前回は、ヌメリイグチがどっさり出てきていて、大凶作と言われる今年のキノコも少し光明が見えた感がありました。
ヌメリイグチがどっさり出てきているなら、近い仲間のハナイグチだって出てくるのでないかと、いつもとは違う山へと向かってみました。
ハナイグチはカラマツ林によく出てくるキノコなのです。出かけたのは10月7日です。
ハナイグチ祭り|2023年秋 第5回キノコパトロール
山の登り口近くに流れる沢でペアリングしているアマゴを見かけました。
川底を尾ビレでならしていたので、ここで産卵するのかもしれません。
今年は多忙であまり釣りに行けず、
しばらく見とれていましたが、いけないいけない、今日はキノコでした。
いつもとは違うカラマツの林を歩いてみる
今回はいつもとだいぶ雰囲気の違う山です。ハナイグチはこんなカラマツ林によく出るキノコです。
カラマツ林と言っても他の樹種との混生林で良いんですけどね。
まずはカラカサタケ。前回も触れましたが、いかにも毒キノコに見えるこれ、食べられます。
そして別名ニギリタケと言われるように、幼菌の傘をぎゅーっと握りつぶしてもまた元通りの形に戻ります。
ほら、この通り。傘が強い繊維質で弾力があるんですよね。
成長すると傘が開いて(写真2枚目)、カラカサを思わせるような姿形に。
写真1枚目はチャツムタケ(毒)。針葉樹の倒木によく生えます。
写真2枚目はオウギタケ。オウギタケはアミタケの菌床に寄生するキノコなので、アミタケの近くにはほぼ必ずと言って良いほど生えています。そして、今年はこのキノコが例年以上にたくさん出ています。
ニガクリタケ(毒)とハナホウキタケ(毒)。
何回も書いてますが、今年は毒キノコが全般かなり少ないです。
アミタケも少しは採れます。
そして、前回たくさん採れたヌメリイグチもちらほら。
今までの不調を吹き飛ばす、ハナイグチの大群落!
そして、もう少し上まで登ると、ありましたありました今回のメインターゲット、ハナイグチ!
良い状態のものが群生してます。
このキノコ、長野県では最もポピュラーなものの一つですが、私は全キノコの中で一番美味しいと思っています。
ヌメリがあってキノコ汁やうどんなんかに最高ですが、きれいな幼菌をマリネにしても抜群なんですよね。同様にヌメリがあってキノコ汁に定番のアミタケや前回たくさん採れたヌメリイグチに比べても、ハナイグチはキノコ自体の旨みが頭抜けています。
高級なマツタケやホンシメジと比べても、ハナイグチの方が美味い!!
シロヌメリイグチです。食べられますが、私は積極的には採りません。
これもシロヌメリイグチだと思われますが、図鑑に載っている典型個体は傘が茶色っぽいのに対してこちらはかなり白いですけども。傘裏の管孔の荒さや柄の感じは全く同じ。
まぁこちらの方がシロヌメリイグチという名にはぴったりではあります。これは結構生えてました
マスタケ。このくらいの幼菌だと美味しく食べられます。今日は採りませんが。
ハナイグチはうちの辺りではリコウボウと呼ばれています。語源はわかりませんが、美味しくて優秀なキノコで幼菌はかわいらしい形をしているので、そんな名前が付いたのかもしれません。
このキノコは傘が開いて大きくなると虫に食われやすく傷みやすいですが、今回は極上品がたっぷりと採れたので大満足。ありがたい限りです。
唯一残念なのは、職場で親しくしていた仲間に「秋に一緒にキノコ狩りに行こう」と話していたんですがその前に退職してしまいました。
今も連絡は取れますがなかなか忙しいようで、今秋はそれが実現できませんでした。いつか一緒にキノコ狩りができる日を心待ちにしつつ。
特定の場所で特定のキノコが出るのはほんの一週間ほど。それだけにタイミングが実に難しいんですよね。
美味しいそうなハナイグチで腰ビクはいっぱい。とても全部は採りきれないので、途中でやめました。
ほんの1時間ほどで大収穫となりました。ありがとうございます。
毒キノコのように見える大型キノコ、食べたらかなり美味しい
さぁ、帰りましょう。
軽トラに乗って下って行くと、道端の大きなキノコが目に付きます。
ツチカブリ(毒)か、いやもっと大きいからシロハツの類いか。
かなり大きいよこれ。
ツチカブリではないし、シロハツともちょっと違う。これ、もしかして…
傘表面がテカテカと輝いています。
これこそがオオイチョウタケでは?
たくさん束生(株になって何本も生えている状態)してましたが、大きいのと小さいのを混ぜてこのくらい採って帰ろう。
家に帰って縦に割ってみると、柄は中実(しっかり詰まっている)。
傘表面のシルク生地のような光沢と合わせて、間違いなくオオイチョウタケです。
匂いも独特です。
比べて見ると、前回オオイチョウタケかも?と思ったキノコは全くの別物ですね。
オオイチョウタケは食べてみましたが、かなりいろんな料理に使えて美味しいキノコです。
それについての詳細はまた後日。
本日の収穫:
ハナイグチ、オオイチョウタケ、アミタケ、オウギタケ、ヌメリイグチ、カラカサタケ
オオイチョウタケは初めて採りましたが、今までも目にしたことはあったと思います。
山奥ではなく、道ばたや畑の近く、公園などによく生えるキノコですが、大きくてまとまって生えるので毒キノコっぽいんですよね。今回美味しいキノコだとわかったので、これからは採ることにします。
オオイチョウタケとカラカサタケは100%判別できるようになったし、意外と美味しいキノコなので近日中に『おいしい山菜&きのこ図鑑』の方に掲載します。
これは一概にキノコ大凶作とは言えないのでは?
今年は確かにマツタケは全くの不調、それに私がいつもマツタケよりも重きをおいているコウタケは一本も見かけず、毎年序盤にたくさん採れるサクラシメジ、ウラベニホテイシメジなどもほとんど採れません。
ただ、ヌメリイグチ、ハナイグチは例年よりも一気にたくさん出た感じです。それから、アミタケはそこそこですが、アミタケの菌床に寄生するオウギタケが特別多く感じます。それから、カラカサタケも例年より見かけますね。
そんなわけで、この後の終盤キノコにも期待はしています。
コメント
釣りと同じで自分が狙って、思い通りに読みが当たると「してやったり感」が大きいでしょうね。(^_^)
「採れた」と「採った」は、「釣れた」と「釣った」と同じような関係ではないかと♪
kuniさん、こんばんは。
キノコは、季節感を読んで場所を選ぶのが大事なので釣りと同じような推理する楽しさ、その推理が当たった時の嬉しさは共通しているかもしれません。
特定のキノコがその山で採れるのは、ほんの一週間くらいしかないので、かなりシビアなんですよね。
「たまたま釣れた」と「狙って釣った」は傍から見ると一緒でも本人にとっては全く違いますね。
キノコ狩り、面白いですね。
ここのところ、仕事場所が山に沿っていますので少し抜け出して採りにいったりして。
カラカサダケ、焼くと絶品と指導員の方に教えていただきました。採れましたが食べたのは姪っ子。美味しかったようです。
また、クサウラベニタケが多く生えていました。
ハナイグチ、ヌメリイグチ、アミタケは見て採れるようになりました。
職場でやっていた相談室も、今週で終わってしまいましたが、覗いてみていると沢山の方が持参してきていて、実物で鑑定しているところを見られるので勉強になりました。コウタケを持ってきている方もいましたよ。
ただし、自分で採ったキノコは一度も食べれていませんが。
はるさん、こんばんは。
キノコを探して山を歩くの楽しいですよね。
カラカサタケ、どうして自分では食べなかったんですか(笑)
開いた傘の部分はフリッター(洋風の天ぷら)、柄の部分は細かく刻んでハンバーグやオムレツに入れても美味しいですよ。ただ、このキノコは生食はヤバいので下茹でするかしっかり火を通してください。
相談室にコウタケを持ち込んだ方がいたんですか。それは貴重です。
私は今年はコウタケを一本も発見できていません。おそらくこのまま今年はゼロで終わりそうです(涙)
こちらの奥多摩は昨年ほどではないにしても、やはり凶作です。昨日一日歩いてヒラタケ、シイタケ、ムキタケ、ハナイグチ、ヌメリスギタケモドキがなんとか、という状況でした。因みにハナイグチは初見参。いかようにして食しておられますか?
文鳥と2cvさん、こんばんは。
奥多摩は昨年も凶作でした? こちらは今年の方が大凶作です。
ヒラタケ、シイタケ、ムキタケの腐生菌トリオ最高ですね。どれも美味しい! もちろんヌメリスギタケモドキも。
ハナイグチ初めてですか?
長野県民が大好きなこのキノコ。一番おすすめはやはりキノコ汁ですね。ショウゲンジと一緒だと絶品のキノコ汁になります。もちろん上記腐生菌トリオと一緒でも美味しいですが。
他の食べ方でお勧めなのは、きれいな幼菌をさっと下茹でして、ミツカンマリネの素に一晩漬け込むだけのマリネ。これはとびっきりの美味さです。ホイルしたホタテやエビ、サーモンなどと一緒にマリネすると贅沢な一品になります。下記記事もご覧下さい。
https://sansai-kinoko.com/zatsu-kinoko_marine/