。(笑)
このセリフの呪縛で中々終われないことの方が多いけど、今回は良い終わり方ができたようで♪
良い釣行ですね。
kuniさん、こんばんは。
私は(たぶんkuniさんもそうだと思うけど)そもそも練り物が好きな上に、枝豆も好きなのでこれはヒットですね。これさえあればビールがぐびぐび飲めます。と言っても、二人とも量は知れてますが(笑)
おでんに入れるんですか、なるほどそれも美味そう。
あと一尾だけ・・・って思っちゃうと大体なかなか帰れなくなっちゃうんですよね。
今回は本当に珍しくすぐに帰れました。すぐに釣れちゃうと、「さらにもう一尾」なんて悪い癖が出そうになりますが、今回はぐっと堪えて、良い終わり方ができました (^_^)
こんにちは。
自然の中に居ると、万物すべてに神宿るを感じる時があります。
リコテプラさんの。自然を感謝する気持ちがワシは沁みるねェ
半漁人さん、こんばんは。
そうですね、私は特定の宗教の信者ではないですが「八百万の神」は信じていて、あらゆるものに神が宿っている感覚はあります。
海もそうだと思いますが、川もちょっと油断すると怪我をしたり下手すると命を失う場合もあるので、川や山の恵みをいただいて無事に帰って来られるのは本当にありがたいことなんですよね。
大自然(およびそれらに宿る神々)に感謝せずにはいられません (^_^)