昨年末から今年の冬は雪が本当に雪が少なかったです。例年だと地域の雪かきに駆り出されるのですが、今回は一度も招集がありませんでした。もちろん何度か雪は降りましたが、積雪量10cm未満で道路の雪はすぐに溶けました。
そのまま春を迎えたので渓流にも雪はほとんどない状態でしたが、解禁後に少し降ったので川岸の日陰に雪が残ってはいるのですが。
というわけで、解禁間もなく何度か雪中行軍て懲りたあの川へ向かってみようかな。
夕方用事があるから、早めに帰って来なくてはいけないんだけど。
そうは言ってももう3月下旬になっていることだし、雪に阻まれずに上流まで行けるんじゃないの?
雪のない林道の先にイワナはいるのか|天竜川水系 麦酒川
春めいてきた林道を歩いて奥山へ
まずはカメレオン8を履いて林道を歩きます。
まぁ、この辺りはさすがに雪はないですよ。このまま上まで行けそうな予感。
久しぶりに最強の熊鈴装備で。
水が染み出している護岸の割れ目から、オオバタネツケバナ。ちょっとかじってみると、クレソンと同じ爽やかな辛みがあります。
1時間ほど歩くと、脇に少しだけ残雪。でもこの調子だと入渓点まで雪無しで行ける?
高い山には陽が当たってきました。お昼頃にはかなり暖かくなりそう。
道端に落石の形跡のある場所、右の斜面のみると確かに今にも石が転げ落ちて来そう。
歩きなら、落石があってもドサドサ音がするから避けられるけど、自転車や車だと音が聞こえなくてかえって危ないんですよね。
シドケポイントに到着。
まだ芽出しの時期には早すぎるので気配すら全くありませんが。
あれれ、こんなところで工事をしてるじゃん。
まだ時間が早いから工事関係者はいませんけども。
うわっ、これ林道が一部崩落してるんだな。
それを崖下から足場を組んで直そうとしてるみたい。最近いろんな場面で思いますが、足場って凄いですよね。かなり危険な場所でもちゃんとしっかり組めるところが。
雪の無い林道を歩いて、いつもの堰堤下まで到着。楽に上って来られたぞ。
まぁ、これだけ雪が無きゃ人が結構入っていそうだね。
ともかくここでウェーダー+ウェーディングシューズに履き替えます。
タックルはリバーピーク JP6 7636+オービス バテンキル クリックII。ラインはDT-3F、6X9ftリーダー。マーカーを付けてBHヘアズイヤーニンフ#14を結びます。
まず手前のヒラキを探ってみますが、イワナは浅場にはいないようなので、奥の深みを狙います。
案の定反応ないですね。フライをグレーニンフに替えたりしながら、少し粘りますが、全くの無反応。一旦林道に戻ってさらに上へ行きますか。
雪が全くないと思ったのは甘かった
林道をさらに先に歩き始めるとすぐに、突如の残雪。
なんで急にここから?
あ、そうか、ここのすぐ下にブルドーザー停めてあったけど、あれでここまで林道の雪かきをしたんだな。だから、全く雪がなかっただけで、雪かきしてないところには雪が残っているんだ。
うーん、この先結構な量積もっているよ…
ともかく先に進んでみよう。
ちょっと進むといきなり膝まで雪に埋まっちゃいました。
しかも、中途半端に溶けた雪で一瞬雪の上に乗れそうな感じで一歩踏み出し、体重が掛かるとどさっと下まで落ちる。
これ、一番疲れるやつだ。
おそらく解禁直後くらいにもっと上まで歩いた人がいて、その時はまだ寒かったから雪の上を歩いたんでしょうね。その足跡があるから。でも、今は雪が溶けてきていてその足跡を辿って足を乗せると下までドサンと足が沈んでしまいます。
いやー、これは10m進むのに30分くらいかかるぞ。今日は諦めて引き返す?
とちょっと弱気になりつつも、もう少し行けばなんとか川に降りられる場所があるんじゃないかな、とハァハァ息を切らしながら牛歩のごとく前進。
なんとか降りられそうな斜面を見つけて滑るようにして川岸に到着。
イワナの反応を求めて雪の渓を遡る
雨量も少なく減水で川底の藻が気になるけど、イワナは潜んでいそうな気配はあります。
が、ここでは全く反応なし。
川岸に雪はあるけど、気温が上がってきて魚さえいれば食ってきそうなものだけど。
階段状のいかにも釣れそうなポイントが連続しますが、イワナからの反応がなくまた次のプールへ。
大岩を乗り越えていかなければいけない場面ではフェルトソールは怖いんですよね。
慎重に前へ。
このポイントも、もう少し季節が進めば手前の浅場にイワナが出てきているだろうけど、今はまだ深みにいるのかな。
白泡手前と向こう側の巻き返しに粘り強くニンフを漂わせてみたけど、こちらも全くの無反応。
段々雲行きが怪しくなってきました。ここまで来て何も釣れないとは。
雪に覆われている川岸を普通に歩いて行けそうに見えるけど、実はこの下には大岩がゴロゴロしていて、凄い落差の落とし穴があるんですよね。
うっかりそれを踏み抜くと、最悪足を骨折しかねません。
一歩踏み出して少し踏み固めるようにして、下に岩がちゃんとあるかどうか確認しながらの前進。
これは長距離前進するのは無理だな。今日はケガをしないうちに撤退した方が良さそう。
それでも、もう少し先まで探ってみよう。
ゆらゆら定位するイワナを発見! 釣り上げることができるか!?
有望ポイントも全て不発に終わり、ボウズ確率上がってきましたよ。
いつもなら釣れない時は一休みして渓流メシでもってことになるけど、今日は早めに帰らなきゃだからコンビニのおにぎりしか持って来てないんだよね。
おにぎりかじりながら、上流方向を見やってこの後どうするか思案。
この日は中国から飛んで来る黄砂が酷くてかなり霞んだ空だけど、大岩にはこんな羽虫もいたりしてドライフライでも釣れそうな雰囲気なんですけどね。あくまでも雰囲気の話で。
今日はここから先に進むのは厳しいな、と深みのある廊下状のポイントを遠目に覗き込んだら、黄色丸印にゆらゆらしているイワナを発見!
ややや、これは千載一遇のチャンス。これを逃したら今日はボウズ確定。ここまで雪を一歩一歩踏みしめながらやってきたのにボウズは辛い。ここは慎重に、かつ確実に獲物を仕留めたい。
ドライを浮かべたら一発で食ってきそうな気もするし、いやいや、この水温じゃニンフの方が確立高いでしょ。と二人の自分がせめぎ合います。ともかく、一発で決めないで何度もキャストしていると警戒されて岩陰に逃げ込んじゃうんですよね。
よし、マーカーを外してリーダーキャストでアダムスパラシュート#14を浮かべてみよう!
一投目。
イワナの1mほど手前にフライを落とし、ドラグを掛けないように気をつけながら、イワナの頭上へと。透明度が高いのでイワナの動きがよく見えます。
フライに気づき、一瞬ヒレに力が入ったように見えましたが浮上せず。もう一度だけ、フライをミッジピューパ#20に替えて流します。
うーん、やっぱりダメみたい。透明度が高いから浅いように見えるけど結構な水深があるし。
マーカーニンフ、グレーニンフ#14に替えます。イワナが今のところまだ同じ所に定位している。っこれがラストチャンスか。
あらかじめフライをしっかり水に浸け、浮力をなくしてから慎重にキャスト。
ゆらゆらと沈みながら流れていくグレーニンフ。水中が見えるのでマーカーは見ていません。
あ、今度は確実にフライ目がけて動き出したイワナ。お、フライを咥えた?
合わせます! 来ましたー!!
なかなか良い引きをするイワナ。
やりましたー、最後になんとか1尾釣り上げることができました。ありがとうございますー!
これで気持ちよく帰ることができます。
今日はゆらゆらとしているイワナを見つけた瞬間が全てだったなぁ。ほんとに良かった。
林道に上がって帰ります。
日なたは雪のない箇所もあるんですが、雪が残っている区間が結構長い。
下りは大したことないだろうと思っていましたが、なんのこの半溶けの積雪路を歩くのは上りも下りもほとんど変わらず大変。
一瞬雪の上に乗れるかなという状態から、ドサンと膝まで落ちる。この繰り返しは本当に疲労がたまる。次の一歩を踏み出す為に後ろの足を引き抜くのに力を要するし。
汗をかきながらやっとの思いで雪のない箇所まで到着。
ここで、カメレオン8に履き替えてやっと生き返った気がします。ここまでくればもう安心。
次回釣行について考えながら、軽快に林道を下ります。
このところ、何回かボウズすれすれの釣りを展開しているけど、そろそろ春らしい会心の釣りをしたいなぁ。どうも川選びを間違えている感があるから、次はもっと魚がたくさんいてしかも活性が高い川へ行こう。
…そんな川あったっけ?(笑)
コメント
全然、雪ないし余裕じゃーん・・・と思っていたら、ある地点からいきなり雪に閉ざされる。
そんな人、知ってます。(笑)
こちらはホームリバーの源流域の降雪量は結構な多さだったようで、近年でも珍しいくらいに雪が多く残っています。
最後にキッチリ帳尻を合わせるあたりは流石ですが、本人としては最後までボーズ覚悟でドキドキものだったでしょうね。
桜も咲いたし、そろそろ渓魚も始動して貰いたいところ。